日本代表_vs_シンガポール代表__W杯2018・アジア2次予選____サッカー動画速報_-_Part_22

「得点力」よりも大事なもの(FIFAワールドカップ アジア2次予選 2018 シンガポール戦)


今日は男子日本代表のシンガポール戦でした。結果は0−0ということで、久しぶりにサポーターのブーイングがテレビから聞こえてきました。ネットはさぞ盛り上がったことでしょう。

十人十色、多種多様。反省すべき点は色々あるんでしょうが、まずはシンガポールのGKマフブードにリスペクトです。日本は23本のシュートを打ち、14本のCKと7本のFKのチャンスを得ましたが無得点でした。

たまたま昨日「【GK論】日本代表の正GKは、なぜ西川選手ではなく、川島選手なのか? | GK分析&採点!全国どこでも出張GKコーチ!元U-20ホンジュラス代表GKコーチ 山野陽嗣のGKアドバイザー業務」というエントリを読んだのですが、それを踏まえて前半の12分、17分、27分のイズワンのプレーを見ると、今回の引き分けは彼の安定したプレーを90分間集中して続けたご褒美みたいなものだと思います。

それより、ハリルホジッチが試合後の会見で「長い間、サッカーに携わってきましたけど、19回ほど決定機を作りながらこのような結果になったのは初めてです」と言っていたのが結構衝撃的で、ハリルホジッチぐらい色んな経験している監督でもこんな発言しているようじゃ、「もしやどんな監督が来ても…」と血の気が引きそうになりました。

4−1−4−1で引く相手の崩し方

今回は、いわゆる「ドン引き」した相手に対して、どのように崩していけばいいのかを考えるうえで勉強になる試合でした。

まず、スタメンから。ほとんどシンガポールの攻撃がなかったのでアレですが、とりあえず4−2−3−1でセットしておきます。

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今回重要なのは守備でしょう。こちらも。

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というわけで、シンガポールは2列のブロックの間にアンカーを置いた4−1−4−1でセットしていました。

香川、無視されがち。

まず、おなじみpal9999さんのブログから勉強します。4−1−4−1の崩し方について、下のように説明している箇所がありました。

基本的には、大迫と本田をアンカーの両脇に落として、そこに楔を入れてボランチに落とし、裏に走るWGにラストパスか、サイドチェンジって戦術になります。これ自体は何の問題もなく、オーソドックスな対4141戦術の一種になります。
2014年ブラジルワールドカップ 日本代表対ギリシャ代表のレビュー 「噛み合ってないチーム」 – pal-9999のサッカーレポート

引用文中の選手について、「大迫=CF」、「本田=トップ下」です。とりあえずは「アンカーの両脇」がチャンスメイクのスタート地点になるようです。ガチガチに守られたとき、そこしかスペースが無いので、考えればそりゃそうですよね。

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たとえば、前半12分のシュートは、アンカーが飛び出していたので少し異なりはしますが、スペースを上手くついた速攻でした。

日本代表_vs_シンガポール代表__W杯2018・アジア2次予選____サッカー動画速報_-_Part_2

酒井からワンタッチで受け取った柴崎は、自身もワンタッチでSBとCBの間に上手くポジショニングした香川にパス。ボールを受け取った香川はターンしてすぐさまシュートしましたが、これをGKマフブードが見事弾きました。今日の主役が誕生した瞬間です。

ちなみに、ブラジルW杯以降、いつでも叩かれる香川ですが、個人的にはしっかりプレーしていたと思います。今日の負けで、また戦犯扱いされるでしょうが、もう少し応援してもバチは当たらないと思います。

それでここからが感想なのですが、そんな被害者意識(?)みたいなのもあってか、「どうにも香川にボールが渡らないシーンが多くないか?」と感じました。たとえば前半19分、

