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子どもは分類が好きだという記事をどっかで読んで合点がいった。家の中にトミカなどのおもちゃが散乱しているなかで、たくさんの箱を出してあげたら、本人なりにおもちゃを分類して片付けていたからだ。とくにトミカのなかでも「ポケットトミカ」と呼ばれる、クレーンゲームでとった小さなトミカは別のものだと認識しているようで、それ専用の箱にしまっていた(最終的には箱のサイズの問題でごっちゃになってたけど)。


NFLの今年のスーパーボウルは、チーフスの勝利で幕を閉じた。最後のCBブラッドベリーのホールディングは取り返しのつかないファウルだったが、本人の”It was a hold, so they call it.”というコメントがちょっと胸を打った。

しかしマホームズの圧倒的な強さ(足首をケガしているのに)には、もはやヒールっぷりすら漂いはじめている。今年こそトム・ブレイディが引退するはずなので、ちょうど入れ替わりで同じ立場になるのだろう。

来年こそパッカーズが優勝するのだけれど、そのときのQBは誰になっているだろうか。とうとう¥アーロン・ロジャースから卒業しなければいけないのだろうか。そしてそのとき私はまだアメフトファンでいられるか心配だ。

もうひとつ。Rihannaのハーフタイムショーも良かったけれど、やっぱり去年のDr.Dreと比べてしまうとあまりにシンプルだったなと思う。スポンサーがAppleになったことは影響しているのだろうか。だとしたら来年以降もちょっと期待できたいかも。


食べたこともないけど、急に明石焼きが食べたくなって冷凍たこやきを出汁にひたして食べた。だしつゆが適当に作れるようになると生活の質がちょっと変わるかもな、と感じた。


先週のジュリアvs鈴季すず戦の記事がNumberに上がっていた。週刊プロレスでも多少は取り上げられていたが、自身にとってのインパクトに比べたら「もう終わり?」ってぐらいのボリュームだった(表紙がジュリアと内藤の並びであることも腑に落ちないぐらい)。なのでこのNumberの記事はありがたい。しっかりと試合前後のことをテキスト経由で味わうことができた。

とくに後編の、テキーラ沙弥を混じえた3人が収まった写真は、仕組まれたほどに感動的だ。写真の真ん中がテキーラ沙弥でなく鈴季すずであることも、それぞれのキャラクタを想像できる。結局のところ、アイスリボン出身の選手たちは、場所こそ違えど「プロレスでハッピー!」をそれぞれが実現しているとわかる。

「私は大事な妹を捨ててここ(スターダム)に来た。でも、いつか必ず道が交わるって信じてたよ。ジュリアのこと忘れないで、ここまできてくれて本当にありがとう」 試合後のリング上でジュリアは言った。すずだけでなく、試合を見届けてくれた沙弥にも聞かせたかった言葉ではないか。“美しき狂気”と呼ばれるジュリアは本当は涙もろく、涙もろいからこそ狂気をまとう闘いが必要だった。その魅力的な二面性が、これからはさらに深みを増すような気がする。

記事の締めにあるように、ジュリアは二面性があるからこそ惹かれる。これをハッキリと伝えている新しい入場曲の素晴らしさも強調しておきたい。


自分がいつでも見返せるように。ジュリア移籍後すぐにP’s Partyでの鈴季すずのコメント。

上よりも前。鈴季すずと世羅りさの関係性がすこし理解できる映像。なんで2018年から女子プロレスを観ていなかったんだろう。

鈴季すずのデスマッチデビューはこれ? 山下りな選手とのシングルマッチ。恐る恐る観た。


NFLのことも書かないと。スーパーボウル。明日が楽しみになるよう、知ってるかぎりで情報をまとめておく。

カンザスシティ・チーフス

チーフスは、現役のなかでは最高峰のクォーターバックであるQBマホームズ(15)を中心とした攻撃が魅力。シンプルに「そんなパスが投げられて、しかも通っちゃうの!?」ってプレーが頻発するはず。

パスプレーでは、タイトエンドと呼ばれるパスキャッチ役のTEケルシー(87)とマホームズのコンビに注目。これが爆発したら圧勝も有り得る。個人的には昨年パッカーズから移籍してきたWRスカントリング(11)も応援したい。というか去年活躍してくれよ!

