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11月11日。

別名義でいっしょに活動しているメンバの結婚式へ。齢28にして初めての結婚式。

披露宴のいいムードは、ひとえに新郎新婦のフィーリングが伝播したからだろう。締め前の友人挨拶で新郎側の友人が「彼はなんでも受け入れるところが長所である」と伝えていたが、全面的に賛成だ。おかげで自分も楽しく活動させてもらっている。

新婦はお色直しのドレスを自作していて、自分が想像するウエディングドレスと比べるとシンプルな出来だったが、それも含めて新婦らしいのだろう。「息を飲む美しさ」というのは、こういったものを指すのだと知った(もちろん和装も素晴らしかったです)。

この美しさがあらゆる場所で発生していることは、別のご夫婦の結婚式二次会(なんと初めての結婚式はダブルヘッダーだったのだ!)で思い知らされた。そろそろ2歳になる息子さんと先に泥酔した新郎の面倒を見る新婦を見て、女神と勘違いしたってそれほど真理から遠くないだろう。

こっちの式は子どもの多さが良い方向に働いていて、会場がとんでもない多幸感で包まれていた。「2次会中に発生するボケに対して新郎はいくつツッコミを入れられるか?」という企画があったのだが、どのボケもこの多幸感に割り込んで入るほどの強さはなく(先輩すみません・笑)、むしろこれがベタな結婚式かもしれない、という錯覚さえ生まれるほどだった。たとえば新郎ご両親が手を振る映像がGIF動画のような感じで30分以上流れていたが、見ようによっては感涙したっておかしくない映像に感じてしまった。

そのあと3,4次会まで参加してお開きに。久しぶりに驚くぐらい飲んだ気がするが、自然とイヤな酔い方はしなかった。最後に飲んだ魚民の青汁ハイとあの場にいた全員に感謝を。


11月12日。

別名義の活動で下北沢へ。のはずがいつもどおり高円寺に向かってしまい大遅刻をかます。ガッツリ怒られることを想定してスタジオAに入ったが、それよりもリハーサルをしないとということでサクッとリハを終える。あらためてすみませんでした。

その後ミーティングをやって恵比寿へ。本当は渋谷あたりで服を買おうと思っていたのだが、もはや渋谷にどんな服屋(とデパート)があるのか分からず、半ベソかきながらホームに戻ってきた具合だ。

恵比寿はデートスポットとしては素晴らしいのかもしれないが、「メンズファッションを気軽に手に入れる」という観点からすると無印良品とBEAMSまたはSHIPSしかない、という意外な弱点がある。しかしこんな自分を救ってくれたのが三越伊勢丹にあるURBAN RESERACHだ。ちょうど自分がほしいなと思っている服がだいたいある。

パタゴニアのベストも欲しかったが、それよりも使いやすそうなコーデュロイのジャケットを1着購入した。たぶん1年以上ぶりに服を買ったはず。最小サイズだが少し大きめで、よく見れば「フランス映画に出てくる俳優のような」、悪く見れば「MC中の内村光良のような」という感じ。どちらに転んでも嬉しいからまあいいや、と思うことに。

18歳まで服飾には一切の興味がなく、そこから20歳までの2年間で一気に服飾に目覚め(それまでジーンズ以外のパンツを知らなかった青年が、急に鷲田清一を読みながらヴィヴィアンのフリルシャツを着たりしていたんですから、まあ振り幅はデカいですよね)、そこから現在までは「いかにダサくなるか?」というのがずっとテーマだ。今日買ったコーデュロイのジャケットも、いい塩梅で「ダサく」なっていることを祈る。

あと今日はずっとPhony Pplを聴いていた。ホームページとかを見るかぎりだが、もしかして活動休止でもあったのだろうか。すごく良いグループなだけにもっと曲を聴きたい。

