koboriakira.com

ネットライターの皆様におかれましは、「ああ、なぜロッチが優勝しなかったんだろう」と、お気持ち察します(その理由は単純で、「キーパンチが簡単だから」ですが)。

そんなわけで、一番キーパンチの面倒なコロコロチキチキペッパーズが、2015年のキングオブコントの優勝を勝ち取りました。

ネタが2本とも面白かった唯一のコンビで、彼らの優勝に文句はありません。

で、そういった個々のネタの感想はtwitterに譲るとしまして(後述)、ザックリと全体の感想と批評を載せておきます。

本当はじっくり書きたいんですけど、ネットの消費スピードに合わせるようにするなら、このタイミングでの投稿がギリギリなんですよね(笑)。アクセス数に俺は魂を売るぞ(20ビューぐらいのために)。

審査システムの変更による、キングオブコントの変更

昨日、「コント」が「キング」になるかもしれない日〜『キングオブコント2015』前夜という記事を書きました。

上の記事の主張は、松本人志が審査員席に座ることで、この大会の権威性が高くなり、ひいては「コント」が「漫才」より高い位置に来るのではないか。そういう革命が起きるかもしれない、というものでした。

で、結果ですが⋯⋯ まったくの勘違いでした (爆死・久々に思い出して使ってみた)。 むしろ逆に、

「松本人志ですら、番組の構造には逆らえないのだ」 という深いテーゼが自身の肝臓あたりに染み渡りました。

M-1とKOCの比較

時間の影響で詳しく説明できず恐縮ですが、『M-1』と今年の『キングオブコント2015』(以下KOC)を比較すると、たとえば以下のようなことがあります。

  1. M-1は、どれだけバラエティに寄っていても根底に 「真剣勝負」感 が強くあった。KOCは、松本人志が審査こそしたが、いまだに バラエティ番組 の匂いが強かった。
  2. 司会は、M-1が今田耕司、KOCが浜田雅功。彼らの違いは、キャリアを原因とする 審査員との距離感 。つまり、M-1は審査員(島田紳助)が番組を引っ張っていくのだが(今田はフォロー役)、KOCは司会が番組を引っ張っていく(つまり普通の番組、である)。
  3. KOCの観覧が、『アメトーーク!』にいそうな娘ばかりだった。 M-1の観覧は、お笑いに対して一家言持っていそうだった(顔が映ってないからそうイメージさせられる)。

これらから推察するに、 キングオブコント』は決して『M-1』を吸収合併しようとした訳ではない 、ということです。

むしろ、松本人志が審査したのにも関わらず/審査したからこそ、番組がよりポップさを帯びていました。

私が考えているより『キングオブコント』はもっとピュアで、天然で、正直なところ、 **「ゴメン。でもなんで ⋯⋯今になって審査システム変えたの?」**と、その理由が最後まで掴めませんでした。 「あれ? もしかして⋯⋯、前のシステムのほうがマシ?」みたいな(笑)。

視聴者側のシステムの変更

もうひとつ、上のこととも絡みますが、まずは独立して書いておきたいことがあります。それは、ほかならぬ私たちの視聴態度です。

これ、恥も外聞も無く書いてしまいますが、 今回ほど自分の感覚と審査員の感覚と一般の感覚が一致したことはありません。 (※1)

これが「素人(と私)の視聴レベルが芸人並みになってきたんだ」っていう牧歌的な認識で終わればいいんですけど、あまりそうとも思えませんでした(笑)。

むしろ、コロチキのネタを見て笑ってるとき、「ああ、これぐらいのネタで爆笑するのが今っぽいよね」という、ある種の悲観を伴った笑いが自分にはありました。

ちゃんと言えば、それは 「ストーリー性の無さ」と私たちの相性がどんどん良くなっている、「ひねくり回したネタは見たくない!」というか、もっと極端に「ストーリーなんて要らない! だって面倒だもん!」というような空気です。

で、この空気に「そうだよ! その通り!」って人と、「まあ⋯⋯、時代⋯⋯、じゃないですか(笑)」って人と、番組内の空気を感じ取った審査員が合わさった結果、今回の優勝者が決まった。

コロコロチキチキペッパーズが面白いのは間違いないのですが、今回の『キングオブコント』は正直なところ、コロコロチキチキペッパーズ的なものに凌辱されたような(言い方キツいですかね?

雰囲気を察していただけると⋯⋯)大会だ。というのが全体の感想です (※1)藤崎マーケットだけは別。1本目のネタで480点ぐらい貰ってもよかったでしょ!

ドラマとコントのマリアージュは可能か?

