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M-1の準々決勝が終わり、来週19日はいよいよ準決勝です。

先日、そのメンツが発表されたのですが、東京の準々決勝を生で見ていると(※その感想については、『M-1グランプリ2015』が突きつけられた、たった1つの問いをご参照ください)、嬉しさや驚きなどが何倍にもなりますね。

こうなると、当然ながら「誰が決勝に進むのか?」というのが話題になります。「大好きな○○には一度でいいから決勝の舞台に立ってほしい」とか「あのネタにさえ決めれば絶対に決勝までいける」とか、好事家の話は止まりません。

で、私も私なりにこれを考えてみます。ただし、ネタに関する話はすべて封印して、この大会唯一の特徴をもとに考えます。 その特徴とは、

今大会は「結成15年以内」のコンビなら参加できる、というルールです。これまでは「10年以内」でした(※これは、優しさは失敗のもと―2015年のM-1は成功するか?をご覧ください。結構書いているんですよね・笑)。

「結成10年以上」が、半数いるという実情

まずは、準決勝に進んだ27組のうち、「結成10年以上15年以内」のコンビを調べてみました。ザッと挙げると、

かまいたち、チーモンチョーチュウ、スーパーマラドーナ、とろサーモン、東京ダイナマイト、ナイツ、POISON GIRL BAND、タイムマシーン3号、天竺鼠、ダイアン、ジャルジャル、トレンディエンジェル、囲碁将棋。 というわけで、 27組中13組があてはまります。これを「ベテラン勢がやりすぎ」もしくは「若手が健闘した」と捉えるかは自由です。

もう少し条件を細かく設定してみましょうか。たとえば、この中で「M-1に出場経験があるコンビ」は6組、「M-1またはTHE MANZAIに出場経験があるコンビ」は10組います(かまいたち、とろサーモン、天竺鼠を除いた全組)。 そして、今回の決勝は、

この10組がどれくらい食い込んでくるか。 それがすごい重要になると予想しています。

似たような問いになりますが、彼ら10組が決勝に上がる状況を、私たちは受け入れたり望んだりするでしょうか。ここ、本当に難しいところです。

『M-1』の『THE MANZAI』化

実際、東京の準々決勝では、東京ダイナマイト、POISON GIRL BAND、天竺鼠、トレンディエンジェルが会場の最も盛り上げたコンビでした。

そういう意味で、彼らの決勝進出は(今回のルール上では)妥当であり、そのほうが決勝も盛り上がることは確かでしょう。

しかし、一方で、それは島田紳助の掲げた「結果の出ないコンビの辞めるキッカケをつくる」、いわば「若手漫才師の大会」という看板を降ろすキッカケにも成り得ます。

もしそうなると、それは、 『M-1』が博多華丸・大吉優勝以降の『THE MANZAI』に吸収されたような格好になる ことを表します。「面白ければエエやん」的な、フジテレビ的な発想がM-1に持ち込まれる訳です(これを悪いなどとは断じて思っていません)。

「コボリがまた馬鹿みたいな事を言ってる。あの記事にどれだけおんぶしてんだよ」とお思いかもしれません。しかし、すでにこの『THE MANZAI』化の動きは簡単に見つけることができます。

敗者復活戦では準決勝敗退コンビが漫才を披露し、視聴者投票によってファイナリスト最後の1枠を決定。さらに「GYAO!ワイルドカード」と題し、GYAO!で配信される準々決勝敗退コンビのネタ映像の中で再生回数が1位だった1組を準決勝へと送り出す視聴者参加企画も用意された。
「M-1グランプリ」決勝日程&敗者復活戦決定、歴代王者の直前特番も -
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そう。敗者復活戦においては、『THE MANZAI』の「ワラテン」のようなシステムが既に導入されることが発表されています。この時点で、M-1がほんの少し変化を起こし(※)、一般的なバラエティ化を狙っている、と考えることは不自然ではありません。

(※)もちろん、M-1は永久に変わるな! とも思いません。ただ、この変化はM-1のアイデンティティを揺るがします。 『M-1』が『THE MANZAI』のようになったとき、果たしてそこに、あの頃の熱狂は生まれるのでしょうか。

バランスをとった配分になるだろう

というわけで、「決勝進出者を考える」とか言いながら、もっと大きな話をしてしまいました。最後に、上の話をもとにして決勝進出者を考えてみます。

まず、ひとつの見方として、前述した10組と残りの17組とで、どちらが多く決勝に行くのか? という点が重要だと思います。

「10:17≒3:6」ですから、まあ前述の10組から5組出るようなことがあれば、なかなか大きな出来事だと思われます。

しかし、準々決勝の審査は、「10年以上のコンビに扱い」について意識的/無意識的にナイーブさがありました。なので、だいたい上の比率に落ち着くかな、というのが予想です。

どのコンビが行くかは、本当に想像つきません。とにかくPOISON GIRL BANDは出てほしい! ってだけです(笑)。では。


Kobori Akira

IT業界の社会人。最近はプロレスと音楽の話題が多め。
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