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12年ぶりに、中島美嘉「Love Addict」をポリリズムの観点から再評価する(3)


中島美嘉を取り戻し、古き良き時代を取り戻し、21世紀の日本で流行るかもしれないポリリズムを取得してみよう、の第3回です。

前回までの流れは、こちらから辿ってください。

繰り返しになりますが、このエントリ群は、できれば最初からお読みになって、音源もひとつひとつ聴かれたほうが楽しいです。文面だけ読んでわかるレベルにポリリズムをご存知でしたら、多分面白い話はあまり無いと思います。

まずは、この連載のインスピレーション元である中島美嘉「Love Addict」を聴いてみましょう。肩/脇フェチにとっては、サビの映像はたまらないですねー。昨日はじめて『さや侍』を見ましたが、同じくらい性的です(『さや侍』が性的すぎた、って意味です)。

クロスリズムを、図と音でインストールする

今回は、これまで取り上げた「ベース(ハイハット)とピアノ(スネア)でのリズムの違い」について、いよいよ<クロスリズム>という言葉を使って説明してみます。

まず、こちらを聴いてみてください。前回の最後に紹介した音源です。

2(偶数)と3(奇数)をそれぞれ意識する

上の音源だけだと何をやってるかわからないので、下の図をもとに解説していきますね。

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この図で重要なことは、2つあります。

ひとつは、キックとキックの間(これを「1小節」とします)に音符が6つ入っていることです。ただの言い換えですが、1小節という時間の間に音を6つ鳴らせられるわけです。

実際に6つの音を敷き詰めてみたのが、下の音源です。強弱がないので、6つの音がひとつながりになって鳴っているイメージを持ってもらえれば、以降がわかりやすくなります。

文字化すれば、「ツツツツツツツツツツツツ|⋯⋯」って感じですね。

そしてもうひとつの重要な点は、6つの音を、ハイハットは2つごとに区切り、スネアは3つごとに区切っていることです。

ここ、めちゃくちゃ大事です。大事ですが難しくはありません。簡単ですし、ここさえ分かれば、クロスリズムは体得できます。

この章で最初に聴いてもらった音源は、区切りの箇所でしか音が鳴っていません。なので、下の音源では、1つ目の重要な点(6つの音を敷き詰める)を参照し、実際に6つ鳴らしながら区切りを強調してみました。

ハイハット(2つ区切り、「Love Addict」のベース)

文字化すると、「ッ|ッ|⋯⋯」になります。

スネア(3つ区切り、「Love Addict」のピアノ)

文字化すると、「ッッッッ|ッッッッ|⋯⋯」ですね。

ここまで読んでもらったら、最初の図をもう一度見てみてください。クロスリズムがどのようなものかわかるでしょうか。

ハイハットは、2つの音をひとかたまりとして区切っています。だから、6÷2=3で、3つのかたまりができます。

一方でスネアは、3つの音をひとかたまりとして区切るので、6÷3=2で、2つのかたまりができます。


以上。ここから、クロスリズムが定義できます。クロスリズムとは、

「1小節(ないしは2以上の小節)が、さまざまな数の音のかたまりに分かれ、同時に鳴っているリズム」

なのです。

まがいもののクロスリズムに注意!

ゆっくり読んでいただければ、これから説明するような間違いは無いのですが、おそらく10人に3人程度は有り得そうな間違いを紹介します。(※)

(※)「間違い」と書いていますが、なんも悪くはありません。ただ、これをクロスリズムとは呼ばない、という意味です。実際、J-POPでもよく利用される、非常に一般的なリズムの工夫です。

下の音源を聴いてみてください。

なんか音がいろいろなタイミングで鳴っているので、「クロスリズム?」と思ってしまうかもしれないんですが、これはクロスリズムではありません。

このリズムは、図にすると下のようになります。

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注意していただきたいのは、1小節(キックの間)に入っている音の数がそもそも違っていることです。

クロスリズムでは、1小節の中に入っている音の数は同じにならなければいけません。

またいずれ再登場願います

で、そうなると、「じゃあこのリズムは何なんだよ」って話ですよね(笑)。

さきに言葉で説明をすると、「3連符にしたか、していないかの違いです」とか、「1拍をどのように分割するかの問題です」とかになるんですが、

この連載では、もう少しあとで扱ってみたいと思います。

次回予告

というわけで、第3回にして、ようやくクロスリズムの話にたどり着きました。

ツイッターの140文字どころか、もう文字すら読む気になれない、インスタグラムに「いいね!」して終わり。な時代の中、ここまで読んでもらってありがとうございます(笑)。

次回からは、もう一度中島美嘉「Love Addict」に戻して、どうリズムを取ればノレるかを実践的に書いてみようと思います。では。

12年ぶりに、中島美嘉「Love Addict」をポリリズムの観点から再評価する(4)


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