「高橋維新のコメント、共感する人マジで0人」説

89年生まれの私にとって、「インターネットに接続する」というのは「ヤフーに接続する」という意味と同じでして、ほぼ反射的にヤフーのトップニュースをチェックするのが日常になっています。

一応大人なので経済面あたりもチェックはするのですが、なんだかんだで見てしまうのがエンタメで(笑)、「アンジェリカ、本当は良いヤツだったんだ!」とか「50セント破産だって!ガハハ!」とか、品の無い毎日を送っていると、ときどきぶつかるのが「高橋維新」さんという弁護士の方の記事です。

DJに興味がない濱口優がDJになりきってカッコつける岡村隆史をバカにする「めちゃイケ」の企画は中途半端」、「<薄毛芸人を笑う「アメトーーク」は差別か>病気や障害でさえ本人が許容すれば「笑われること」は許される」などのタイトルから、「ああ、読む価値も無いタイプのやつかー」とは分かっているのですが、やはり読んでしまうのが愚人の性。そして現在、こんな記事を書いてしまっております。

『ENGEIグランドスラム』第1回への批判への批判

この高橋さんという方は「メディアゴン(MediaGong) | メディアニュースとメディア批評」という「メディア批評・メディア評論に特化したメディア専門家によるメディアニュースサイト」に在籍されている方で、87年生まれの少し年上です。バラエティ番組を中心にいろいろな批評を書いています。

で、このエントリで扱いたいのは『ENGEIグランドスラム』の批評です。まず、第1回の批評として「<フジテレビ「ENGEIグランドスラム」の無駄遣い>なぜ「ナインティナイン」は漫才をやらないのか?」というレビューをしています。

しかし、ここでの主張は自分にとって全て的外れにしか感じず、上述の通り、ヤフーからアクセスできる記事であることから、「もしかして、バラエティ批評で一番読まれてるのがこれなのでは・・?」と震え上がっています。たとえば、第1回の記事では、

芸人のネタの部分は、ほとんど編集をしていない「撮って出し」の状態だった。これでは、生放送で全部が丸のままお茶の間に流れる「THE MANZAI」や「キングオブコント」と一緒である。しかし、生放送ではない形でやるからには、編集をしてほしい。そして、編集をすること前提で、番組側が一緒になって事前に芸人のネタをブラッシュアップしてほしい。

と書いており、『ENGEI〜』のネタを『めちゃイケ』の「笑わず嫌い王決定戦」のようにすべきだ、という主張があります。これだけで既に赤信号が灯るのですが、この2つの企画は全く異なる性質のものです

たとえば、「笑わず〜」が「まだ売れてない芸人」を扱うのに対し、『ENGEI〜』はすでに一定の地位を築いた芸人が出てきます。「笑わず〜」が「笑えない芸人が一組いる」という前提を持っているのに対し、『ENGEI〜』は「たくさん笑いをとってきた芸人が出てくる」という前提があります。

その結果、どのような相違点があるかというと、それは「視聴者の安心感」のようなものです。「笑わず〜」に出てくる芸人は、そのネタだけに全てを任せることは難しい。むしろ「笑えない芸人がいる」という企画の中にネタを組み込むことで相乗効果が生まれる。

しかし、『ENGEI〜』は純粋に「もうネタをやらなくてもいいような芸人の(新作)ネタが見れる」というのが第一のコンセプトにあります。よって、

例えば、「めちゃイケ」ではよくやるが、ギャグがすべったときに大きく「?」の字幕を入れるとか、お客さんが引いてしまうようなことをやってしまったときに効果音と共に大きく「×」の字幕を入れるとかが、フォローになる。

こんな事したら、芸人に失礼である以前に、番組として成立しません。そして、ネタを重視する番組だからこそ、

ネタ終わりでは、見ていたナイナイと芸人とをガッツリ絡ませる。[…]フリートークに客を入れると芸人がヘンに萎縮してしまう。

こんなことやってる映像は全く想像できません。というか、「フリートークに客を入れると芸人がヘンに萎縮してしまう」ってどういうことだよ・・。高橋さん、弁護士としての仕事に集中なさったほうが良いと思います。

ついでに、「ナイナイを司会に置く意味」というのは、あのクラスを芸人を仕切る(紹介する)ときに適切なのがナイナイだからだと思いますし、ナイナイもそれを分かって、意図的にベーシックなコメントを挟んでいます。

『ENGEIグランドスラム』第2回への批判への批判

第1回の批評に対して特に反応が無かったのでしょう。高橋さんは気を大きくされて、先日放送された第2回に批評として「<フジ「ENGEIグランドスラム」>ナイナイはMCとしての仕事が「あの程度」ならネタをやるべきだ」という記事をアップしました。

で、この記事が結果的にこのエントリの発火装置として機能した訳ですが、

前回の放映につき筆者が指摘した問題点(フジテレビ「ENGEIグランドスラム」の無駄遣い http://mediagong.jp/?p=9977)は以下の6点である。

1.既出ネタの使い回しが多い
2.ナインティナインがネタをやっていない
3.ナインティナインが芸人と絡まず、合間合間のコメントもほとんど使われていないので、司会としている意味がない
4.観客が入っている(ので収録の終了時間を配慮する必要があり、ナインティナインと長いこと絡ませることができない)
5.ネタについて番組やスタッフが事前に口を出してブラッシュアップしている形跡がない
6.芸人のネタ部分はほとんど編集されておらず、垂れ流しになっている

今回、多少なりとも改善があったのは1.ぐらいなので、前回からほとんど進歩がない。9月に第3回の放送が決まっているということなので、今のままである程度数字がとれているのだろうが、ここに書いてあることを全て改善すれば確実におもしろくなるのだから、次はなんとかしてほしい。

と、「お、マジか! じゃあやってみようぜ! 絶対に面白くなるんだよな?」とアツくなってしまうのが私の悪い癖(「杉下右京」風に)。そして、暴走は止まらず、

テレビは、視聴者を喜ばすためのものであり、プロの芸人も客を楽しませるための存在である。決してテメエの好きなことができる媒体ではないのである。客を楽しませるためだったら、一芸人の作家性などクソ喰らえである。

文章自体は正論ながら、「えっと、そういう葛藤を乗り越えた芸人のネタが見れるのが『ENGEIグランドスラム』なのでは? 『作家性』という言葉の意味をもう少し深く考えられたほうがよろしいのでは?」と感じてしまいます。テレビマンや、いや、高橋さんご本人には作家性は無いのでしょうか?

