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4096バイトの秘密鍵を生成する

ssh-keygenで秘密鍵を生成する。

$ ssh-keygen -t rsa -b 4096 -C "" -f id_rsa > Generating public/private rsa key pair.

Enter passphrase (empty for no passphrase): (パスワードを入力)

  • -tオプションは秘密鍵の種類。「dsa | ecdsa | ed25519 | rsa | rsa1」から決定する。ほとんどはrsaが選ばれている。

  • -bオプションは、秘密鍵の長さ(ビット単位)。2048ビットがデフォルトだが、より安全な4096ビットを設定。

  • -Cはコメント。デフォルトは「ユーザ名@ホスト名」らしいが、とくに載せたくもないので空欄を指定した。

  • -fはファイル名。デフォルトはid_rsa。今回は学習もかねて指定しておく。

  • パスワード(パスフレーズ)は空欄でも可。ファイルが流出してもパスフレーズが漏洩しなければまだ安全のため、セキュリティ的には必須。

githubに公開鍵を登録。

~/.ssh/id_rsa.pubのファイルの中身をgithub上に貼り付ける。 macなら次のコマンドでコピーが可能。

pbcopy < ~/.ssh/id_rsa.pub 設定方法は、お前らのSSH Keysの作り方は間違っているより引用。

GitHubにログインし、右上のプロフィールをクリック -> Settingsにて設定画面に遷移 左のメニューからSSH keysをクリック Add
SSH Keyをクリック Titleに識別できる文字列を入力 Bodyに先ほどクリップボードに入れた値をペースト Add Keyをクリック

動作確認

$ git push Enter passphrase for key ’~/.ssh/id_rsa’:さきほど入力したパスレーズを入力すると、pushに成功することがわかる。

その他

この方法だとpushするたびにパスフレーズの入力を要求されてしまう。 そのため次のコマンドで入力の省略が可能。

$ ssh-add -K ~/.ssh/id_rsa ただし上記の方法は、端末が盗まれた場合にリスクがある。気になる人は止めておこう。

参考URL

https://hnw.hatenablog.com/entries/2014/07/05https://qiita.com/suthio/items/2760e4cff0e185fe2db9https://qiita.com/onokatio/items/397a5899a0ec16c7e60a


<絶対忘れるな=ぜわす」>のアルバムがパーフェクトミュージック様から9/12に発売されることに関して、もうほとんどのことは自分の手から離れていきまして、あとはリスナー然として「楽しみだな〜」って感じで日々暮らしています。まだクレジットは発表してないですよね?

これはソロ活動している方と飲んで喋りたいんですが、チームでやると自分の欠点を誰かが補ってくれるところが本当に素敵ですね。一人で全部やっていた頃はいわゆるマーケティングが本当に苦手で(本はたくさん読んだんですが実践が長続きしないタイプ)、作ったことに満足して飲み潰れたりしていたんですが、<ぜわす>には私よりずっとTwitterの使い方が上手なメンバがたくさんいるので、隠居に近いような生活をしていてもなんだか売れそうな雰囲気が出てきていることにビックリです。ちなみに<益若つばめ>さんは女性かもしれない 、っていう幻想もまだ消えてないぐらいには隠居してます(笑)。

「隠居してる何をしているんだ」といえば、これもソロ活動してる方には共感する箇所だと思いますけど、まあ新曲の考案ですよね(笑)。つまり自分の中ではもうデビューアルバムは発売されているので、ネクストステージを模索している段階です。仕事しながらコード進行を考えてみたり(エンジニアなのでコードを打ちながらコードを考える訳ですね)、<ぜわす>に合うリリックのテーマを考えてみたり、「いや、これはソロ向けかも。○○さんを呼んでやりたいな」とか妄想したり、楽しい時間です。

で、そんなふうに色々とアイデアを巡らしている中で「マズい、このままだと全部さらっていかれちゃう」って恐怖感を覚えているアーティストに会いました。これがKREVAさんなんですね(笑)。

