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モーニング娘。なら知ってるよ。いまは年号がついてるんだっけ?」ぐらいの情報の方にもオススメしたいので丁寧に書きますが、彼女たちの所属する**「ハロープロジェクト(ハロプロ)」** から最近あたらしくデビューした こぶしファクトリーというユニットの2ndシングルがいいので、オススメします。 来月2月17日発売、タイトルは**『桜ナイトフィーバー/チョット愚直に!猪突猛進/押忍!こぶし魂』**。どれとは名言しませんが、トリプルA面のうち2曲ほど「なぜこんなタイトルをつけたんだろう⋯⋯」と心配になってしまうネーミングがされています。

しかし本エントリのコンセプトは、タイトルを読み上げて笑うものではありません。 このシングルに収録されている 「桜ナイトフィーバー」が20代後半のJ-POPファンを狙い打ち したかのような楽曲だったので、これをシェアしようとするものであります。

まず楽曲を聴いてみましょうか。「ハロステ」というyoutubeチャンネルから。 ( 曲は51:40から。 youtubeのページに飛ぶと、詳細欄からすぐ再生できたりします。)

(毎度のことながら、アイドルご本人の情報を知らずとも20回ぐらい聴いているとさすがに「推し」も出ますね。浜浦彩乃さんがめちゃくちゃ気になりつつ、ルックス的には井上玲音さん一択です。)

⋯⋯まだ聴いてないじゃないですか。まず聴いてください! その300秒はきっと無駄にならないです。

80年代をベースにした楽曲

ザックリ書くと、J-POPの好きな20代男子はたいてい「なるほどねー、確かに悪くないねー」って感じだと思います。私はその感情がかなり大きく出た部類でした(笑)。

まず周辺情報をお伝えすると、この曲はこぶしファクトリーのオリジナル曲ではなく、 KANのカバーです。KANってのは、「愛は勝つ」でおなじみのKANですね(KANもハロプロ所属)。下のページでは、KANバージョンの原曲も視聴できます。 KAN オフィシャルウェブサイト New Single『桜ナイトフィーバー』“逆”段階的試聴

原曲は「 ストック/エイトケン/ウォータマンのサウンドを強く意識した80年代調のビートに、KAN作品特有の流麗なストリングスが美しい、とことんポップなディスコナンバー」を目指して作られています。「ストック/エイトケン/ウォータマン」というのは、

上で紹介したような曲を作っているプロデューサー集団です。「80年代調のビート」ってのは、たとえばドラムの音色や表ノリのリズムなどを指しています。KANの原曲はこれらを継承しつつ、歌謡曲っぽさも取り入れた名作です。

名手ダンス☆マンによる、あの頃のハロプロの復活

それでこっから本題なんですが、こぶしファクトリーはこの曲をカバーしました。そこでアレンジャーとして白羽の矢が立ったのが、この記事の主役であるダンス☆マン です。

ダンス☆マンをザックリ説明すると、モー娘。黄金期の曲をほとんど手がけた人です。**「LOVEマシーン」「恋愛レボリューション21」「ザ☆ピース」**などなど。あのテイストの曲はすべてダンス☆マンだと思ってもらって間違いありません。(※「ダンス☆マンの「LOVEマシーン」制作秘話 - はてなでテレビの土踏まず」あたりを読むと、面白いかもしれません。)

私から見るとかなりの功労者なのですが、ハロプロの楽曲にダンス☆マンが起用されるのは実は久しぶりです。言い方を変えると、ハロプロにおいてダンス☆マンはすでに「役割を果たした」人物 でして、彼を起用するのは(ファンとして苦しいですが)時代遅れになる可能性もありました。

しかし、結果としては「時代遅れ」なんてとんでもない、というより「満を持して」感がとても強く、 「そうなんだよ! こういうのを待ってたんだ!」という作品に仕上がったと思います。 ここで重要なのは、この曲がKANの手によるものであり、 つんく♂はこれには関わっていないことです。それなのに、この曲には「あの頃のハロプロ」がたくさん詰まっている。

何が言いたいかというと、ダンス☆マンというミュージシャンがハロプロに与えた影響力は想像以上に大きかった、ハロプロの礎はダンス☆マンなくして作られなかった、ということです。「今更かよ」ってツッコミが入るとは思うんですが、こういうのは一時代が終わってからやっと分かるようになるものです。

ちなみに、こぶしファクトリーの歌唱力が当時のモーニング娘。を彷彿させるのもバツグンに効いています。「いい湯加減の下手さ」が曲の魅力を高めるんだ、という証拠音源はいくらでもあります。てっとり早いのは「LOVEマシーン」のボーカルとかですかね(AutoTune/Melodyne世代にとっては下手すぎて卒倒するかも・笑)。

「桜ナイトフィーバー」を単なる回顧主義の産物だと断じるか、それだけじゃないプラスアルファを感じるかは人それぞれでしょう。

個人的には、歌詞以上に作曲・編曲における批評度の高い楽曲だと感じています(意識してないと思いますけど)。ハロプロとバブルの相性の良さは確かにあって、AKBがある種の悲痛さ(まあそういう商売だと思いますけど。「この娘をキャバクラから俺が救い出すんだ」みたいな・苦笑)を感じさせるのに対して、ハロプロはそういうのを全てスカッと飛ばしたところに独自の良さが出てくると感じています。そりゃあダンス☆マンがハマる訳だよな〜。

とりあえず、「桜ナイトフィーバー」はこぶしファクトリーにしか歌えない、かつ、ハロプロでしか世に出すことのできない傑作です。あと、好き嫌いは別として、やっぱそういう音楽つくるのがカッコいいよね〜、という結論でした。

早くシングル発売されないかな〜。


Kobori Akira

IT業界の社会人。最近はプロレスと音楽の話題が多め。
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