アメフトのルール・見方を最短ルートで覚える

新年あけまして、アメフト愛好家がもっとも忙しくなる時期になりました。

というのも、プレーオフという決勝トーナメント――野球でいうところのクライマックスシリーズ――が始まりまして、これがすごい盛り上がるわけです。

ただ、どんなスポーツもそうですが、とくにアメフトは「簡単に覚えられそうで、いざ覚え始めるとたくさんあって混乱する」スポーツの典型例でして、ある程度の頭を使いながら観戦するには少しハードルの高いスポーツになっています。
そのせいか、アメフトにハマった人が、感染者を増やそうと友人を誘っても「なんか難しそうだからいいやー」と言われてしまうことが多いのではないか。というか自分がそうで、いまだにアメフトの話が周りとできず、ファンサイトにアクセスして情報を集める日々を送っています(笑・インターネット初期みたいですごい楽しくもある。情報を探さないと拾えないことの素晴らしさを感じたことが最近ありますか?)。

というわけで、とりあえずアメフトを楽しめるように、いくつかのサイトをまとめつつ、コボリなりに「アメフトの見方」を整理してみました。
アメフトに興味を持ち始めた方も、そしてアメフトの魅力を誰かに伝えたい方も、参考にしてくれれば幸いです。

アメフトの基本ルールを覚える

まずは、アメフトの基本的なルールを見てみましょう。

・アメフトは野球のように攻撃と守備に分かれて戦う。攻撃チームは作戦によりランプレーやパスプレーを展開しボールを進めゴール(得点)をめざす。
・ボールを持って攻めこんだ選手が倒されるとその攻撃は一旦終わるが、その地点から再スタートして攻撃。このワンプレー、ワンプレーが繰り返されていく。
・攻撃チームは4回の攻撃で10ヤード以上前進できないと攻撃権は剥奪され攻守交替となる。またパスインターセプト等で瞬時に攻守が入れ替わることもある。
・アメフトは得点するためにボールを相手陣へ持込み前進させ、自陣地を広げる攻防を繰り返し、いかに相手エンドゾーンへボールを持込み得点するか。その戦略を競うゲームだ。

アメフトルール:ゲームのポイント」から引用しましたが、質・量ともにちょうどよい解説をしているので、かるく腕まくりすれば十分に読めます。

ただし、この最初のいくつかのルールを覚える/伝えるのが大変でして、「もういいや。人生にはもっと大事なことがある気がする」と思われてしまう可能性が最も高い瞬間です(彼/彼女は真理に近づいたわけですが)。ですので、あまり無理せず、とりあえず「4回の攻撃で10ヤード進めないと相手の攻撃になる」ってところだけでも観戦前に入れておけばOKです。

ひと通り覚えたあとは、「アメフトって? – 基本ルール」の図を確認しつつ観戦すれば、より素早くインストールできると思います。

オフェンスのポジションと攻撃の種類を知る

オフェンスのポジション

オフェンスは、以下の4種類を覚えればOKです。クォーターバックは1人。あとは複数人います。

(1)リーダー=クォーターバック
(2)走る人=ランニングバック
(3)ボールをパスされる人=レシーバー
(4)先頭で敵とぶつかる人=オフェンスライン

《オフェンシブライン》
オフェンシブラインは、その強力なブロックで攻撃を支える重要なポジション。センターをはさんでガード、タックルと両サイドに位置し5人で構成する場合が多い。最初にセンターがボールをスナップして、クォーターバックにボールを渡すが、その時以外、ボーに直接触れることはない。
《クォーターバック》
ワンプレー毎の作戦は基本的にはコーチの指示で行われるが、クォーターバックはハドルでその最終決定とプレーの確認を行う。オフェンス陣の司令塔である。
《レシーバー》
クォーターバックと連携し素早い動きでパスルートをつくり出す。常にディフェンスと競りながらパスを確実にキャッチする技術が要求される。
《ランニングバック》
クォーターバックから受けたボールを持って前進させるランプレーは確実性が高く常に攻撃の王道。その主役がランニングバックである。一方パスプレーの時はクォーターバックの動きを助けるブロックでOLのうしろを固める。

