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11月26日。

何年かに1度の「映画見るシーズン」に入り、Amazonプライムからちょこちょこ映画をつまみ喰い。 『マジック・イン・ムーンライト』 は、自分みたいな「映画見る体力がなくてねー」派にもってこいの映画。ミステリ要素はとてつもなく薄いけれど、それを補ってあまりある童貞臭さがドツボに突き刺さる。「こうなってくれよ。絶対にああいうエンドにはなるな」という我々の願いがすべて実る、非常に気持ちいい映画。

ウディ・アレンはなんだかんだで『ブルー・ジャスミン』も見たし、『ミッドナイト・イン・パリ』もチラ見したし、映画監督の中では知っている人の部類。コリン・ファースは『英国王のスピーチ』以来の出会いだったが、よりファンに。エマ・ストーンもかわいいし、20年代の音楽も最高によかった。

ミステリ要素をもうすこし腹に入れたかったので、邦画からは _『探偵はBARにいる』_の1作目と2作目をそれぞれ。ちょうど新作の公開直前であるようで、それは映画館で見たくなるぐらいの出来栄えだった。「大泉洋ファン」の中にもいろんな派閥がいると思うが、**「憂鬱でコミカルな大泉洋がみたい」**という人にはたまらない作品なのでは。個人的には1作目の終盤、「スピード上げてくれ!」がとてもブルージーで印象に残った。素人目にだって「いい俳優なんだな」とわかる。

実はこの2作の間に『グランド・イリュージョン』も見ていたのだが、これはいわゆるB級映画なのだろうか。「とんでもないものを見てるな」と思っているうちに終わってしまったら、すくなくとも駄作ではないのだろうと思う。と書いても恥ずかしくないのかな(笑)。


Amazonプライムつながりで言えば、音楽もSpotifyからしか聴かなくなってしまい、「視覚/聴覚芸術にお金を払う時代は終わった」なんてテーゼも否定しづらい生活を送っている。

ただ当時の有識者は気づいていないだろう。そのような聴き方をしたがゆえに「なんでこの作品に対してお金を払ってからファーストコンタクトをとらなかったのだろう」という、新しい種類の後悔があることを。自分はこの感情を、PUNPEE の _『2057』_から学んだ。なにせ大泣きしながら聴いているくせに1円も払ってないし、さらにはアルバム名や曲名すら知らなかったのだ(他の曲を聴いたあとのオススメで流れたきた)。

似たタイプで言うと、フィロソフィーのダンスの『ザ・ファウンダー』もこれに近い。というかこれは普通にCDで買いなおすと思う。彼女たちの2作目にあたる本作は、「デビュー作が良すぎる」というハードルもしっかりクリアし、かつこれがまだマスターピースでないことが「次はどんなものを出してくるんだろう」というワクワク感に繋がっている、いいかえれば「青田買い」のアルバムだ。

個人的に好きなのは「ダンス・ファウンダー」と「ライク・ア・ゾンビ」。もうメンバも覚えたが、圧倒的な天才(というか自分と同じ肌感覚)である奥津マリリ、一番ドスの効いてるボーカルをとる日向ハル、アイドル声の十束おとは、この3者間をつなぐバランス感に優れた佐藤まりあで作り上げる時間軸的なハーモニー(同時にハモってる訳ではなく順番に歌っているだけだがハーモニーを感じる、という造語)が出来上がりはじめたことも感じる。

サウンド面でいうと、軽いけどしっかり鳴っているキックのように、どの音要素も「ちょっと軽い(古い)けど今風」という共通点を持って組み立てられており、それらは最終的には「ライブで生演奏できる」ことを目指しているんじゃないかと思う。現状はオケを流すしかないけど、最終的には絶対にバックバンドを従えるはずだ。

『BLUE BLOOD』のときのw-inds.を見てブッ飛んだ自分としては、この妄想だけですでにトリップ直前であることが恥ずかしい。この人達と一緒にライブをしたんだ、ってことがいずれとんでもない自慢になるだろう(お前も頑張れよ、って話ですが)。

ほかNONA REEVES『MISSION』やchelmico『chelmico』、BANANALEMON「I WANNA」を何度も聞き返す。BANANALEMONはSTYプロデュースのアイドルと知り、今後も要チェックであることを記録。あとキリンジの「AIの逃避行」もちょこちょこ聴いたが、いろんなところにCharisma.comが参加しているところが少し気になる。どれもいい曲なので、彼女が客演した作品が全部おさえたほうがいいかもしれない。


Kobori Akira

IT業界の社会人。最近はプロレスと音楽の話題が多め。
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