(ラップは0:34あたりから) > I said a hip hop,Hippie to the hippie, The hip, hip a hop, and you don’t > stop, a rock it To the bang bang boogie, say, up jump the boogie, To the
rhythm of the boogie, the beat. Now, what you hear is not a test - I’m
rappin’ to the beat, And me, the groove, and my friends are gonna try to
move your feet. See, I am Wonder Mike, and I’d like to say hello, To the
black, to the white, the red and the brown, The purple and yellow. But
first, I gotta Bang bang, the boogie to the boogie, Say up jump the boogie
to the bang bang boogie, Let’s rock, you don’t stop, Rock the rhythm that’ll
make your body rock. Well so far you’ve heard my voice but I brought two
friends along, And the next on the mic is my man Hank, C’mon, Hank, sing
that song!
前書きで「ヒップホップを練習する」と言ってはみたものの、ヒップホップとはどのように練習すればよいのでしょうか(笑)。当然のことながら、ヒップホップには体系化された練習メニューが存在しないのです。
そこで、「最初のヒップホップ」とも言われるシュガーヒル・ギャングの「ラッパーズ・ディライト」を試しにやってみようと思います。一番最初のラップをするワンダー・マイクの20小節をフロウ・ダイアグラムに起こしてみましょう(図1 )。
音節、視覚/聴覚の不一致
まず、このフロウ・ダイアグラムを記述するのに結構時間がかかりまして(笑)、自分の英語力の無さをあらためて痛感しますが、これには日本語と英語の違いのひとつである「音節 」が関わっているように感じます。 日本語は、極端にいえば、 ひとつの言葉に対してひとつの発音がついています。 たとえば、私の名前である「こぼり」は、「こ」と「ぼ」と「り」です(「しんかんせん」が「しん」「かん」「せん」であるように、そうでない場合ももちろんあります)。しかし英語は、たとえば「ブラウン(brown)」と書いても発音は1音で済んでしまいます。
初端からバカ丸出しなことを書きますが、日本人がラップを理解しようとして歌詞カードを見ると、まずブチ当たるのが、英語の視覚的な情報と聴覚的な情報の不一致ではないでしょうか。
カラオケでときどき洋楽を歌う人がいますが、テロップが早すぎて(文字数は多いので、テロップだと早く流れていきます。逆にテロップってのは日本語と非常にマッチするシステムで…、ってのは関係ないですね・笑)、ついていけないあの感覚に近いかと思います。
本書を読む以前から洋楽のラップを練習している方にとっては「あるある」だと思いますが、文字数がたくさんあるからきっとフロウするのだろうと思ってチャレンジしてみたら実際はゆったりしていて、実際のラップより先に歌詞を言い切ってしまう、という感じですね。
たとえば、このバースでいうと、2文字の「to」と7文字の「friends」はどちらも1音で発音しきってしまいます。フロウ・ダイアグラムは、こうした視覚/聴覚情報の不一致を整理するうえでも、良い効果があります。