KREVAについては当ブログでも長文のレビューを書いたぐらいにはリスペクトしているのですが、最新作『存在感』を聴いたときははじめて「ライバルかも、、、いや、同じ志を持った者なのか?」って思うぐらい驚きました。

ブログでも何度か「以降のKREVAはビートのアプローチも含めて、ポリリズム(クロスリズム)を取り入れたりするような、まったく違うラッパーになる可能性がある」って趣旨のことを書いていたんですが、これはまったくの大不正解で(笑・そういえばBACKHORNの「大不正解」ってとてもいいタイトルですよね)、「トラップ調のトラックでキワめのリリックをひたすら突き刺していく」が正解でした。

あまりリリックの批評はしたくないですけど、KREVAですら「決定打が出てない」なんて自分に言ってるんですから(トレイラーでは「説教ソング」なんて言ってゴマかしてますけど、どう考えても内省的な曲ですよねこれ。)、まあ本当にKREVAって人のことはわかるようでわかりません。

ちなみに<ぜわす>好きな方にテストですが、この4曲中に1曲だけ「益若つばめが考えた<ぜわす>用のタイトル」があるので探してみてください。「存在感」、「俺の好きは狭い」、「健康」、「百人一瞬」、さてどれでしょう?

正解はどれもKREVAの新曲でした。ぜわすファンの第一号である私としては「俺の好きは狭い」が一番ぜわすっぽいかな〜(笑)。多分そのうちKREVA側から「とりあえず出す」って新曲が出たりしても驚かないです。

というわけでKREVAは未だに低評価をまっしぐらに進んでいますが(彼がやっていることと評価との間に大きな乖離がある、って意味です。たとえば三浦大知は等式で結ばれてます)、このアルバムを境に勢力図が変わるんじゃないかと思いました。


久しぶりにブログを書きはじめた。TSUTAYAで30枚ぐらいCDを借りたので、インポートしている間が暇なのだ。いまはキンプリのカップリングである「Funk it up」を取り込んだところだ。いい頃のジャニーズ感があり、CHOKKAKU氏だと知って納得。

その間に書きたいことはたくさんあって、最近でいえば「なぜコントの題材がどんどんハッピーエンド、あるいは微笑ましいものになっているのか」ということだろうか。「日本は辛いことが多いから、せめてお笑いぐらい気楽に見たいんだよ」っていう意見が真っ先に挙がったが、よく考えれば単純に「コンプライアンスここに極まり」ってだけだった。

日本代表に対する感想(躁鬱みたいなW杯だった)とか、この前の「やるっきゃ内閣」(フィロソフィーのダンスさんとの2度目の共演。そしてメンバの日向ハルさんをfeat.した「平日ナイトフィーバー」を初披露させていただきました。こちらは9月頃のデビューアルバムに収録予定です)の感想も書きたいのですが、そろそろ「コンプライアンス」については真剣に考えてもいいと思います。とはいえもう30歳近くなると「まあいっか」と思ってしまうし、そう思ってしまうぐらいには日本のテレビは「成熟」した。

いまや「バカ笑い」なんて表現は日本からは無くなって(本当にバカだけがバカ笑いできる訳ですから、本来の意味合いに戻ったともいえますけど)、「“バカ”なんて表現を使ったら誰かが悲しむのではないか」、「そんなことを気にしてブログを書くこと自体が上から目線なのでは」、「“上から目線”なんて表現が出てくること自体、“上から目線”なのでは」、、、なんて書いているうちに「まあ、、、ストロングゼロでも飲もうか(笑)」みたいな文学が生まれてくる訳だ。

そんな中でも音楽とプロレスだけは私の好きな範囲の”バカ”でいてくれて、いまはENDRECHERIの「HYBRID FUNC」をインポートしているが、たとえば堂本剛は上記のようなことを私以上に悩み尽くした結果として答えを宇宙に求めた。「危ない人ね」で済む話だが、私は彼に共感しか覚えない。「再生だからEND”RE”とか、いい大人が考えることじゃないよ(笑)」とか、これからもめちゃくちゃイジると思いますけど、私が死にたくなったときに救ってくれるのはこういう音楽です。