ランプレーの主役は、ルーキーのRBパチェコ(10)。ドラフト下位ながらめっちゃ活躍した。ちなみにマホームズもまあまあ走れるが、足をケガしているのであまりランはしないはず。

フィラデルフィア・イーグルス

イーグルスは、ディフェンスに強みのあるチーム。先頭にならぶディフェンスラインの4人、そしてその後ろに控えるLBレディック(7)がQBをめちゃくちゃ捕まえる。マホームズを潰せられれば、かなり試合は有利に運べる。

2年前は控えメンバーだったQBのハーツ(1)は、パスの能力こそ一般的ながら、魅力はランにも。オフェンスラインの安定感がバツグンなので、パスと見せかけて自分で持ち運ぶプレーも期待したい。 ちなみに史上初の黒人QB同士のスーパーボウル。

オフェンスラインが強みなので、比較的ランプレーが伸びやすく、おそらくRBサンダース(26)のプレー機会も多いはず。パスプレーはシンプルにWRブラウン(11)、WRスミス(6)の両看板に期待。

試合の見どころ。

チーフスのオフェンス vs イーグルスのディフェンス

  • チームスのオフェンスラインは、イーグルズの強力なプレッシャーからQBマホームズを守れるか。プレイ内容によってはマホームズの足首のケガが悪化して途中退場だって有り得る
  • パスキャッチの主担当はワイドレシーバーだが、ランプレー担当のRBマキノン(1)もレシーバーに回れる。TEケルシー(87)もいるので、上述のプレッシャーさえかいくぐれば、あらゆる選手にパスを飛ばせるだろう。イーグルスのパスカバー陣は大変だろうけど頑張ってほしい
  • イーグルスはとにかくマホームズに対するプレッシャーが成功するかどうか。これが上手くはまれば、乱れたまま投げられたパスをインターセプトしたりなど、ビッグプレーにもつながる

イーグルスのオフェンス vs チーフスのディフェンス

  • パスプレーとランプレーのバランスが上手くハマるかどうか。そしてときおり出るはずのQBハーツ(1)のランプレー(スクランブル、QBスニーク)がどれくらい効果的か。視聴者はもちろん、チーフスの戦術家も手玉にとるようなプレイ選択を期待したい
  • チーフスのディフェンスは、完璧に守る必要はないので、とにかくビッグプレーをさせないように注意したい。可能なかぎりランプレーを止められれば、試合はチーフス有利になるはず

試合展開

  • 前半にリードしたチームがそのまま勝ちそう
  • とくにイーグルスは自身がリードする展開に持っていきたいだろう。なので第1クォーター、はじめてのチーフスのオフェンスがとても重要だと思う
  • 仮に想像通りに進んだとしても、最終クォーターのQBマホームズがどんなスーパープレイを連発するかはわからない。逆転のチャンスを残しながらチーフスが追い上げる展開になったら、きっとこのスーパーボウルは語り継がれるものになる

すこし時間が空いた。チームの飲み会をしたり、会社の人とAmong USしたり楽しかったし、子どもとの楽しい時間もあったが日記を書かないデメリットはこれで、もう一昨日の面白かった思い出をちゃんと思い出せない)、正直今週はずっと鈴季すずを追っているだけだった。久しぶりにTwitterを何度も閲覧したり、まだ購入できるグッズを買ったりした。いよいよポートレートを買って写真立てに入れて机に飾る日も近いだろう。

女子プロレスはちょうど動画もたくさんアップされているがSEOは適当な時期なようで、動画タイトルだけでは何の映像が収められているかわからない。そのためWikipediaや記事から歴史を勉強し、その時期に公開されている動画をあらたか探して答え合わせをする感じになる。今週はそんな方法で元テキーラ沙弥選手の引退直前をとりまく状況を追うことができた。「さや」にかけた38人掛けの映像とか。

たとえばテキーラショットがテキーラ沙弥から鈴季すずへ引き継がれた技でるあることを去年から知っていたら。プロミネンス立ち上げのためのアイスリボン大量離脱と同タイミングで雪妃真矢もフリーになっていることを去年から知っていたら。感動したあの試合たちはより一層深く記憶に残ることだろう。


そんなことを考えてたら、ジェイ・ホワイトとヒクレオの敗者日本追放マッチでジェイが負けてしまった。プロレスが約束を守るなんて思っちゃいない。ただとにかく今年はニュースが多すぎて幸せなような、もっと焦らしてほしいような、なかなか不思議な感覚で過ごしている。


