『水曜日のダウンタウン』、何が起きても笑ってしまう説


先日、『水曜日のダウンタウン』で、「ブックオフの福袋を買うやつはどうかしている説」について謝罪がありました。
先週も謝罪をしているので、一般的に考えて、2週連続で何かしらの謝罪をしている番組はかなり珍しいでしょう。

「謝罪が面白い」ことが一番の問題

番組内で謝罪することになったが、「情報番組や報道番組で取り上げる際は、一定のモラルがありますが、バラエティー番組はそれが緩くなる。うちの番組の反省会でも、やっちゃいけない教材として取り上げましたけどね」とバラエティー番組の担当者。

上の記事で書かれているように、いまや反面教師のように捉えられている『水曜日の〜』ですが、我々が怒るべきは「なんでヤラセなんかしたんだ!」ではなく、「なんで謝罪のパートが一番面白いんだ!反省してないだろ!?」ってところでしょう。

当然、「ブックオフ〜」の回の放送も面白かったですが、それを遥かに超える笑いを届けた今回の謝罪は、「もしかして、これが本当の狙いだったのか…ッ!」とワイルドアームズ風に(わかりづらい表現で失礼します)勘ぐってしまいました。

そんな感じで、今回の件すらも飲み込んで面白くさせてしまう『水曜日の〜』の暴力性には、予想してはいたけどやはり驚きです。

もっと怒られるべき企画や番組もあった

そんなわけで、プロデューサーの藤井健太郎がこの件についてどう感じているのかは想像するしかありませんが、自分だったら「うるせぇ」で片付いてしまうと思いました。
「うるせぇ。バラエティは《芸》でなく《能》の時代なんだ」という想像

というか、これで怒られるなら、もっと怒られるべき企画や放送があるんじゃないか。

たとえば、今回は企業をイジったから怒られて謝罪したわけですが、ところ変われば「コインランドリーで年を越す人、人生に絶望してる説」のほうが、よほどインパクトも社会的な影響も強いと思うんですよね。
全国コインランドリー連合会(実在します)は、今からでも抗議文を作成してTBSに送ったほうがいい!(そうすると、次の放送でもまた謝罪文が流れるという、以下略。)

他にも、1月9日放送の『チーム有吉』は、笑えなかった人がどんどん離脱して、番組終了時の視聴者は13人ぐらいになったことで助かりましたが、もう少し時間帯の早い頃に放送されていれば、苦情が殺到していたことでしょう。

そういう意味で、上手く記述できず恐縮ですが、今回のような謝罪が出るのは、まだ常識や倫理やルールの範囲内で片付けられる問題だからで、彼のつくる番組はもっと大きな影響を与える可能性もあると思っています。そのとき、謝罪はできるのでしょうか。

知らなくてもいいけど、「藤井の悪意」について

テレビ番組は、基本的に一切の前提情報を必要とせずに視聴することができます。しかし、『水曜日の〜』においては、前述の藤井プロデューサーの「藤井の悪意」という単語は頭に入れると楽しくなることは間違いないと思います。

※もちろん、以下のことは「そういう言説を理解して観てないやつが悪い」つまり「シャレが分かってないやつが出てくるとサムいよねー」なんてことを言うためではありません。

この番組のプロデューサーである藤井健太郎は、基本的に全てを「イジり倒し」ます。「ハマダー生存説」の回では、ダウンタウン松本に「このVTRは藤井の悪意を感じますよね」と言われています。

このイジり倒すという「悪意」ですが、とくに顕著なのは「悪意」の中に「愛情」がほとんど見えてこないところです。つまり、ただ面白くなるからイジる。面白くなくなるまでイジり倒すところが、彼の真骨頂であり、それが視聴者を爆笑の渦に巻き込んできました。
なので、彼のことを知りながら番組を視聴してる人にとっては、正直「いずれあるだろうな」ぐらいに思ってたのではないか、と推測します。

バラエティの面白いところ/恐ろしいところ

結構とっちらかってしまいましたが、まとめると、「すげー悪いヤツだなぁ」とか「なんてクソみたいな企画なんだ!」という言葉が褒め言葉になるのが、バラエティの面白いところであり、恐ろしいところだと思ってます。

以下の藤井プロデューサーの発言を引用して、また次回3月の放送を待ちたいと思います。とにかく変に終わらないでほしいなあ。

「笑いをベースに、観る人の好奇心にしっかりと応えること。そのバランスはつねに意識してますね。ナレーション等に毒っぽさが混じってしまうのは、僕の癖みたいなものかもしれません。子供の頃からそういう目線が好きだった気がします(笑)。もちろん、特定の誰かを傷つけたり悲しい思いをさせるつもりはなくて、欲しいのはあくまで毒気の先にある笑い。そこは松本さんと浜田さんが完璧に受けてくれるので、思いきった球も投げられます」

※藤井プロデューサー懇親のDJMIXが素晴らしかったので、ついでに。