日本代表_vs_シンガポール代表__W杯2018・アジア2次予選____サッカー動画速報_-_Part_22

上のシーン、香川へのパスコースはあるように見えるのですがどうでしょうか。香川であれば、ここでボールを貰えば色々なことが出来るのではないかと感じました。

日本代表_vs_シンガポール代表__W杯2018・アジア2次予選____サッカー動画速報_-_Part_23

上は前半21分、香川にパスが入ってチャンスを作ったシーンです。香川はこの位置からワンタッチで宇佐美(香川の右下)に渡すことで、宇佐美を前を向けさせることに成功しました。そこあとは、バイタルエリアに侵入した長谷部につないでシュート。当然ながらこれもマフブードに弾かれましたが…。他には前半27分、香川のポジショニングを上手くつかって柴崎から宇佐美へのスルーパスもありました(オフサイド)。

このように香川にパスが入っているシーンは勿論あるのですが、総合するとパスが少なかったと思います。パスの出し手の問題ならトレーニングで解決しますが、「香川に対するチームの信頼が消えかかってる」とすると非常にマズいです。「得点力」の不足以上に「信頼」の不足は厳しい。ただの杞憂だとは思いますが、ちょっとメモしておきました。

トーシロには理解できない柴崎の交代

後半55分の大チャンスもGKに弾かれたハリルホジッチは、このあと3つの交代枠の全て使い切ってゴールを狙いに来ました。

で、この交代なんですが、正直自分には意図が掴めず、すこし混乱してしまいました。

まず、61分の「大迫IN、香川OUT」はまだ汲み取れました。大迫を入れることでポストプレーやクロスが活性化するかもしれません。これは自分もハーフタイム中にまず考えたことです。まあ、ほとんど大迫にはボールが入らなかったので、結果としては失敗です。

問題は、71分の「原口IN、柴崎OUT」です。柴崎のパフォーマンスが悪かったのかもしれないですが、この交代によって決定機を演出するようなパスの出し手はピッチに存在しないことになりました。

ひとつ考えられるのは、シンガポールのドン引きによって裏のスペースが無いため、前線を追い抜いてゴールを決めるような選手が欲しかった場合です。実際、後半77分には後方でボールを受け取った原口が味方に預けてスルスルと上がっていくシーンがありました。

ただ、それでもやっぱりパスの出し手がいなくなるのは厳しいんじゃ。ってのが率直な感覚です(後半82分は吉田から裏を狙うパスも出てました)。もう少し色々と話を聞いたり、戦術を理解したり、選手のことを知れば解決するのかもしれませんが…。この交代は明日にでも談話が出てくるのを望みます。談話によると、

(システムを)変更したのは得点を取りに行くためです。サイドアタックを期待していたので、ヘディングが上手い大迫と岡崎のふたりを前線に置いて、『クロスをもっと入れてくれ』という意味もありました。

 原口に関しては、シュートを打つためにボールを運んでほしかったんです。遠目からでもシュートを狙ってくれという話もしましたが、そういったプレーはあまりなかった。ゴールまで16メートル前まで行って少し慌てていましたね。もう少しスピードアップしてシュートを打ってほしかった。
【シンガポール戦会見】ハリルホジッチ監督「ショックとまでは言わないが、それに似た感覚を持っている」 | サッカーダイジェストWeb

ちなみに、後半78分の「武藤IN、宇佐美OUT」に関しては、宇佐美に期待し続けてもよかったかなと思いましたが、これこそ結果論です。むしろ、こういう試合を見ると、「宇佐美を途中で出す」という作戦もあるよなー、という感じ。

感想

あらためて、今日の試合は90分間粘り強く戦ったシンガポールの勝利でした。もう1回やったら日本が1点は入れていたと思います。ですが、これが一発勝負です。

おそらく、他の対戦国も今回の試合はいい教科書になったでしょう。日本は、今後すべての予選でこのような戦術を相手にすることが確実です。

そういう意味では、今回のドローは衝撃的ではありますが、気になるのはこの次です。「今日みたいな経験は初めてだ」と言ったハリルホジッチが今日みたいな経験を繰り返さないためにどのような処置を施すのか注視することになりそうです。


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