Setlist

  1. O.S.T. - ラスト・シンデレラ (2013)
  2. MONDO GROSSO - Everything Needs Love feat. BoA (2004)
  3. SPANK HAPPY - Physical (2003)
  4. Wink - トゥインクル・トゥインクル (1994)
  5. 少女時代 - THE GREAT ESCAPE (2011)
  6. Berryz工房/アンジュルム - 普通、愛のため今日まで進化してらんないでしょ!? (2016)
  7. 有坂愛海 - 負けないロリィタ服愛好家がやらない7のコト (2017)
  8. ostooandell - 君はまるでダンスしているみたいに (2010)
  9. 野宮真貴 - スウィート・ソウル・レビュー (2012)
  10. O.S.T. - ラスト・シンデレラ (2013)

Linernotes

おそらく3年ぶりの配信となります。30分のショートミックスですので、お気軽に聴いていただければ幸いです。

「シンデレラ」をテーマにしたこのミックスのライナーノーツは、奇跡的なことに、結婚式用のドレスを選ぶ施設内で書かれています。

具体的には、奥様の着替え中にせっせとタイピング。目隠し用のカーテンが開いたらカメラ小僧に徹し、カーテンが閉まったらまたパソコンを開き直しカタカタ…。という流れです(この投稿が見つかったらフライパンでブン殴られるのでしょう)。

権利もクソもないような行いなので、基本的には「どの立場から曲紹介」してるんだよ、って話ですが、もろもろは置いといて各曲を紹介させてください。

  1. O.S.T. - ラスト・シンデレラ (2013) もう5年も経ったのかと引いていますが(笑)、一部の女性たちが熱狂したドラマ『ラスト・シンデレラ』のOSTです。作曲者は半沢武志さんで、「Freetempoの中の人がやってる!」と興奮したことを覚えています。 OSTとして優秀で、その他の曲もちょうどいいラウンジ感があります。その中でもやはりタイトル曲の本曲は、イントロが鳴った瞬間に恋が始まるような、そんな素晴らしさがあります。
  2. MONDO GROSSO - Everything Needs Love feat. BoA (2004) もう15年ほども経つのかと引いていますが(笑・もう止めます)、大沢伸一のソロプロジェクトMONDO GROSSOの『NEXT WAVE』より。自分が当時中学生だったときに繰り返し聴いたことを覚えています。 あらためて聴くとサビ前のサイレンがかなりクールですよね。なんでこんなものを入れられたんだろう。 前の曲のバイオリンソロをフック直前まで引き伸ばしているので、また新しい聴こえ方がしてくればガッツポーズです。
  3. SPANK HAPPY - Physical (2003) 菊池成孔と女性ボーカルの2人組ユニットSPANK HAPPYの『VENDOME,LA SICK KAISEKI』より。最近は小田朋美 a.k.a O.Dとともに活動を再開しました。楽曲はオリビア・ニュートン・ジョンのカバー。原曲もものすごい良いですし、この解釈も好きです。