「Why iii love the moon」のMVも見たが、イントロ部分のボーカルがピアノをあて弾きするところが感動モノ。


11月5日、別人の活動で早稲田祭へ。 自身のライブもそれなりによかったと思うが、それ以上に楽しみだったのは**フィロソフィーのダンス**というアイドルグループだった。曲がとにかくよく、Juice=Juiceが手元から離れていく悲しさを埋めてくれた、といっても過言ではないだろう。

Spotifyで音源ばかり聴いていて顔も名前も知らなかったので、「実際に会うと、かわいくてビックリしました!」と思った、、、なんて間違いで、一番の感想は「控え室での歌声がビックリするぐらいキレイで驚いた」という。会っても会わなくても「声」にとにかくフォーカスがいった。

_コモンセンスバスターズ_は今年聴いた中でもかなりの傑作で、リーダーの奥津マリリさんのボーカルは本当に素晴らしい。久々に天才系の才能に出会った。サビ最後の「破っちゃてよ」のボーカルは、彼女しか歌えない音程だろう。極端に言えば、当日のライブもこのことしか思い出せない。

おそらく一般的な評価としては日向ハルさんのソウルフルなボーカルがフィーチャーされるはずで、自分も異論はない。ただ楽曲を聴くなかで驚くのは、十束おとは・佐藤まりあさん含めた4人のキャラがよく立っていることによる時間軸的なハーモニーだ(ゴスペラーズを「空間的なハーモニー」とすると)。

この日のハイライトは、機材トラブルがあったとはいえ、トリ曲だった アイム・アフター・タイム で間違いないだろう。。Luthor Vandross「Shine」を下敷きにしていることを差し引いてもグッとくる曲だった(上のようなことを書いている中でバツが悪いけど、この曲はメインボーカルは2人です・笑)

あと別に個人ブログなのでとくに書いても問題ないと思うけど、ライブ中のオタク達のパフォーマンスには久しぶりに辟易した。最初はマジで「ああ、別のアイドルグループのファンが奇声上げてジャマしてる。止めないと」と思ったぐらいで、最終的には右手でリスペクトを送りつつ、左手で中指を立てそうになった。

あなたが一番妄想を抱いている女の子が目の前にいるのだから仕方ないとは思うけど、手拍子は誰一人タイミングが合ってなかったし、彼女たちが歌い始めたらずっと叫んでるし。あれ誰も得しないから止めたほうがいいですよ。


11月6日。恵比寿ガーデンシネマで ロシュフォールの恋人たちを見る。ジャック・ドゥミとミシェル・ルグランの4作品特集のひとつなのだが、ギリギリ間に合った。まだDVDでも見たことがなかったが、大音量で聴くことができてよかった。

軽快な音楽とまったく進展のないストーリーで「これをフランス映画というのか、、、?」と思ったりもしたが、終わってみれば最高の映画だった。日本でもそろそろこういうドラマ(1時間のうち10分がミュージカルになってるやつとか)をやるんじゃないか、と直感。


11月8日。久々に「フリースタイルダンジョン」を観た。これほど心が動かない時間も珍しい。最後にR-指定がライブをしていたが、そろそろ全員の理解が追いついてもいい頃だと思う。 どう見たってNON STYLEでしょう。 でも仲が良いのはオードリーなんだよなー(笑)。


ブログ執筆からかなり遠ざかっていましたが、この1年間ほどはエンジニアとして楽しく過ごしていました。現在やっと「使えないエンジニア」レベルになったぐらいでして、業界の方々と普通に話ができるぐらいになってきました。

今回のWordpressは、自分でテンプレートから作成することにしました。これまでだとphpファイルとcssファイルを書いてFTPにアップロードしていましたが、今はgitを利用したバージョン管理、gulpを利用したタスク自動化(npmによるパッケージ管理も含みます)など、開発まわりの環境をちゃんと整えることができて満足しております。

たとえばテーマを変更してから今日までに2,3度改善してきましたが、バージョン管理をすることによって「今回はこの機能開発をやろう」となり、開発したあとはgulpコマンドを呼び出せば自動でFTPにアップロードまでされるため、大変簡単に運営できております。このあたり、少しずつブログにも投稿できれば。

