読書感想文

玉村豊男『料理の四面体』〜たった1冊の、無限レシピ〜

久しぶりにニヤニヤする本に出会ってしまった。本書の内容がどうかはともかくとして、 「いやー、そうですよねー。そういう気持ち、オレ、めっちゃわかります!!」 という種類の、共感や共感から生まれるワクワク感みたいなものに包まれてしまった。 感想 本書は、「イッパツで料理の一般的原理を発見し、それを知ったらあとは糸を紡ぐように引けば引くだけ次から次へと料理のレパートリーが無限に出てくる」(※1)方法を考…続きを読む


税所篤快『若者が社会を動かすために』感想〜部屋のライトを消して社会は動くか?

熱意はよく伝わるんだけど、自分の心に響きはしなかったなー。 という、まさしく「若者」のコメント。 本書は、税所篤快さんによる最新作で、著者自身の経験と8人のインタビュー(と田村淳のとの対談)から、若者が社会を動かすために必要な要素を考える内容になっている。 『ゆとり世代の愛国心』を含めて、私が著者の書籍を読むのは2冊目(『ゆとり〜』は本人のFB告知が目に入り、応援の意味も含めて購入した)。今回は、…続きを読む


橋爪大三郎『はじめての構造主義』〜ヨーロッパ文明を破壊したレヴィ=ストロースの構造主義

文字通り「新書」だと思って購入したところ、1988年の発行だと知り、驚いた。まだ自分が生まれるギリギリ前に、このような名著が出ていたとは。 本書は、80年代当時流行っていた、そして今でも影響を与えている<構造主義>という思想について、どのように出来上がってきたかを解説したものだ。学術書としては平易に書かれているため、読みやすい。 <構造主義>の産みの親とも言えるレヴィ=ストロースに注目している点が…続きを読む


井上ひさし『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』〜だれにでもわかる文章の書き方

鶴見俊輔『文章心得帖』同様、自分の作文スキルを向上させたいと思って読んだ一冊。 感想 本書は、井上ひさしが受講生に「自分にしか書けないことを、だれにでもわかる文書で書く」ためのコツを教えるものだ。口語で書かれているので、とても読みやすい。 この本を読んで、井上ひさしの考える文書のポリシーはミニマリズムではないか、と考えた。必要十分な言葉で書かれた小さな文書を、緻密に積み上げて大きな流れを生み出す。…続きを読む


阿古真里『小林カツ代と栗原はるみ 料理研究家とその時代』〜主婦と料理研究家のディスタンス

感想 「家庭料理というのは、中華、フランス料理と並ぶものであって、上でもないし、下でもない、一つのジャンル、プロの技なんだということを語れたことが何よりも良かった」 上の台詞は、小林カツ代が雑誌の取材で語ったものだ。 『料理の鉄人』で、鉄人の陳建一に勝った小林カツ代の肩書きは「料理研究家」。自分はただの主婦ではなく、家庭料理を教えるプロだという自負があった。 本書は、有名な料理研究家の歴史研究から…続きを読む