※ここから自宅に戻って再執筆。

  1. Wink - トゥインクル・トゥインクル (1994) 競馬のCMでおなじみになった、Winkのシングル。調べてみたら1994年でした。もっと古いと思っていたなあ。Winkは名曲が多く、晩年はR&B調の曲もあったりして掘り甲斐のあるアーティストですね。 ミックスでは省いていますが、イントロのアカペラ部分もものすごく良いです。
  2. 少女時代 - THE GREAT ESCAPE (2011) 『Girl’s Generation』より、隠れた名曲を。「GEE」とかの頃ですね。チップチューン風の効果音がうまく馴染んでいて、バースとフックのメリハリもとても良い。 収録にあたり歌詞をはじめて読んでみたのですが、「あらかじめbefore too late」とか、無理矢理日本語にあてはまていく感じに、まだまだ旨味を感じれる曲だと認識。
  3. Berryz工房/アンジュルム - 普通、愛のため今日まで進化してらんないでしょ!? (2016) 私が最高に好きな曲をマッシュアップしただけですが、発想・曲名ふくめ「傑作やなあ」と自画自賛しています(誰も反応がないので、自画自賛以外の方法がないのです)。 ミックスでは省いていますが、ブリッジでは「愛はいつも君の中に」も混ぜ込んでいて、ぜひ機会あれば聴いてほしいところです。ただどこにアップしたかも忘れてしまったんですよね、、、(笑)。 もちろん、それぞれの原曲も素晴らしいので是非聴いてください。
  4. 有坂愛海 - 負けないロリィタ服愛好家がやらない7のコト (2017) 3rdアルバム『負けないロリィタ服愛好家がやらない7のコト』より、タイトルチューン。間違いなく、今年に入って一番聴いている楽曲です。 「アラサーロリータSSW」だとか「ロリィタ布教活動家」だとかいう肩書きの前に、曲を聴く前は「ああ、自分の守備範囲じゃないな(笑)」と思ったんですが、1回聴いてからはずっとウットリしています(でも今思えば大学時代に「ゴシック&ロリータバイブル」とか買ってた)。 ちなみに出会いは、私の奥さんが道重さゆみのバスツアーに行って知り合った仲でした。
  5. ostooandell - 君はまるでダンスしているみたいに (2010) 「オストアンデル」の『music』より。どんなバンドで、どんなライブをしていたのかも、何もかも知らず、この曲だけをひたすら聴き続けています。 曲のタグは「ゆるい女性ボーカル」、「4つ打ち」、「ローファイ」ってところなんですが、なぜか言葉にできない魅力を今でも感じます。
  6. 野宮真貴 - スウィート・ソウル・レビュー (2012) 『30 -Greatest Self Covers & More!!!-』より。DAISHI DANCEプロデュースによる、セルフカバーです。多幸感を抑えめにした、いいリミックスだと思います。 「シンデレラ」というテーマを決めて「最後にどう締めようか」と考えたとき、この歌詞でこの曲調というのは一気にハマった気がします。 「世の中にハッピーやラッキーが全然なくても あなたとなら嬉しくて 頬ずりしたくなるでしょ」という小西節が、少し悲しく聴こえたらミックスとしては成功しているのではないかと思います。
  7. O.S.T. - ラスト・シンデレラ (2013) 前から一度やってみたかった「OPとEDが同じ」というトリックです。 アイデア元を明かしてしまえば今年のサユミンランドール(宿命)ですけど、「道重さゆみが目覚めてまた眠りに着く」というのは、それだけで色々なアイデアを触発される、素晴らしいお題でした。つまりこのミックスは色々な意味で二次創作にあたります。ちなみにOSTがあまりに素晴らしいので、ドラマクラスタ(クラスタ、ってまだ使うのか?)の方からすると「しまった! チェックしてなかった!」とワクワクされると思うんですけど、基本的には女性モノのAVみたいなドラマなので別に見なくてもいいとは思います(笑)。

2017年12月発売。

ストリーミング

販売先

lyric

Yes,I know.

もてる限りの才能 すべて費やしてこんなものさ難しいね音楽は頭の中 まんま身体の中 乱れに乱れて まるでザンバラキーボード連打 無意識の奴隷だ 予測変換 駆使して詩を書く想像力の汽笛を待つ終発からだいぶ経った 始発まだ見えない乱れたダイヤ 何になれ何になれぬ? 独りなら神になれる夜は全て隠すが 朝が全て暴くさ 鏡は嫌だ 「やれるさまだ」

言ってるうちに鏡見たらこんなザマだ明かり照らすは 「オレ」と「ぼく」との落差夜は全て隠すが 朝が全て暴くさ悪い妄想ばっかり 使いきったハッタリあの珠玉の名文は 所詮切って貼った詩平行世界のアイツに一言いってから去ろう「お前が絶望した そのときまた会おう」

何になれ何になれぬ? 独りなら神になれる夜は全て隠すが 朝が全て暴くさ## ライナーノーツ『私、部屋、ブルース』から2年も経ってしまい、「何かやらないと!」という気持ちで作ったものです。アマチュア音楽家としては、一番よくあるタイプの制作物だと思います。