音楽活動のほうはスッカリ止まってしまいました、、、に見えるのですが、実のところ最近は忙しくさせてもらってまして、とはいえこれは個人活動でなくグループ活動で、しかも偽名での活動を始めてしまったので、「いつバラせばいいのだろう、、、?」とか思っているうちにこんな時間が経ってしまいました(笑)。もう面倒くさいので一切明かさずにやってみようかしら、と思っています(ヒップホップ的には「a.k.a」でもいいんですけど、いわゆる別称でもないし、かといってスリム・シェイディみたいな別人格でもないし、自分でもさっぱり分からない人格を動かしている気分)。

ただできれば2018年には自身のアルバムをちゃんと配信できるようにしたいと思い、せこせこ作るようにしています。ポリリズムかつポップなラップアルバムになると思うので、よろしければチェックいただけると幸いです。


10月30日、 内村文化祭 を見に草月ホールへ。

「あ、ウッチャンが目の前にいる」と思っている間に全てが終わってしまいましたが、「内村光良がやりたいことをやる」というテーマの通り、「やりたいことをやるウッチャン」と「やりたいことをやるウッチャンを見ていたい人たち」という関係性の中で、幸せなだけの時間が延々と続いていました。悪い言い方になってしまいますが、面白かったかどうかはどうでもよくて、あの場には「愛」だけがあったような気がします。

それからまた『内村さまぁ〜ず』を繰り返し見ていますが、いまだにあの光景が本物だったのか、ちょっと信じられないぐらいです(ちなみに言うと、入場するときにさまぁ〜ず大竹とも遭遇してしまい、半分意識を失いかけながら入場したことは覚えています)。また来年もやりたいそうなので、とりあえず来年もチケットを確保するようにしないと。


**★twitterまたはこの記事コメントでの予約を承っています!

みなさまにとっては入場料がすこし安くなりますし(「こんな割引じゃ足りない」って言うなら、アルコールでお釣りを返すまでです)、やる側としては安心した気持ちでパーティができますので、ぜひ予約いただけると助かります。

■2017年4月20日 木曜日 w-inds.特集DJパーティー ジャイアンナイトpresents 「ウインズナイト」 ●会場: 下北沢 ろくでもない夜> ●時間: OPEN 18:30 START 19:00 (21:30終了予定) ●出演: パフォーマー・ダンサー 笑笑子 ゲストダンサー mika
MAHIRO DJ ジャイトラ ゲストDJ コボリアキラ(http://koboriakira.com/) ●チケット: 前売 2000円
メール予約 2300円 当日 2500円 (1ドリンク代別) ☆★プレイガイド近日発売予定★☆ <お得な割引> ★ジャイアン名物 【ウインズ割】
3人1組でご来場された方は3名5000円でご入場頂けます (メール予約のみ。ウインズ割希望とメール予約の際に明記してください。ドリンク代金は別途。)
※DJイベントになります。アーティストの出演はありません。ご了承ください ※出演者や内容は都合により変更となる場合があります あらかじめご了承下さい
※ご質問等はメール予約先へお気軽にご連絡ください —————————— 【チケットメール予約先】 sasuke.yoyaku@gmail.com
件名に「0420ウインズ」 本文に「名前・枚数」を記入して送信して下さい ※当日受付でお名前を告げるとメール予約料金でご入場頂けます
—————————— 【会場アクセス】 下北沢 ろくでもない夜 東京都世田谷区北沢2丁目6-5 ルイビル3F (LIVEHOUSE下北沢屋根裏跡地)
03-6804-9567 ——————————

数学の問題をつくる仕事からプログラムを書く仕事に転職しまして、以前のようなペースでブログを書くこともなくなり、代わりに技術書を毎日のように読み漁る生活を送っています。

