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女子W杯決勝トーナメント、イングランドの準決勝。日本は 2−1 で勝ちました。

オーストラリアとの感動的な準々決勝に続いて、今回は内容こそよくわからないものの勝ちました。相手監督に「日本は世界チャンピオンだ。今夜、その理由が分かった。試合の中で何が起きても踏ん張るすべを見つけてしまう」と言わしめる、これがなでしこです。

何にせよ、なでしこジャパンのサッカーを最大限見れることが確定しました。泣いても笑っても最後の試合。持てる力を全て出してアメリカにぶつかっていってほしいです。

日本・アメリカの予想スタメンと、スカウティング

決勝相手のアメリカは、決勝に勝ち上がるだけあって、基本的は隙の無いチームです。かつ、日本にとっては苦手な部類のチームだと思います。フォーメーションは、下の通り(ドイツ戦参照)。

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攻撃は、4−2−3−1から3−4−2−1に変形して戦うパターンです。以下、「2013年、J1の戦術トレンドのお話 -pal-9999のサッカーレポート」の話をママ引用するような内容になります。毎回このサイトで勉強していますね(笑)。

ちなみに、なんで女子サッカーをこんなに見ているかというと、

女子サッカーって男子サッカーの流行をひとつ後ろで追っているような印象があってサッカー初心者にとっては勉強になる 、というのも理由の一つです。ちょうど男子W杯の1年後が女子W杯になるので、そのように感じるのかもしれません。

アメリカの攻撃

閑話休題。アメリカの攻撃は、下のような3−4−2−1で始まります。 2

このように変形することで、大儀見と大野のプレスを最終ライン3人で回避し、崩しにとりかかります。たとえば、一番典型的な攻めは前半13分にありましたが、

p1 p2 p3 p4

こんな感じで、相手ディフェンスのプレスを見事に回避して決定機を作り上げました。他のパターンだと、すこし遡って前半8分ですが、

p5 p6

こうして、最終ラインから一発でモーガンに渡り、ポストプレーでロイドに繋がれたりもしています。さらに23分ですが、

p7 p8 p9

このように、ボランチの位置に降りたロイドが味方と協力しながら前にボールを運んでいくようなシーンもありました。どれも得点には結びついていませんが、非常にいい攻撃だと感じました。

モーガンのポジショニング、裏を取る動きに注意

ちょっと話が変わりますが、 アメリカの要注意人物はやはり13番のモーガンです。 ポストプレーも出来れば、裏を取る動きも出来るし、少し降りてきて良いポジショニングを取ることも出来る。FWのお手本みたいな存在だと思いました。PKのシーンはモーガンの個人技で生まれましたが、

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このように、相手ブロックの間でボールを受けたので、前を向くことができ、ドリブル突破に繋がりました。日本はモーガンに好き勝手動かせないように、適当な人がマークにつきたいです。

p11

これとかもそうですね。しかもトラップも上手なので、この後ボールを奪いにきた相手CBをかわしてシュートまで持ち込みました。凄い選手です。

そして、ここまで書いておいてアレですが、肝心の「なでしこはどう守ればいいか?」というのは、 ちょっと検討つかないです (苦笑)。今更フォーメーションを変える訳にもいかないので、とにかく2トップが走り回って少しでもアメリカの最終ラインにプレッシャーをかけるぐらいでしょうか。多少はミスもするので、上手くいけばショートカウンターもできるかもしれません。

アメリカの弱点?

一方で、アメリカの守備なんですが、正直穴があるようには見えませんでした。気持ち、19番のCBジョンストンがハイボールに弱いのかな?

という印象を持ったぐらいです。 もしチャンスがあるとすれば、 アメリカから見て左サイド(日本の右サイド) でしょうか。15番のWGラピノーは、反対側のWGヒースよりかは守備意識が低いので、ときどき戻らないことがあります(でも守備は上手そう)。

p12 別のシーンだと、こんなものもありました。ちょっと意地悪かもしれませんが・・。

p13 p14

このように、日本は右サイドを攻撃の起点にできるかもしれません。決勝でも有吉のオーバーラップによるチャンスメイクは期待できると思います。

どんだけ活躍するんだ有吉。 ## 頑張れなでしこ!

というわけで、初戦のスイス戦から熱く観戦させてもらいました。

正直、上手くポゼッションしながら綺麗に攻撃をつなげると言うよりは、お互いにボールを奪い合う、いわゆる「攻守の切り替え」とか「球際の強さ」が大事な試合になるのだとは思います。もう少しエモく言い換えれば「気持ちの強さ」や集中力がものを言う試合です。どんな結果であれ、知力・体力を尽くして戦ってくれればと思います。

ありふれた言葉ですが、 頑張れなでしこ! 液晶を通して応援します。


    Kobori Akira

    IT業界の社会人。最近はプロレスと音楽の話題が多め。
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