ただこの2年間ボーッとしていた訳ではなく、まずは最近明るみに出しましたが<絶対忘れるな>という5MC1DJユニットのトラックメイカー兼バックDJとして、色々と遊ばせてもらっています。私は途中参加のいわゆる「唯一の2期生」でして、ハロプロで言えば小田さくらのような感じです(笑)。

で、このクルーで活動している間に、「一人でしかできないことをやろう」という気持ちがどんどん大きくなっていき、年を越す前になんとか人前に出すことができた、って感じです。

「一人でしかできないこと」というのは、端的に言えば「日本語ラップとポリリズムの実践」であり、よりキャッチーに言えば「もしもKREVAやDrakeがポリリズムに踏み込んだら?」という、ドリフターズと同じ系統のものになります(だから笑われたとしてもそれは想定内。って言えば傷つかずに済みますかね・笑)。

この曲は6/8拍子のバースと3/4拍子のフックで構成されており、ふだん聴くヒップホップとは違った心地よさがあれば、と思います。慣れてくれば、ずっと6/8拍子(またはずっと3/4拍子)で踊ってみたり、いっそのこと4/4拍子に直して踊ってもいい感じです。

歌詞はかなり昔に書いたものなので、もう自分が書いたものには見えませんね(笑)。なんか恥ずかしいこと書いてるなー、って程度です。

そんな感じで今年はあといくつか曲を発表できればと思っています。スワローズの調子がよければたくさん作れそうな気がするので、差し支えなければスワローズともども応援をよろしくお願いいたします。


忘備録としてのエントリですが、他の人たちのこの種の記事はいつも楽しく読めるので、その一つになれば幸いです。

以降で書いていますが、すべてSpotifyで聴けます。youtubeなどは載せていません。順不同で紹介しています。

総括

これだけは書いておく義務がありますが、 「今年聴いた曲、あるいは今年聴いたものとして思い出せる曲」のすべてがSpotify経由であることです。ですのでSpotifyに登録されていない曲は、一切出てきません。

千円札を3枚にぎりしめてアルバムを購入していたあの頃と比べれば、これがあまりにも刹那的・快楽的な音楽鑑賞であることは疑いの余地がありません。とはいえ、これを悲しむべきなのかは自信がありません。

私はもうすぐ29歳ですが、小中学校あたりはちょうどWinnyそしてWinMX(もはや歴史の授業で出てきそうな単語たちよ!)、あるいはTorrentの全盛期でして、ちょっとした洋楽ならTSUTAYAで借りるよりネットで落とすほうが楽だったチルドレンです。

iPodとWinnyが合わさることで何が起こったかと言えば、「よくわからない音楽をとりあえず落としてiPodに放り込んでおく。そのままよく聴かずに、あるいは全曲のイントロだけ聴いてあとは放置する」という行動に違和感を感じなくなった、つまり音楽への所有感覚がかなり変わりました。ライブ(フェス)やヴァイナルに対する欲望(※)は、この結果です。

※個人的な所感としては、これはリスナー側だけでなくアーティスト側にもあります。たとえば最新作をカセットテープで出すような売り方は、マーケティングやイメージ戦略以上に、「自身(の音楽)の所有がどのように所有されるか」をコントロールしたい欲望のあらわれだと考えます。

そんな青春時代を送った自分にとって、Spotifyなどのようなストリーミングサービスは「お金を払っているWinny」のようなものだと思っていました。しかしどんなメディアにも異なる点はあり、Winny時代には「mp3というモノを所有」できていましたが、Spotify時代ではmp3すらなくなり、より純粋な「音楽」だけが残りました。

Spotifyには「保存」という機能があります。しかしこれは音楽自体をハードディスクに保存する訳でなく、自分が好きだと思った曲・覚えておきたい曲をマークする程度の意味しかありません。Spotify上で我々ができる最大限のリスペクトは、こうやって音源にツバをつけていくことだけです。