オフェンスの種類

攻撃はクォーターバックがボールを持つところから始まります(正確には、オフェンシブラインの人からボールを受け取る)。
展開はおもに3種類あり、どれかを使ってとにかく前に進みます。
(1)ランニングバックにボールを渡して走ってもらう
(2)前を走るレシーバーにパスする
(3)どちらもできなくなったらクォーターバックが自ら走る

さらに詳しくは「アメフトルール:プレーとポジション」で。

キッキングを知る

フィールドゴール、パントとは

キッキングチーム(スペシャルチーム)
キックオフ、パント、フィールドゴールの時にそれぞれの役割に応じて出場する選手たちである。

前の章まで覚えればとりあえず楽しめますが、もう少し楽しみを深めるために覚えたいのが「パント」、「フィールドゴール」です。
(「キッキング」とは、試合開始のときにボールを蹴ることです。試合見ればわかると思います。)
とくに、パントの仕組みの理解が「観戦できる」がどうかの分かれ道です。ゆっくりでいいので理解してください。

まず、アメフトの試合は、4回の攻撃で10ヤード以上進めないと「その場で」相手の攻撃が始まります。ということは、当然「4回目の攻撃が重要」だということは想像がつくと思います。
では、「4回目の攻撃=4th DOWN」では何をするのでしょうか?ここが重要なんですが、4回目の攻撃では、前述したようなオフェンスをすることはほとんどなく、「フィールドゴール」または「パント」が選択されます。

「フィールドゴール」は、相手の陣地にあるポールを越えるようにボールを蹴ることで、成功すれば3点入ります。
「パント」は、とりあえず遠くにボールを蹴ることで、相手の攻撃をなるべく後ろから始めさせることです。

3rd DOWNが本当の勝負

パントをすることで、攻撃の失敗した地点からでなく、それより遠くから相手の攻撃を始めさせることができる。これがアメフトでは重要で、言い方を変えれば、「4回目の攻撃」は「0回目の守備」といいますか、守りを考えたプレーをすることになるんです。

ということは、だんだんお分かりかと思いますが、「4回目の攻撃」が守りのプレーになるので、実質、オフェンスの重要な局面は「3回目の攻撃=3rd DOWN」なんです。
だから、「4回目で10ヤード越えればいいや」ではなく、「3回目までに10ヤード越えないと、4回目は守備の準備しないとなー」と考えることができれば、アメフトはバッチリ見れます。というか、ここさえわかればアメフトの初歩的な疑問はほとんど無くなるんじゃないか、ぐらいに思ってます。

ディフェンスのポジションと特徴

ここまででオフェンスの流れはご理解いただけたかと思います。
そうしたらディフェンスなんですが…、最初の間はディフェンスについて勉強する必要はまったくないです!(笑)

というのも、ディフェンスの目的はただひとつ、「ボールを持っている人間を潰す」ことに尽きるからです。
ですので、最初の間はオフェンス目線で試合を見たほうが絶対に面白いです。
ポジションを覚えるのも後回しでいいでしょう。一応簡単な役割紹介を。

《ディフェンシブライン》
スクリメージラインをはさんでオフェンシブラインと相対するのがディフェンシブラインである。まず相手ランニングバックの走路をつぶし、QBにパスラッシュをかけること、そのためのOLとの攻めぎ合いからはじまる。
《ラインバッカー》
パサーへのラッシュ、パスレシーバーへの防御、ラン攻撃へのタックルなど、ラインバッカーは攻撃の状況に応じてさまざまに対応しなければならない。
《ディフェンシブバック》
フィールドの後方及び両サイドで相手パス攻撃、ラン攻撃に対して広くカバーしなければならない。ディフェンスの最終ライン。

