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昨日の3.4、たまたま暇ができたので急いでチケットを買って、スターダムのTRIANGLE DERBY Ⅰ 優勝決定戦を観に代々木第二体育館に行ってきた。

実際に観戦に行ったのは、昨年の新日本プロレスとの合同興行「Historic X-Over」以来で、スターダムの興行としては初めてだ。ただ「はじめて観に行ってみた」という感覚はなく、もうズップリとハマってる状態で行っている。

当日は頭痛とそれからくる吐き気が強くて滅入っていたのだが、いざ会場に到着して試合を見始めたら一瞬でなくなった。声出しOKの大会でもあるため、必死に選手を応援していたら、あっという間に身体中の酸素が行き渡ったのだ。

まだSTARDOM WORLDで配信されていないので記憶をたどりながらメモをとっていく。下記記事も参照にしようと思ったけれど、誤った記憶を記録しておくのは貴重だから、なるべく見ずに書く。

プロミネンスが暴れん坊GEを制しTRIANGLE DERBY優勝&アーティスト王座初防衛!ジュリアと雪妃の壮絶因縁の決着は付かず!AZMがハイスピード王座の新最多防衛記録達成!葉月が悲願の白ベルト奪取ならず

スペシャルシングルマッチ - ひめか vs 橋本千紘

引退を発表しているひめかが希望した橋本千紘とのスペシャルシングルマッチは、むごいほどに橋本の圧倒的な力を見せつけられたまま終わった。「会場の好意的な応援の声もむなしく」と表現すべきだろう。

まず試合序盤にやる基礎的なムーブでお金がとれる。ひとつひとつの技が美しく、そして説得力がある。この選手には「必殺技」なんて必要ない。すべてが必殺だから。そんなふうに感じてしまう選手だ。

総じて、ひめかにとっては思い出になったかもしれない。しかし橋本千紘にとってはどうだっただろうか。

そしてこれはそのまま橋本千紘の強みと弱みを知ることにつながる。スターダムという舞台において、橋本千紘と共に高みを目指せる選手は存在するのか。答えは4.23で見つかる。

ワンダー・オブ・スターダム選手権試合 - 上谷沙弥 vs 葉月

ワンダー・オブ・スターダム選手権試合の15度目の防衛をねらう上谷沙弥葉月の試合は、あらためて思い返すと当日のベストバウトだった。年間通してもトップ10に入るのではないかと思う。

ちょうど後ろに新日本経由で観に来ていたであろう男性陣が喋っていて、それまでの試合は選手や技にまつわるうんちくが会話のメインだったのだが、この試合が進むに連れてどんどんと反応が変わっていき、最終的には3カウントを大声で叫んでいた。彼女たちはこの観客を倒した。

かくいう自分も、当然ながらこの試合で一気にリングへ入り込ませてもらえた。このあとの試合を観る体力が足りなくなるぐらい葉月を応援したし、垂直のブレーンバスターが決まったときは大声で叫べた。

上谷沙弥がとても良い選手で4.23の白川未奈戦もとても期待するのは当然として、葉月という選手の実力やチャームポイントをはじめてちゃんと理解できた良い試合だった。そりゃあフワちゃんを教えたりできるわ。あと上谷沙弥の入場曲はいちばん合ってる。

ハイスピード選手権試合 - AZM vs スターライト・キッド

まだスターダム、女子プロレス全体の歴史にうといが、キッズからの生え抜きであるAZMスターライト・キッドハイスピード選手権。いわゆる名勝負数え唄の部類だ。初期から観ている人にとってはたまらないだろう。キッドはこれでハイスピード選手権を卒業するようなので、これが二人の最後のハイスピードになる。

自分がスターダムを知ったタイミングでは、AZMはなんだかパッとしない印象だったのだが、試合を観れば観るほど強さや面白さが見えてくる選手だった。当日はSLKコールだけ参加しながらAZMを応援していた。

当日の試合は、正直に言うと、前の上谷・葉月の試合の興奮が抜けきらないまま終わってしまった感はある。しかしひとつひとつの技の迫力はすごかったし、なにより終盤のEternal foeをAZMが切り替えした瞬間は大声が出た。

ちなみに2022年の2.23が名勝負だったと煽りVで紹介されていたので、これを見ながら書いている。AZMのカナディアン・デストロイヤーがすごかった。

ワールド・オブ・スターダム選手権試合 - ジュリア vs 雪妃真矢

ジュリアワールド・オブ・スターダム選手権試合2度目の防衛戦は、鈴季すずにつづき元アイスリボンの雪妃真矢となった。

上述した通り歴史は知らないが、どんなにバカだってすず戦とニュアンスがまったく異なることぐらいはわかる。泣くような試合ではないことぐらい以外、どんな試合になるのか想像がつかなかった。

印象的だったのはお互いの入場曲だ。

不勉強ながら雪妃真矢の入場曲を知らなかったのだが、あの曲が鳴った瞬間は「きっと意図的にアイスリボン時代の入場曲にしたんだ」と想像した(実際はいまでもこれが正式なシングルの入場曲だ。そのはず)。その明るくて可愛らしいムードの中、名前の通り冷たそうな雰囲気をまとってリングに入ってきた。

一方のジュリアの入場曲は、私に言わせれば「愛と孤独」がテーマだ。そして当日の会場は孤独が充満していた。すず戦の入場に見えたジュリアの優しさのオーラは微塵も感じず、これから試合で起こることに対する不安を覚えるぐらいだった。

試合を思い返すと、リングにいた時間のほうが短いだろう。観客に魅せる試合のできる両者だからこそ、ときおりコミカルにさえ見える瞬間は多くあった。しかしこれに騙されるべきでないだろう。雪妃真矢がジュリアをテーブルに突き刺したタイガー・ドライバーは、これまで封印されていたものだ(Wikipedia調べ)。

TRIANGLE DERBY Ⅰ 優勝決定戦 兼 アーティスト・オブ・スターダム選手権試合 - 暴れん坊GE vs PROMINENCE

コズエンを倒した暴れん坊GEと、7Uppを倒したプロミネンスの優勝決定戦は、アーティスト・オブ・スターダム選手権試合も兼ねた対決になった。

試合が始まる前、なるべく気にしないようにしながらも「さすがに外敵が初回の優勝チームになって、ビッグイベントの締めをするなんてやらんよなあ」とか「朱里の4.23の相手が決まってるし、アーティストのベルトは持たないんじゃないか」とか「でも4.24にプロミネンスの興行があるんだから、それは別か」とか、無駄なことが頭によぎっていた。

しかし試合が始まれば、世羅りさのかわいげから始まった一連の攻防でまったく忘れてしまった。柊くるみの活躍(この前の準決勝でも大活躍だった。いちばん動いていたと思う)もあり、そして鈴季すずのテキーラショット、ジャーマン・スープレックス2連発で気持ちよく勝利してくれた瞬間、この会場に足を運んで本当によかった! と大喜びしてしまった。勝ったときの喜びで、試合の詳細をほぼ忘れている自分に気づく。

というわけで締めのマイクも当然プロミネンス。すずのマイクを聴き、プロミネンスのコールをし、いっしょにイベントを締められたのがとても嬉しかった。


Kobori Akira

IT業界の社会人。最近はプロレスと音楽の話題が多め。
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