繰り返し、これは決して批判的な感想ではありません。ただしこういった態度が新しい種類の悲劇を産んだことは正しいでしょう。実際に私はPUNPEEの『MODERN TIMES』について、いまだに1円たりともお金を出していません。かといってmp3を所有することによる空虚な満足感すらも無く、Spotifyの「保存」ボタンを押して、ただ彼の音楽を聴いているだけなのです。


つまりは、そんな時代のマイベストが、どれだけ「マイ」の「ベスト」なのか、という不安についての話でした。とはいえ音楽自体は何も変わっていない。変わったのはその周りであり、試されるのはその環境下での私たちの態度、とくに私たちの記憶です。

というわけで以下は、出会ってしまったせいで「いつか忘れてしまうのではないか」と病的な気持ちを引き起こしてしまうような名曲たちです。

Little Gree Monster - 私らしく生きてみたい

いきなり2016年の楽曲ですが(笑)、2017年のアルバム『Joyful Monster』に収録されているのでカウントしました。私が飼っている「女としてのアタシ」にとっての名曲は、ずっと安室奈美恵「Baby, don’t cry」でした。これを更新しそうになったのが本作です。

2番のBメロ、「鏡で嫌なところ探して隠していても 自信もない不自然なだけ個性はチャームポイントにしなきゃ輝かない」というフレーズは、さんざん擦られているフレーズでありながら彼女たちが歌った瞬間に「そうよ!」と叫ばずにはいられないものだと思います。

2番のサビ後半の娘のボーカルも胸に突き刺さります。亀田誠治プロデュース。

PUNPEE - 2057

PUNPEEのデビューアルバム『MODERN TIMES』のオープニング。interludeですが、もしかしたらこのトラックを一番聴いている可能性があります。自分じゃ絶対に作れないもので、畏怖の念しか浮かんできません。冗談でもなんでもなく、「あの始まりの曲は〜」で毎回泣いています。

ゴスペラーズ - Fly me to the disco ball

ゴスペラーズがどれだけ良いアーティストなのか。もっと日本全体に知られるべきだ、と思ってから15年ぐらいが経つでしょうか。「日本の名曲を歌う」みたいなテーマで年に1枚アルバム出してるだけでもいい身分なのに、こうやってオリジナルを、しかも3連譜のディスコに挑戦するグループを、他に知っているなら教えてほしいぐらいです。

今年発売になった『Soul Renaissence』は、ファン以外の人にもオススメできるかというと微妙なところなのですが、シングル単位でいうと、 「Fly me to the disco ball」の他にも「暁」や「Deja Vu」という傑作があります。とくに「Deja Vu」は、これぞゴスペラーズ! って種類の作品で、いま中学生活を送っている冴えない男子に聴いてほしい一曲です。

Drake - Passionfruit

Drakeは私にとってのスタープレイヤーなのですが、相変わらず素晴らしい、というのがファンの声です。ラップ・ボーカルも流石ですが、ローファイなトラックにちょうど馴染むようミキシングされたボーカルが本当にすごいと思います。

DJ CHARI, DJ TATSUKI - ビッチと会う

「Spotifyで出会った」はじめての曲ということで。クレジットに関する知識は一切ありませんが、タイトルから曲調、リリック、その全てが噛み合っていると思います。でも来年には忘れてるだろうな(笑)。

MISIA - 来るぞスリリング

『MISIA SOUL JAZZ SESSION』とタイトルから連想されるワクワク感とガックリ感が半分ずつあると思いますが、その針はワクワク側におもいっきり振って問題ありません。不勉強ながらMISIAの曲はあまり知りませんが、いくつかの新曲とカバーをまとめた本作は全曲が素晴らしいです。

黒田卓也はJTNC経由で知りましたが、個人の作品をもっと追っかけようと決めました。

AKLO, JAY’ED - Ballin’ Out

今年いちばん聴いた可能性がある作品。両アーティストとBACKLOGICの3人のコラボミニアルバム『Sorry…come back later』より。帰宅途中はこの曲と「Be What You Are」ばかり流れていた気が。ポップスとしても聴けるところが本当に好きです。

