転職活動をしていた。去年の秋。25歳のことだ。 最初の入社先は、色々あって、中途入社だった。2年半ほど働き、転職を決意した。
第二新卒という制度はもう使えない。バイトも大学の名前で簡単に雇われた自分にとって、これが初めての「一人の勝負」だった。
自分の環境ではなく、自分自身を売るのだ。
結果から言うと、転職はうまくいって最近新しい会社で働き始めた。とはいえ、順調に終わった就活とは異なり、転職は失敗も多く、色々と対策も考えた。
それで、そんなときに読んでいた本のひとつが、『転職の赤本』だった。 [amazonjs asin=“4822245470” locale=“JP”title=“営業の赤本 売り続けるための12.5原則”]なぜ転職中に営業本を読んだか。それは、前述したように、「自分を売る」必要がある転職活動と「モノやサービスを売る」営業活動には似た要素があるだろう、という発想からだ。
このことは、本書でも強く繰り返されていた。曰く、
「お客様に好かれる必要はない。信頼されればいいのである」
なんと馬鹿なことを言っているのだろう。企業のCEO(最高経営責任者)が買うという決定をくだすとき、「わたしは彼を信頼しているが、好きじゃない」などと言うだろうか。(p7)
これが筆者の考えの根本だ。
---肝心の内容だが、テクニカル面を教えるよりも、自身のモチベーションを上げさせる向きが強い。とはいえ、営業未経験の自分にとっては、基本的なことは学べた。 実際、ここに書いてあるティップスを翻訳して転職活動にも使っていたりした。たとえば、 「買おうとしているものが理解できる」
「営業担当者が、わたしのビジネスの成功に力を貸そうとしてくれているのを感じる」 「お客様の生産性、収益性、経費削減などに関する質問をする」
などは、就活生向けのアドバイスとして使っても問題ないだろう。事前準備を丁寧にやる大切さを学べる。
---営業に従事してなかろうが、いずれ営業に似た局面は誰にでもやってくる。 営業を経験するのが最適だろうが、せめて営業について考えるだけでも無駄ではなかった。営業なんてやりたくない、って人はとくに。