子どもの写真をデスクトップの画像にしたりモニター近くに置いてみた(写真立てがないので、いまは裸で置いている)。

もともとは『科学の知恵 怒りを鎮める うまく謝る』を読みながら思いついたもので、謝罪の内容を考えるときにまず大事なものを思い出すとよい、というテキストを読んだときに「謝罪という特別な場面以外でも効果があるのでは」と感じたからだ。それで早速子どもの写真をプリントしたり、動画じゃなくて顔のアップ写真をわざわざ撮ったりしてみた。

効果はまだわからないけれど、ただドラマなどでよくあった「職場のデスクに子どもの写真を飾っているパパ」って、ある程度メリットがあってやってたのかもなと思ったし、オタクが好きなものに囲まれた部屋にいる理由もちょっとだけ理解できた気がする。

ちなみに「ここに鈴季すずの写真も置きたい」と感じたのも事実だ。これまでポートレートの類はひとつも買ったことがないのだけれど、いよいよ買ってしまうかもしれない。そして買いだしたら止まらない可能性がある。


久しぶりにQiitaの記事を書いた。ツェッテルカステンに書いていたアイデアを、まあ他人が読んでもいいだろうぐらいにまとめたもの。明日投稿する。

上記のような作り方をしてから、外部向きの記事のアウトプット量とアウトプットのための労力の質が変わった。背伸びすることがなくなったというか、核となるメッセージが小さく明確になったので、メモを清書してる感覚になった。

去年はQiitaで1,2発バズったので、今年も4,5発ぐらいあったら嬉しいな。ある程度手応えのある記事が増えれば、これらを繋げるかたちで大きな記事が書けるはずだ。


BoAの「DO THE MOTION」の作曲者が葛谷葉子だといま知った。

葛谷葉子は去年はじめて知ったアーティストなのだけれど、なんでこれまでアンテナに届いてなかったのだろうと疑問で仕方ない。「サイドシート」は去年いちばん聴いた曲かも。ビートもパーカッションもホーン・ストリングスも歌い出しもコード進行もサビ前のリフもそしてサビも、すべてが最高だと、ジャケットをあらためて見ながら。絶対に出会う機会があったはずなんだけどなあ。


20年ぶりぐらい、かどうかさえわからないぐらい久々に動物園に行った。きっと「ひさしぶり」だろうとは思うのだけれど、今日行った上野動物園にはなにひとつ懐かしさがなかった。これは「幼少期がどうだった」みたいな話ではなく、本当に動物に興味がないのだろう。楽しい/楽しくないという区別ではなく、心のどこも動かない時間だった。唯一、鳥類を見ているのが面白かったかもな、って感じ。

子どもは上野駅に降りてからもう一度戻ってくるまで、ひたすら歩いていた。テンションが高かったこともあるだろうが、こっちがすこし引くぐらいの体力だった。ずっと家で遊ばせてしまっている感覚だったけれど、きっと小さなことなんだろうな。子ども本人のポテンシャルというものを軽視してしまっていた。


菊地成孔とQNのユニットであるQ/N/Kの新曲「TOLD ME」。2人が最初に出した曲にボーカルを含んでいることがとても良かった。ブルースの構造かつ、Drakeみたいなやつじゃなくて歌謡曲っぽさがある。コーラスにあたる箇所のバックトラックは流石だよなあと思わされる。


aikoの新曲「あかときリロード」。プロデューサーが変わってからというもの、aikoの魅力について「まだこんな味がするなんて!」という驚きに満ちている。門外漢からすれば金太郎飴みたいなもんなんだけど、その飴の表情が絶妙に変わっているのだ。

シンプルに「バンドスタイルだけでは表現できない楽曲になった」と説明できると思うのだけれど、その影響でaikoがR&Bに寄ってきたように感じて、つまりはaikoがブラックミュージックであることを容易に認識できるようになった。

これは2021年のアルバムからだけれど、もうこういう曲も出ているのだ。この曲をいま聴いてあらためて思うのは、aikoの曲は踊れるのだけれども踊らせない力も同じぐらいはたらいているということだ。意図的にビートを弱めにしているのだろうが、たとえばキックとスネアをより現代風にしたら、この曲は壊れてしまうかもしれない。単純なR&Bには収まりきらない編曲と、単純なR&Bには収めきれないaikoのボーカル。演歌をR&Bにアレンジできないのと似たものを感じた。


