絶対忘れるな『絶対忘れるな』セルフライナーノート
2018年9月12日、私が所属する<絶対忘れるな>のアルバムが発売されました。
このブログではちゃんと発表していなかったので、あらためて簡単にお知らせさせてください。 雑なランディングページのようなものです。
<絶対忘れるな=ぜわす>とは
<絶対忘れるな>通称「ぜわす」とはそもそも何なのか。お前は何をやってるんだ、って話ですけど(笑)、アーティスト紹介文をレーベルの方に書いていただいたのでママ引用します。
東京・高円寺、阿佐ヶ谷を拠点として活動する志賀ラミー、貫地谷翠れん、セルラ伊藤、アルバ伊藤、ピーチジョン万次郎、益若つばめの5MC+1DJ。
ヒップホップとシティポップをベースに、歌謡曲やアイドルポップスなどの要素を含むサウンドと個性的な詞世界の楽曲が特色。全員会社員。
2010年3月に結成、趣味の範囲で細々と活動してきたが、2017年は〈BAYCAMP 201701〉に大抜擢され出演。
これを機に勢力的な活動にシフトチェンジし、様々なイベントに出演しつつ、9月には「サマーニットをぬがさないで」を発表。
また、セルラ伊藤はバトルMCとして「シンデレラMCバトル III」に出場し、下馬評を覆して準優勝。
そして今回、日向ハル(フィロソフィーのダンス)、恋汐りんご(バンドじゃないもん!)など多彩なゲスト迎え、満を持して1stフルアルバムをリリース!
記憶が正しければ私は2016年より<益若つばめ>として参画し、前作「to the 世間」のミックスやマスタリングを担当しました。
命名はアルバ伊藤さんだったかな。自分がスワローズのファンであるところから「つばめ」が生まれて、「益若」がくっつきました。
もともとロンハーに出ている益若さんのことが好きだったので(大変申し訳無いですけど音楽はまったく受け付けなかったです・笑)、怒られるまではこの名前でいこうと思ってます(もし怒られたら次は「大空つばめ」にしようかな)。
なんで入ったかというと、そもそもは加入の前年あたりにデビューライブを見に行き(Soundcloud上に「PPCK」がアップされていて、この曲がとにかく半端なかったので行くことにしました。その曲は「to the 世間」に収録されていますが、Original Mixのほうが圧倒的にトンデモなくて素晴らしいです・笑)、そのパフォーマンスに衝撃を受けてずっと応援していたら、いつの間にかメンバーになっていた。というのが流れです。
その頃からフロントマンの志賀ラミーさん(彼は「フロントマン」という呼び方を嫌がりますけど、まあホームランバッターが「僕は本当は先頭打者向きなんです」みたいな話だと思ってます)はいい曲を連発していました。
それで「こんなに面白い音源つくってるんだから、あと少しだけメジャー感ある音源にしようよ」みたいに提案してミックスとかをやらせてもらったのが最初です。それがいよいよプロのエンジニアに頼めたのだから、まあ成り上がりですよね(笑)。
で、それまでは志賀さんが全部作っていましたが、以降は私もアレンジに参加したり曲をつくったり、色々と噛ませてもらえるようになりました。
アルバム曲について
初の流通盤となる今作は、私もいくつか楽曲提供をしました。ライブでは1番手によく使われる「マイクチェック!」、
ライブでは最後に演奏することが多い「まさか覚えてくれたなんて!」、そして好きなアーティストを呼んでワイワイやった「平凡」です。
全体的な話をしますと、私のつくる曲のほとんどはライブ向けに合わせているつもりです。このあたりは元々DJとして活動しているために「こういう曲がほしいよなあ」と考えることが多いのと、ソロ活動がとにかく暗いのが影響しています。
そんな曲なので、ある程度ライブで披露を重ねてからレコーディングに臨めたのは大きかったですね。楽曲からライブ感を少しでも感じ取っていただければとても嬉しいですし、その3倍ぐらいはライブで聴いたほうが楽しいはずです。以下、そういう話が好きな人はぜひ読んでください、ライナーノートです。
マイクチェック!