良いように解釈すれば、高橋さんは「一人で作るより、多くのプロが考えたほうが面白くなるよ」と言いたいのだと思います。しかし、『ENGEI〜』は「売れてる芸人が考えたネタ」を見せる番組であり、視聴者もそれを望んでいます。番組やプロデューサーの「作家性」こそ、この番組には不要です。

この点は高橋さんに対する批判以上に強調しておきたいですが、『ENGEI〜』ほどネタをちゃんと見せてくれる番組は現在ありません。これを『M-1』や『THE MANZAi』のようなコンテスト形式(視聴者が真面目にネタを批評する形式)にしたり、ネタ中にテロップを入れて笑いどころを番組側が作ったりするなどの工夫はもちろん可能です。しかし、そういった工夫をせず、番組の色を全く出さなかったことが『ENGEI〜』の素晴らしさであり、逆説的に制作側の熱意を感じます。

高橋さんの一番ヒドいところは「俺はバラエティの裏側も分かってるんだぜ。笑いを知ってるぜ」という童貞のような権威を持ったまま文章を書き殴っているところです。そして、あまりに高橋さんご本人の「笑いのツボ」が狭すぎることです。おそらく、単純にバラエティがそれほど好きではないんだと思います。

とりあえず、『ENGEIグランドスラム』に対して「番組側が一緒になって事前に芸人のネタをブラッシュアップしてほしい」と書いているように、高橋さんもウェブ編集者と一緒に記事をブラッシュアップする必要があるかと思います。

気ままな批判への気ままな批判

以上が、高橋さんに対する批判です。個人的には、お笑いに対する愛情が全く感じられない文章にもイラつくのですが、それは本当に個人的な理由です。あとは、好き勝手書いている高橋さんに合わせて、自分も好き勝手にコメントしてスッキリして仕舞いに。

【2】出場者寸評
2.チュートリアル
いいんじゃない? おもしろかったので特に文句はない。福田は芸無しでテレビでは扱いにくい芸人なのだが、それはネタへの文句ではない。

「おもしろかった」が「文句はない」に繋がるなら、この人が褒めてくれるレベルってどれほどなんだよ! あと、福田さんはな、MotoGPのコメンテーターとしてイキイキとされてるんだ!

4.テツandトモ
えらく営業慣れしている感じは伝わってくるが、動きで笑いをとるのは歳をとると肉体的にも辛くなるし、見ている方としても精神的に辛くなるので、いつか新しいのを見つけた方がいいと思う。「笑わず嫌い」の時みたいに、同じ動きを強みとしている岡村と絡めば絶対におもしろくなるのに、それができていないのがこの番組の問題なのである。

3.ますだおかだ
なんというか、全体的にしょうもなかった。筆者は、増田がこのコンビのボケだというのは初めて知ったのだが、岡田のスベリキャラの方がテレビでは定着しているから、増田がボケているのを見るとなんか無理している感じがして痛々しい。
[…]
8.シソンヌ
見たことある。しかし、いいと思う。

高橋さんのご自宅には、最近テレビが導入されたんだろうな。

9.トレンディエンジェル
ハゲの「フラ」を押し過ぎなので、もっとこのフラが「自然」に生きる内容にしないと客の飽きが早いと思う。「トレンディエンジェル」というコンビ名からしてハゲのフラがあるからこそズレが生まれているので、コンビ名は変えるべきであるし、「お兄さん、トレンディだね。うん、トレンディエンジェル」という冒頭のギャグや「WaT小池徹平君と同じ29歳」というツカミもやめるべきである。全部実現すると全く別物のコンビになりそうだけど。

全部実現すると全く別物のコンビになりそうだけど(笑)。

14.柳原可奈子
バブルを引きずっている女子をバカにする一人コント。登場人物は、柳原と、その対面の話し相手と、もう一人フミコさんという人がいたのだが、フミコさんの存在や位置が非常に分かりにくいセットだったので、もう一台机か椅子かを置いておくべきだったと思う。
柳原の顔は、他のブスが売り物の女芸人と比べると小ぎれいなので、「勘違い発言」がマジで鼻についてしまうことがあるのが難点か。

セットに対する意見が的確なのに、なぜコントのテーマが掴めてないんだろう。

17.渡辺直美
くどい。ずっとデブのブサイクがキレのあるダンスをしているというズレ1本でゴリ押ししてくるため、こちらの飽きが早い。

うるせぇコノヤロー! 渡辺直美はブサイクじゃないし、「ずっとデブのブサイクがキレのあるダンスをしているというズレ1本でゴリ押ししてくる」って、文章だけ見ればめちゃくちゃ面白いと思うけれど。

18.海原やすよ・ともこ
スナックのママと女の子の会話みたいだった。うん、まあ、いいんじゃないかな、という感じ。セットのことを「パチンコみたい」とツッコめていたのは流石関西のベテランである。ネタという予定調和をやるに止まらず、こういう笑いがもっと欲しいのである。

編集の件はどこにいったんだよ!