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いま見れるネタ番組として期待感大な _『オサレもん』_は、当然今週も面白かったです。なんといっても、新宿カウボーイが久しぶりに「出た目は5」になったり(たしかに面白かった!)、トレンディエンジェルは月に1度は見ないとダメな身体になってきたことがわかりました。

その中で、なんだかんだ気になってしまうのは、やはり _8.6秒バズーカー_です。ネタ後、矢作が「ラッスンゴレライ」の扱い方について聞いていたので、思わず自分も注目してしまいました。

「ラッスンゴレライ」を推すべきか?

今回の『オサレもん』で、8.6秒バズーカーは「ラッスンゴレライ」でなく、「イマジネーション(※1)」という初公開ネタで勝負しました。しかし、結果は0対3で負け(相手はかのトレンディエンジェル!そりゃあ仕方ない!)。

ネタ後、℃-uteの岡井千聖から「ラッスンゴレライが見たかった!」と言われて、登場してきた8.6秒バズーカー。そこで、以下のやりとりがありました。

矢作:世間ではさ、「ラッスンゴレライ」が有名じゃない?でも、『オサレもん』のときさ、「お弁当箱」のやつもあるよね。 岡井:「お弁当箱」見たことない!
矢作:「お弁当」のやつも面白いんだよ。 はまやねん:まったく認知されてないです…(笑)。 岡井:やっぱ「ラッスンゴレライ」のイメージが強いんですよ。

ここで、矢作から「ラッスンゴレライ」の取り扱い方について、質問が出ました。

矢作:「ラッスンゴレライ」推したほうがいいんじゃないの?どうなの?飽きられちゃうのが嫌なの?
田中シングル:めっちゃ怖いッス。もう「飽きられてきれる」感がメッチャあるんですよ、大阪の劇場では
矢作:だって本人は―俺たちがたとえば3回見てるところを、本人たちは30回やってるわけよ。30回どころじゃないよね、100回はやってるでしょ?
田中シングル:余裕でやってると思いますね。 矢作:だから飽きちゃって―[…以降カット]

すでに危機感を感じている8.6秒バズーカー。そして、その予測は客観的に見てそれほど誤っているものでもないと思います。

「ネタ」で売れる怖さ、瞬間的/局所的な沸騰

彼らを見ていると、あらためて「ネタ」で売れることの難しさを感じます。というのは、「ネタ」が目立つことはイコール「芸人」が目立つことにはならない。

ネタが一人歩きしてしまい芸人が追いつけなくなったとき、その芸人は「一発屋」というイメージがつく からです。

また、最近の「ネタ」事情を見ていると、やはりインターネットの発達を感じずにはいられません。これまでの一発屋は、有名な番組やいろいろな番組などでギャグをやりながら売れていき、一度大きくなってから沈静化していくのが普通の流れでした。しかし、今の一発屋(「候補」とつけるべきですが)は、

瞬間的/局所的な盛り上がりで完成してしまう ことが多く、「え、まだテレビ出て無いじゃん!」みたいなことが起こるようになりました。

8.6秒バズーカーはその最も典型的な例であり、『オサレもん』と『おもしろ荘』ぐらいに出ただけで、あとはyoutubeで消費されていったのではないでしょうか。とくに、「ラッスンゴレライ」は「武勇伝」や「もしかしてだけど」とは異なり、ソフト=歌詞があまり重要でない商品なので、余計に「(ハード=楽曲を)1度youtubeで見ればOK」になってしまったのでしょう。

コントは2度売れないといけない

ここで思い出されるのは、バナナマン設楽の台詞です。以下まとめサイト(?)を引用すると、

一方で、「俺は持論で、『コント芸人も二度売れなければいけない』って思ってるんだ」と言っていた。
その理由として、「漫才の人はね、テレビに出て、そのまま人柄が乗っかったままネタをやる。それで、(バラエティ番組などでも)そのまま行くじゃん。今のテレビは、その”人”(地のキャラクター)が面白くないと売れない、みたいなところがある。作った感じって、続かないんだよね」
「それでね、コントっていうのは、『作った自分(キャラクター)』でやっているから、人柄は別に知ってもらわなければならない。漫才とはその点で違うんだよね。コントでのキャラクターと、地の自分のキャラクター、それを二度知ってもらうために、コント芸人はキングオブコントに出場する意味はあるように思う」と、このように話していた。
漫才のように、地の人柄などを出しにくいキャラクターを演じているため、コント芸人は改めて(芸人としての)本来のキャラクターを知ってもらう必要がある、と話していた。そうした意味で、『コントを主体とする芸人は二度売れる必要がある』ということのようだ。

__バナナマン設楽「キングオブコントに出場する意味」 |
世界は数字で出来ている

これは自分がお笑いを見るとき、ものすごい影響されていることです。

8.6秒バズーカーも、まさしくこれにあてはまっていて、1度売れたけれど(実は「売れてもいない」ってのが2015年らしいとやはり思うわけですが)、2度目がまったく見えてこないところに強い不安を覚えるのでしょう。 瞬間的/局所的に沸騰してしまう世界の中で、ものすごいスピードで「2度目の売れ」まで辿り着かないといけない。面白い「ネタ」を作れば作るほど、売れるのが難しくなってくる。

8.6秒で売れて、8.6秒で消えた 」、そんなことを考えるとちょっと絶望しそうになりますね。

(※1)個人的には、途中でBPMが変わるというテクニカルな楽曲をもとにしたネタで、とても関心しました。ただ、番組内の雰囲気もあいまって、お世辞にも「ウケていた」とは言えませんでした。悪そうな人じゃないし、頑張ってほしい!


Kobori Akira

IT業界の社会人。最近はプロレスと音楽の話題が多め。
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