たぶん思い出すことはもう無いだろうからメモっておく。職場の同僚とSpotifyの自動プレイリストを共有しているのだが、たまたま今目に入ってめっちゃ笑ったので。これがいつの曲かは忘れちゃったけれど、この曲を聴いたときに「もうゲスの極み乙女の時代なのだな」と思ったことをよく覚えている。よくできている曲だなあ。


最近靴下を自分で履けるようになったので今日はズボンも自分で履くように促してみた。スムーズに履けて、あとは自分でシャツを着たり脱いだりできれば着替えは一人でできるようになる。嬉しくて寂しい瞬間のひとつだ。もっと寂しくなれればよい。


スターダムの2.4大阪大会は、とにかく素晴らしい試合の連続だった。見返しても捨て試合が見当たらない。3年ぶりの声出し解禁ということで、いまできる最高の試合をぶつけてきたのがよくわかる。興奮の度合いもふくめて、汚いテキストで残しておく。

スペシャルシングルマッチ - MIRAI vs 橋本千紘

まず橋本千紘というレスラーの絶対的な強さを理解した。飛びついているMIRAIをそのまま持ち上げてブレーンバスターに移行できるパワーや、最後のオブライトの美しさ。シンプルに試合単体で納得させられてしまう。

ただこの試合は、橋本に喰らいついたMIRAIが素晴らしかった。プロレスにおいて実力差というものはひとつの材料だ。まったく効かなかったラリアットが終盤に効いたのは、桜井まい同様に”スカッとする”瞬間だった。MIRAIという選手に対してこれまで特に印象を持てなかったが、一気に彼女を応援する土壌が整った。

マイクを信じれば、朱里と戦う前にもう1戦あるらしいが、この相手は本当に難しいと思う。もうジュリアとやって、ジュリアに勝った橋本が朱里を迎撃するようなシナリオしか浮かばない。どちらにせよ次の相手には相当期待したいし応援したい。

そういえば女子レスラーにとってジャーマン・スープレックスという技は、なにか特別な意味があるんだろうな。きっと調べたら歴史があるのだろう。そしてどの選手のジャーマンもそれぞれ魅力がある。いまのところ岩谷麻優鈴季すず、橋本千紘が印象に強かった。

ゴッデス・オブ・スターダム選手権 - 高橋奈七永&優宇 vs 舞華&ひめか

ゴッデス・オブ・スターダム選手権

ひめかの膝のケガは可哀想だったが、これも材料のひとつだ。

高橋奈七永のそのあとの戦いがベテランだなと思わされた。瞬時にどこを負傷しているかを把握して、どこを攻撃すればその負傷した箇所を攻撃している”ように見える”かを把握して、そこのピンポイントで攻めるところが素晴らしかった。

そして試合終盤のランニングパワーボムのあとの、ひめかの表情がいちばん印象に残った。あの表情に込められた感情を言語化できる人が小説を買いたりするのだろう。こういうのを見たいから女子プロレスを見てるとさえ言えるかもしれない。舞華がひめかを背負って退場する姿は、舞ひめファンに言わせれば”とうとい”ってやつだろう。私だってその感覚がなんとなくわかった。

あといつも思うけれど優宇のキャノンボールは、とにかくカッコいいし生で見たくなる。イージーな想起だけれど、ほぼジェフ・コブだよ。

ワンダー・オブ・スターダム選手権 - 上谷沙弥 vs 渡辺桃

ワンダー・オブ・スターダム選手権

個人的に渡辺桃という選手がすごい好きなんだけれど、どんどんデカくなっているように感じる。「もしやブル中野になっていくんじゃないか」ってぐらい期待してしまった。75kgぐらいになって、それなのにこれぐらい動けたりでもしたら、もう一生応援するだろう。今年も新日本との合同興行があるとすれば、ぜひEVILと組んでほしい。本当に良いタッグになる気がする。

上谷沙弥の良さは、一言で言えば「あぶない」に尽きるだろう。この前の白川未奈戦だけを指しているつもりはないが、自身も相手も傷つけてしまう無垢な怖さがある。友人が言っていた「安心して推せる」という表現が好きなのだけれど、上谷沙弥のファンになれる人はそんな尺度で応援なんてしていないだろう。とにかく惹きつけられてしまっているはずだ。アイドルでなくプロレスにおいてもこれは長所になり、コーナからのフットスタンプや初めて見る張り手やカミゴエ式の蹴り、どんな技も一瞬「あっ」ってなるのは彼女の持ち味だと思う。