最後に、今回のKOCで気になったのが、各コンビの紹介Vの「うるささ」でした。

コントは漫才と違って、芸人が本来持つキャラクタと関係ないことを演じたりすることが可能です。だからこそ、コントには無限の可能性があります。

なんですが、そういったコントの前に芸人のドラマをバリバリに見せられると、ちょっとした違和感が残ることもありました(今年に限ったことではないですが、なんか今年は特に感じた)。

たとえばザ・ギースは「念願の再チャレンジ!」みたいな感じでしたが、そこであのネタをやられると、ほんの僅かですが咬み合わないところが出てきていたように思います。

逆に、これを上手く使っているなと毎回思うのが巨匠です。コントで演じるキャラクタと実際のフリートークのキャラクタがほぼ一致している、というコスパの高い(笑)コンビです。

これについては、昨年のV振りがどれくらいの時間だったかなども計測して、詳しく見てみましょうか。

twitterの雑な感想群

こんな感じです。今回は巷で大流行のSEO対策、ってことでバーッと書いてしまいましたが、一つお願いいたします(笑)。もう少し考えが固まったら、また書きます。

最後に、twitterに書いた番組のリアルタイム視聴の感想の抜粋です(録画なのでCMは飛ばしました)。 なんだか2008年ぐらいの感じがして平和ですねー。 まだ戦争を遠くに感じていた、あの頃です。では。


藤崎マーケット。 一発屋のドラマ。俺は本当に彼らが好きだ! R-1のときも思ったけれど、すこし悲しさがあるのが心を掴まれる。

— コボリアキラ (@kobori_akira) 2015, 10月
11

審査員がとにかく優しい。賞レースとバラエティ番組の間を狙いながら、松本人志に頼りながら、なんとか続けようとしてる。松ちゃんに対するハマちゃん(KOC)と今田耕司(M-1)との違いが浮き彫りになる。

— コボリアキラ (@kobori_akira) 2015, 10月
11

三村さんと同じ感想しか思いつかないのか?

— コボリアキラ (@kobori_akira) 2015, 10月
11

コロコロチキチキペッパーズ。
「声」推しなんだー。でも、この時間でなら丁度いいかも。インパクトで笑いをとってる間に導入を済まして、残りの時間で本ネタをバンバン撃つ。「新しい」と言えば新しい。

— コボリアキラ (@kobori_akira) 2015, 10月
11

ちょっとドラマ部分が長いように感じる。というか、芸人のドラマがコントには直結しないんでしょうね。

— コボリアキラ (@kobori_akira) 2015, 10月
11

ザ・ギース アルコ&ピースみたいなことすんな!!!(笑)。頭がおかしくなったさかなクン、もっと見てみたくて減点したい気分。

— コボリアキラ (@kobori_akira) 2015, 10月
11

ロッチ。 美味しい食材は、シンプルな調理法が一番。

— コボリアキラ (@kobori_akira) 2015, 10月
11

ドラマが付属してアガるのは格闘技だけで、「K-1」をインスパイアしたM-1は盛り上がるけれども、キングオブコントは違うんだ。そういうところから考えていこう。

— コボリアキラ (@kobori_akira) 2015, 10月
11

アキナ。
コントを見る自分たち(視聴者)の変化に気づく。ポップに言えば、140字に収まりきらないネタは笑う前にクエスチョンが出ちゃうんだろうなあ。審査員がどう評価するかはわからないけれど。

— コボリアキラ (@kobori_akira) 2015, 10月
11

大竹さん、何も言わないようでいて実は結構ビシッと言ってる。

— コボリアキラ (@kobori_akira) 2015, 10月
11

巨匠。
回転寿司ネタ。「うちのチェーン店は」ってつけてるけど、かなりギリギリだ(笑)。設楽的に言えば、コントで一度売れればOKなネタをやる新しいコント職人だ、というのが自分がいつも思う感想。

— コボリアキラ (@kobori_akira) 2015, 10月
11

「面白い…ハズなのにね」という松ちゃんのコメント、実はものすごい時代の空気を掴んでいると思う。

— コボリアキラ (@kobori_akira) 2015, 10月
11

松本人志の変化が著しいけれど、この5年間における自身の変化なのか、漫才とコントの違いなのか。

— コボリアキラ (@kobori_akira) 2015, 10月
11

コロチキの優勝は、こうやって見ると妥当でした。番組全体(というか審査員)を見る年になっちゃったので、ネタに対する感想があまり出ないんですけど、やはり身体性とキャラの時代なんだろうなー、という感じ。いわゆる「コント」じゃ、そうウケない時代です。代わりに『LIFE!』にまかせてくれ!

— コボリアキラ (@kobori_akira) 2015, 10月
11

今回のKOC、本当に難しいところで。番組の変化と、わたしたちの変化(が終わりつつあること)と、ネタの変化と…。ウッチャンが存在しないことも重要なんだけど、それはイッテQのせいだと知った。

— コボリアキラ (@kobori_akira) 2015, 10月
11

藤崎マーケットの1本目がアニソンだったこと。単純に面白そうなものを選んだだけだけれども、こういう無意識の選択が実はすごい重要な意味を持っている、というのが自分の直感です。笑いとはほとんど関係ないのですが…。

— コボリアキラ (@kobori_akira) 2015, 10月
11


Kobori Akira

IT業界の社会人。最近はプロレスと音楽の話題が多め。
読む価値のある記事は Qiitanote に投稿します。
過去人気だったブログ記事はこちらから。