もともとぜわすはライブを「絶対忘れるなのテーマ」という曲で始めることが多くありました。なんですが「テーマ」は他の流れでも使える曲だったので他に登場曲があるといいな、と思ったのがキッカケです。
そんなことを考えながら腰痛オジさんたちが主催しているイベントに参加していたところ、「平凡」でもバースを担当してくれたthat’s all folksさんがかけていたある曲がとても印象に残りました。
ホーンセクションを聴いた瞬間に、自分の中でKTCCの「マルシェ」が思い出されて、かつ曲名も「マイクチェック!」で行こう。ってこう書くと、いわゆる「アーティスト」然としてきますね(笑)。
トラック自体はいろんな都合からサンプリングではなく志賀さんに弾いてもらったんですが(笑)、全体の雰囲気は変わらずアグレッシブに出ていれば嬉しいです。ビートはできるかぎり普遍的なヒップホップのビートを意識しました。というか2018年にトラップの1曲すら入れないのも潔いと思いませんか(一番近い構造しているのが「アイスクリーム〜」のラップパートですもんね)。
さきほど書いた通りリリックは「マルシェ」を意識して、(本家ほど交わりませんが)1,2小節でパスするように書き割りをしました。「2本、2本〜」のところはリスペクトと謝罪を兼ねて入れてます。
個人的には2バース目終盤の「ありがとうございます!」が書けたときが一番興奮したかな。そのうちさ、お客さんもみんなPA席向いて挨拶したりして(笑)。つばきファクトリーの「就活センセーション」って曲があって、「よろしくお願いいたします」の箇所でハロヲタ全員がステージに挨拶するんですけど、それに負けないくらいの人数でやりたいですね。
平凡
アルバムの企画をパーフェクトミュージック様からいただいてから、真っ先に「マイクリレー曲」を作らないと、と震えました。完全な直感で、ぜわすの周りにいる人たちを迎えたアルバムを作らないと絶対にコケる、と感じたんですよね。これが当たっているかどうかは皆さんに委ねたいと思います。
トラックは「何曲もつくっては消して」ってタイプの、いわゆる難産系です。正直このトラックも自分がやりたいことを詰め込むことには成功していないのですが、できるかぎりシンプルで、かつ手頃なファンクじゃなくて、いまは誰もやってない「ダサさ」が入っている、という点ではまあまあ上手くいった気がしています。
トラックと並行して考えていたのは王様とダンス☆マンのことでした。ぜわすでヒップホップをやるなら一度は「洋楽の本歌取り」をしたくて、「ヒップホップの歌詞をそのまま日本語に置き換える」というタモリ倶楽部みたいな発想は一度やっておきたかった(ぜわす評論みたいなことをするなら、タモリって観点はいよいよ外せなくなってきましたね・笑)。
そのなかでいくつか候補曲を挙げまして、もし「あの頃のヒップホップをちょっと知っている人が、ふと聞こえた「平凡」という曲のフックに驚く」ならどれだるう、と悩んだ結果、Naughty By Natureの「Hiphop Hooray」をチョイスしました。
そっからは簡単で、「ヒパップレーイ、ホー」で韻を踏むならどうしようか。「いたって平凡」だな。とすぐに決まりました。
リリックはまた難産系で、最初は私のほうである程度テーマを決めてからメンバに渡そうと思っていました。ですが自分のペンが全く進まず、結果としては「平凡」というお題だけをみんなに渡して書いてもらいました。今回はこれで楽しかったですが、別作ではもうすこしコントロールしてみても面白いなと。
feat.の面々もすごいんですが、ぜわすメンバがみんな1週間ほどでちゃんとラップ・フローを考えて来ていたのがすごいビックリしました。みんなもうラッパーじゃん!って(笑)
まさか覚えてくれてたなんて
ぜわすのトリ曲であり、人気曲のひとつでもある認識です。いい曲名ですよねえ。たしか「絶対忘れるな、って名前なんだから、そのアンサーソングを作るべきだよね」って言って、「本当に忘れてないなんて」=「まさか覚えててくれてたなんて」って曲名はどうでしょう。って自分で発想した気になっているのですが、もしかしたら志賀さんが考えたのかもしれません(笑)。
それぐらいハイになって作ってた理由は、本曲は私がぜわすに加入してはじめて作った曲で、かつ志賀さんとの共作曲でもあるからです。
志賀さんは私より年上ですが、いち音楽好きとしてはかなり近いものがあります。というかこの周辺でミッフィーとかリサガスが好きなオジサンって、志賀さんと自分ぐらいですよね(笑)。もちろん楽曲の好みもまあまあ近く、志賀さんがやりたいことは基本的に理解しているつもりです。
トラックは遅い4つ打ちで、たとえばPerfumeの「マカロニ」とかに近いものがあるかなと思います(そこまで意識はしてないですけど)。ある程度構成を私のほうで書いてから、ギターやボーカルを志賀さんに入れてもらいました。
最初に志賀さんから送られてきた歌詞を見たときは、まあまあブッ飛んだというか、「これラップになるの?」ぐらい思ったんですけど、今となってみては本当に最高ですよね。すくなくとも「今日が最後かもしれないって思いで」ってフレーズを見た瞬間に、ライブで披露するところまでイメージが浮かんでました。
あとは「言うの遅いよでも問題ない」ってフレーズでしょうか。いまやピーチジョン万次郎さんのキラーフレーズになっていますし、このフレーズのおかげで女性ファンが何人か生まれていると思いますが、最初万次郎さんはまったく理解できてなかったんですよね(笑)。本番のレコーディングより1年ぐらい前にやったプレ・レコーディングのときに力説した覚えがあります。いまや一番色気あるラッパーですから、本当に音楽って面白いなって思います。
購入について
購入は、ライブ会場でご購入いただくほかには、タワレコなどでも購入することが可能です。タワレコを推しているのは特典がつけていただいていたからで、いまはもう手に入らないのかな?
あとはAmazonで普通に買ったり、iTunesやSpotifyで聴いていただくこともできます。