この試合を見ながらあらためて実感するけど、女子の試合って「無駄な長さ」ってのがなくて、すべての展開が「エンターテインメントを見る」ための適切な時間に収まっているのがとてもよい。正直、新日本の試合ってはじめて観る人にとってはちょっと長く感じるんじゃないか、とずっと考えているので。

ワールド・オブ・スターダム選手権 - ジュリア vs 鈴季すず

ワールド・オブ・スターダム選手権

煽りVの段階で、選手本人よりもファンが泣いてしまっていただろう。現実の話ではない。しかしとにかくストーリーとして完璧すぎていて、こんなの見せられて泣かないファンがいるの? ってぐらい簡単に感情移入できる。夢と愛情と憎悪がぜんぶ入っている、こんな試合は次いつ見れるのだろうか。プロレスはどんなことだって起こるからこそ予想が外れることを期待するが、いまこの時点では「もうありえない」と断言したい。

登場。スターダムの歴史はまったく詳しくないけれど、ジュリアの今日の雰囲気に木村花のニュアンスを感じたのは自分だけだろうか。そして鈴季すずの表情に若さや緊張、自信と度胸を感じる。

試合開始。鈴季すずに対する声援の量に彼女自身が満足している表情を見ただけでも、もう飲みながら誰かに喋りたい気分だ。

試合はとにかく素晴らしかったけれど、いちばん感じたのはジュリアの余裕だった。ただこれは実力差があったというより、ジュリアがスターダムで経験した数年間の差だ。すずは持てるすべてを出したし、決してジュリアがすずをリードしてあげるような試合ではなかった。ただ私が感じたのは、ジュリアのほうがリングと客席を俯瞰していたような気がする。言い換えればジュリアだけを向いて試合をするすずに感動する向きもあるってことだ。私も本気で鈴季すずの勝利を願っていた。

試合のハイライトは、すずに対する声援が最骨頂に達したあとの、トップロープからのジャーマン・スープレックス”ホールド”だった。昨年の5STARSは技に表現できない攻防がピークであったが、この試合はお互いのプロレスラーとしての魅力が詰まっている。もちろん感情面や泥臭いシーンだってあるが、極力これに頼ろうとしなかったのだと思う。感情がいちばん見えたのは、すずのグラン・マエストロ・デ・テキーラを決めたあとの「カバー!」だった。

最後はジュリアのグロリアス・ドライバー、そしてノーザンライトボムで決まった。トンパチ・クイーンに対するデンジャラス・クイーン。勝敗が決まったあと、リング上には世羅りさテクラもいた。

アイシャドウの色が混じった涙は、なんでこんなに胸を打つんだろうか。一瞬目線を外したジュリアに対して鈴季すずが名前を呼びかけたとき(1:28)の、あの声色。私はこれで一気に涙腺が崩壊してしまった。鈴季すずがジュリアの本歌取りをしたときのカメラワークも素晴らしい。この試合とマイクのあと、今度は鈴季すずがジュリアを越える瞬間を観るまでは追い続けることを決意した。

そうだ。ジュリアの新曲は100%指示する。PPV経由だけれどキックの硬さ、ローパスされたピアノのブレイク、メインパートのシンセの音色、外国語のラップ。すべてがジュリアに合っていると思う。なによりもジュリアの強さや怖さ以外の面、つまり愛と孤独を表現したことが素晴らしい。試合が決まったあとの曲、つまりメインパートから2人が握手したときに流れたアウトロまでもう一度真剣に聴いてほしい(私は6回見た)。映像と音楽の関係性を伝える教材にしたいぐらいだ。仮にこの曲がハネなかったとしても、今日のこの場面だけでも作曲者と編曲者には最大の賛辞を送るべきだと思う。


試合後にTwitterを見て知ったが、この試合をテキーラ沙弥が観戦していたということが、この試合を決定づけた。アイスリボンのことなんて1ミリも知らない。それでもこれだけ感動するのだ。4,5年前から女子プロレスを応援していた人は、もう今日で人間の本質を理解したことだろう。きっと週プロで色々読めるはずだ。来週の週プロはブツとして購入して保管しようと決めた。

そのほか前哨戦ではあるけれど、レディ・Cが初めて声援を受けたり、スターライト・キッドが初めてブーイングを受けたりする瞬間も感動的だった。あらためて「すごい良い興行だったな…」と噛み締めている。