BASI - Peppermint

『LOVEBUM』も悪くはありませんでしたが、個人的にはシングル限定(?)の本作のほうがフィット感があり、夏の休日はだいたいこれが流れてました。

Scoobie Do - MI.RA.I

不勉強ながらスクービードゥーの曲はあまり知りませんが、Spotifyがなんとなく繋いでくれたおかげで、こんないい曲に出会うことができました。本作が収録されている『CRACKLACK』もこれから聴きます。

sui sui dack - swim2

Spotifyと契約してなければ絶対に知ることがなかっただろう記念に。こういうロックのほうが私にとっては「踊れるロック」です。本作が収録されている『FEEL』もこれから聴きます。

BANANALEMON - I WANNA, I WANNA

ワザとらしい「ダサさ」に対する嗅覚は鋭いつもりでして、その鼻で断言しますが(鼻がしゃべるのか?)、この曲のダサさはピュアだと思います。で、それが本当に最高。この他の曲があまりよくない気がしますが、ひきつづき追っかけたくなります。

フィロソフィーのダンス - ニュー・アタラクシア

別名義の活動で一緒にやったことがまだ信じられませんが、そんな気持ちを更に増幅させたのが本作も収録されている『ザ・ファウンダー』です。「ダンス・ファウンダー」や「ライク・ア・ゾンビ」も最高なのですが、せっかくなら今後隠れそうな名曲を紹介しておきたい。

シティポップやファンク、ディスコを土台としているアイドルですが、そこにラテンをふりかけると彼女たちとの混ざり具合がよくなる気がしています。あとボーカリストとしての十束おとはさんのポテンシャルがずっと楽しみです。

ノーナ・リーヴス - Danger Lover feat. いつか(Charisma.com)

ノーナ・リーヴスほど「聴けば聴いたで最高だな!」というアーティストもいないと思います。どうしてもヒップホップばかり聴いているので、あまり触れるチャンスが少ないですが、Spotifyによって不意を突かれるかたちで名曲を流し込まれました。いつかは、キリンジにfeat.された『AIの逃避行』も是非。

JJJ - COWHOUSE feat. YOUNG JUJU

JJJがどういうラッパーか知らないのですが(KANDYTOWNの人でしたよねたしか)、『HIKARI』は佳作でした。その中でも本作はリズムへのアプローチが面白く、よく聴いていました。

このあたりのラッパーとフランクに接することができたのも今年のニュースだった気がします。話変わりますが、ISSUGIのアルバムもなかなかよかったです。「Time」とか。

KICK THE CAN CREW - 千%

29歳のラップ好きにとってこれは外せません。新作『KICK!』については別記事を書けていませんが、KREVAが久しぶりに「J-POPへの挑戦」みたいなところから離れて、実家に帰ってきたようなトラックとラップをやっているところが、完全にいい方向に出ていると思います。

KREVA - 想い出の向こう側

そんなKREVAのソロ作品『嘘と煩悩』から。これは拙記事でも取り上げています。本作はいちばん挑戦的な作品で、次のアルバムへの期待感を高めてくれるものです。

N.E.R.D - Kites feat. Kendric Lamar, M.I.A

今年いちばん衝撃を受けた曲は、まさかの12月末に聴きました。民族風のコーラスから始まったかと思えば、3連符(スウィングですね)でラップが入ってきて、この時点でかなりカッコいいんですが、そこからまさかの808ドラムでの倍速に切り替わり(裏では最初のビート感を残した上モノが鳴っている)、「うわーやべー!」って言っているうちに終わっていました。

N.E.R.Dって「ヒップホップかつロック」みたいなイメージがあり、これまではそれほど琴線に響かなかったのですが、この曲を機に過去曲で聴き逃したものがないかチェックしています。

コボリアキラ - 朝がすべて暴くさ

そんなわけで、最後は自分の曲を。2017年が終わる直前に配信開始しました。この記事のあとに広告記事を書きますが、バースでは8分の6拍子、フックでは4分の3拍子をラップする、というちょっとしたおもしろ曲です。たまにはこういう日本語ラップを聴くのも、精神衛生上いいと思います(笑)。