応援するなら!おすすめのチーム

チームの探し方

ここまで読んでいただている貴方なら、絶対にアメフトが観戦できると思います。
それなら、残ったタスクは「好きなチームを見つけること」のみです。

好きなチームの見つけ方は色々とありますが、コボリの想像では、(1)ユニフォームがカッコいい、(2)好きな選手を見つけた、(3)強い(弱い)チームであること、などを条件に見つけるのではないかと思います。
ただし、3つ目の条件に関して、アメフトは、メジャーリーグと違い、戦力をなるべく均一化するようにしているため、「絶対的に強いチーム」というのが存在しづらいことが特徴です。ですので、どう選んでも、強かったり弱かったりが繰り返されることにはなると思います。

勝手に選ぶおすすめのチーム

とは言われても、パッと決めるのも難しいでしょうから、補助線を引いてみましょう。「クォーターバックが強い/有名」そして「プレーオフによく出る」観点から選んでみます。

  • ピッツバーグ・スティーラーズ
    強くてユニフォームもカッコよくて、クォーターバックのベン・ロスリスバーガーも有名。
    とりあえず応援するならこのチームで間違いないと思います。
  • デンバー・ブロンコス
    リビング・レジェンド、ペイトン・マニング率いるブロンコス。これ読んで爆笑するなら、ファンになったほうがいいかも。
  • シアトル・シーホークス
    昨年スーパーボウル覇者。クォーターバックのラッセル・ウィルソンも若くて素晴らしいし、ランニング・バックのマショーン・リンチも強い。長く応援するならこのチームで間違いないでしょうね。あまりユニフォームはカッコいいと思わないけど。
  • グリーンベイ・パッカーズ
    コボリ御贔屓のチームです(笑)。なんといっても、現在活躍しているクォーターバックの中でナンバーワンのアーロン・ロジャーズ。パス主体の攻撃をするので派手で楽しいです。代わりにたくさん点もとられるので、見ていて飽きません(笑)。あと、ユニフォームが絶妙にダサカッコいい!!

応用編と自学自習のために

最後に、これらが全部インストールされていれば、かなり楽しめるような気がします。
(自分で証明できてないのが恥ずかしいですが・笑)

最後に、ここで触れなかったことの中で、知っておくと楽しくなるのは、主に3つほどでしょうか。

(1)時計が止まるプレーと止まらないプレーの違い。勝っている側は時計を止まらずに試合を進めたい、負けている側で時計を止めながら短い時間で追いつきたい、という両者の駆け引きの面白さ。「卑怯だ!」と感じる方もいるかもしれませんが、むしろここを考えながらチェスのように追い詰めていく/追い詰められていくのが面白いんですよね。
(2)「ブリッツ」というディフェンスの作戦。クォーターバックを潰しに突進することで、これが成功する=「サック」することがディフェンス陣の花型。贔屓のチームのディフェンスに「行け!潰せ!」と思えるようになったら立派なNFLファン。
(3)オフェンスの色々な作戦。とくに「次はランかパスか」、そして「長く進みたいのか、短く進みたいのか」を、これまでのプレーから予想すると楽しいです。とりあえずは、クォーターバックのボールのもらい方で、ボールを手渡しでもらったらランプレー主体かも、ボールを投げ渡されたらパスプレーかも、というあたりから見てみると良いでしょうか。

以上です。

というわけで、パッカーズにハマってからの4年間、まだ誰ともアメフトの話ができていないので、この記事が友人の誰かの目にとまり、「アメフト見ようよ!」と声をかけてくれれば最高です(ただし、日本時間では月曜の午前に放送されるから、オールで観戦するぐらいのモチベーションを持ったら声をかけてください!)。
ちなみに、明日1月3日はライスボウルという日本一を決める大会もあります。誰かハマらないかなー。