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NHKが『爆笑オンエアバトル』が終わってから、ついに若手向けのお笑い番組を初めました。 番組名は『NHK 爆笑ファクトリーハウス笑けずり』。

地上波の放送ではありませんが、力の入った番組でした。番組紹介を読みますと、

250組が参加したオーディションで選ばれた9組の若手芸人が、富士山のふもとで共同生活。 毎週、先輩芸人の指導を受け、日夜ネタ作りに励む。
しかし、彼らには試練が。毎週与えられた課題を審査され、毎週1組ずつ、落とされていくのである。
芸人のテッペンを目指す若者たちの汗と、涙と、笑いのドキュメンタリー。 それが「爆笑ファクトリーハウス 笑けずり」である。

ということで、ざっくりと説明すれば 「爆笑オンエアバトル feat. テラスハウス」 と言えば伝わるでしょうか(笑)。リアリティ番組です。

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ガチとヤラセのせめぎあい

それで、こういう番組になると、真っ先に浮かんでくるのが 「ヤラセ」 です。 古くは 『ガチンコ!』(今思うと、ガチガチに台本があるのを見せといて「ガチンコ!」って、もう色々と感動してしまいますね)とかが有名ですよね。そういえば漫才版もありました(足軽エンペラーというのがあってだな…)。

本当のドキュメンタリーは退屈で、ドラマ性が欲しくなる。だから、無理矢理ハプニングを起こしてドキュメンタリーっぽく見せる。リアリティ番組なら必ずあることです。

この『笑けずり』もリアリティ番組ですから、当然、こういった「ヤラセ」が起きる可能性はあります。たとえば第2話以降を妄想してみましょうか。

あるコンビがネタ作りでぶつかり、嫌な雰囲気になったまま漫才を披露する。なんとか予選は突破するも、その後もコンビとしては噛み合わない漫才が続く。しかし、ある先輩漫才師からのアドバイスを受け、決勝直前でようやく「目指すべきお笑いが分かった」と結束を固める2人。最後は本当にやりたかったお笑いを表現して、見事優勝!

00年代でもバレそうな台本ですが(笑)、こういうことが有り得ない、とは言えません。というか、我々はどれだけガチンコの場面を見たとしても、

どこかに「ヤラセ」を見つけて/探してしまうものです

100パーセントの本気/演技は存在しない

これは立場の問題ですが、リアリティ番組であろうがなかろうが、 「ヤラセ」は絶対に存在する 、とコボリは考えています。

そう思っている理由はとても単純で、 カメラが回っている からです。レンズが写した被写体はどのように行動しても幾分のヤラセを含みますたとえば、上述したヤラセの例。これをNHK側から芸人に提示されなかったとしとも、 芸人たちが自身の判断で動く可能性があるということです。いや、むしろこっちの可能性のほうが高いでしょう。

繰り返しますがこれは立場の問題です。「右翼と左翼」みたいな危険なモンじゃないですが、バラエティ番組の視聴者を二分するような基準かもしれません。

さらに、もう少しこの考え方を深堀りすると、「ヤラセは絶対にある」というテーゼから逆説的に「ガチンコも絶対にある」ということが導き出せる、ということにも気づきます。

つまり、どれだけガチでやっても演技してしまうならば、 どれだけ演技をしても幾分のガチンコは混ざるんだ、ということです。ケンカしている内に本気になったり、ヤラセを仕掛けたがクチャクチャになって苦笑いしてしまう、とか。いくらでもありますよね。

何度も繰り返しますが、これは立場や考え方の問題なんで、まったく合わない人もいるはずです。極論ですが、コボリは『NONFIX』にだって数ミリのヤラセがあり、『ガチンコ!』や『テラスハウス』にもガチはあると思っています。

『笑けずり』初回の感想

そういった意味で、この『笑けずり』も同じく、幅広い意味でのヤラセとガチが共存している番組だと思って視聴しています。そして初回は、とても面白かったです。

初回では、各コンビのキャラクタを説明したり、ネタをちょっと見せたり、番組の趣旨を説明したり、さらには実際に1組脱落させたり…。1時間でまとめるのは相当大変だったと思います。

しかし、それらが良いバランスでまとめられていて、あっという間の1時間でした。

なんといっても、各コンビのネタが想像以上に面白かったことは、本当にすごいです。第2話からは、先輩芸人がお笑いを教えることになるようですが、どんな風になるのか想像つかなくなってます。

いらんいらんの脱落

1つだけビックリしたのはいらんいらんの脱落で、こればっかりはめちゃくちゃガチでした。 というのも、『笑けずり』の脱落者を決める方法は、

「参加コンビが一番つまらないと思うコンビを指名して脱落させる」 という独特な方法です。

「芸人が芸人を投票する」ってのは、オンバトでは見られなかったことですし、「若手芸人が出演も審査もする」というのは初めてかもしれません。

番組内でも触れられていましたが、この仕組みは「一番つまらないコンビを落とす」ではなく 「落としたいコンビを落とす」という政治的な戦いをさせてしまう可能性があります。『サバイバー』って番組が昔ありましたが、それに近いです。

その中で、各コンビが出した最初の答えが「いらんいらん」でした。理由は「ネタ見せのはずなのに、ネタじゃなくてツカミのようなことしかやっていなかったから」。おーマジか!

そんな訳でなんとなく残しておきたいキャラクタが真っ先に消えた、というのは凄いですよね。『ダンガンロンパ』というアニメを思い出しました(笑)。

初回はコンビ関係も薄いためにシンプルでしたが、次回からはもっと複雑な感じになるのかな。それはそれで楽しそうだけどやり過ぎは退屈だなー、というワガママな気持ちになっています。


というわけで、『笑けずり』は要チェックな番組だと思いました。NHKのバラエティ好きならぜひ一緒に。では。


    Kobori Akira

    IT業界の社会人。最近はプロレスと音楽の話題が多め。
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