注文のない小料理屋
仕事を適当に終え、いっしょに仕事をしている後輩の子の同期の人と一緒に飲んだ。その人のことは名誉のためすべてを伏せよう。
田町にあるその小料理屋は「小料理屋」と呼ぶにはふさわしくない、完全に一見の客をよそ者として扱いそうな店だった。15年前であれば、私はそれに全力で抵抗していたであろう。「店が偉い」なんて前提は正しくない、と思っていたからだ。いまは違う。「店が偉い」という前提は守るべきである。偉かろうが偉くなかろうが。
そんなわけで、とくに強制もされないまま、おそらく簡単に作れるであろうおつまみと瓶ビールを飲みながら、いろんな話をした。すべての話が33歳の筆者には新鮮だったが、24歳の子がCoolioのGangsta Paradiseを名曲としているところがツボだった。今でも気を遣ってくれているのだと訝しんでいる。
仕事について。しょうもない人からの敵意に対して反撃せずに済ませるスキルを覚えなければならない、と思った。
そもそも「反撃してない」と思っていたけれど、相手に対して何の感情も抱いていない様子を見せてしまうのも反撃に値する行動だ。「反省している」ないしは「納得していないが理解している」ぐらいの態度はとらないといけない。思えば「持ちうるスキルで黙らせる」という行動が多かったかもな、と反省。
と反省しつつ明日も技術力でぶん殴るのだろう。あらためてふりかえると「ものをつくる」分野に関しては「分からないなら黙っててくれ」と思う心がまだ残っている。社会的にはマイナスだが良い傾向だとも思う。これは正しいプライドにつながるからだ。現時点では絶対に違うけれど。