そんななか、不思議な縁がありまして(友人の益若つばめさん経由で)、w-inds.特集DJイベントに呼んでいただきました。

過去には「w-inds.概論―w-inds.の最近の変化を5,000字で」なんて記事も書いたりするぐらいにはw-inds.が好きだったので(遅咲きの、「HYBRID DREAM」から合流した派です。自分ぐらいか・笑)、なんというか、「まあ俺がやらないとな」という気持ち半分、「ただのファンなのにDJやらせてもらってありがとうございます、、、」という気持ち半分です。

久々のw-inds.オンリーDJなので、「最近w-inds.がカッコいい、って聞いて追い始めました〜」様から、「こちとら『Try Your Emotion』の頃から追ってるわ!」様まで、全員巻き込めるような内容でやろうと思います。あまりデカいことは言わないタイプですが、多分ワタシにしか出来ないタイプのDJになると思います今回。

以前には、w-inds.の大ファンである友人2人(彼女たちはその後、Da-iCEのガチヲタ、モー娘。のガチヲタへと進化を遂げています。よくわからないけれど、めちゃくちゃ楽しそうに生きてるのだけは伝わってくる。私なんて、週に一度の『水曜日のダウンタウン』ぐらいしか楽しみがないです)と一緒に「w-inds.BAR」というイベントを仕掛けたりもしまして、これがまあまあ盛り上がりました。

個人的には、「w-inds.BAR」以上にやる側もお客さん側も楽しかったイベントはまだありません。今でもときどき思い出しますが、なんであんなにバイタリティがあったのかも謎です(笑)。あのときは「絶対にw-inds.はクラブで聴くべきだ。そうしないと分からないことが沢山ある」という使命感で行動していたからですかね。

で、今回は自分も大人になりましたので(笑)、孤軍奮闘しているような気持ちではなく(いまはKREVAのことを考えるときこの気持ちになります)、同じファンとして「いい曲多いですよね。せっかくならいろいろ流して遊びましょ〜」ぐらいの余裕さでやるような気がしています。

とはいえ技術とセンスは磨き続けておりました故、「今回が一番アツかった!」と言われるよう頑張りたいと思います。予約の上限もあるそうなので(66人)、もしよろしければ「コボリのDJで飲むために予約した」ぐらい書いてメールいただけると、運営の方も安心して私にDJをさせてくれるかと思います(笑)。まずは『INVISIBLE』の発売が待ち遠しいですね〜。(※追記。『INVISIBLE』、とんでもない良作でした。そろそろ周りが勘付いた頃、って感じですよね。)


久しぶりの更新になります。昨年秋あたりからエンジニアとして働いているのですが、プログラミングが楽しすぎて、エッセイ用のキーパンチを忘れていました。

今日はそのうちの一つである「SKY-HI」というラッパーについて、すこし考察を進めてみます。

先にお断りしたいのは、まだ自分も(現時点でさえ)しっかりとした結論を持っている訳ではありません。むしろ書きながら思考を整理しようと思っています。

とはいえ、巷で読めるような「このときの歌詞はどんな気持ちで書いたんですか?」みたいな記事とは部類が異なるはずなので、楽しんでもらえれば。

ライティングスキルがガッツリ減ってしまったので、読みにくさはご容赦ください!(笑)

SKY-HIとは

さきにSKY-HIの経歴をザッと追ってみます。 SKY-HI a.k.a 日高光啓は、3年前の2013年にデビュー。現在2枚のフルアルバムをリリースしています。直近では「クロノグラフ」を5月にリリース。7月末には「ナナイロホリデー」のリリースも告知されています。

3ヶ月に1度リリースしていれば十分な音楽シーンで、こんなペースで作品を出せるのは売れている証拠です。しかも、その中でも勢いのかなり強いほうです。本人のモチベーションも高いでしょうし、きっと現在が一番充実している時期かもしれません。

また、デビュー前からアンオフィシャルに近い活動もしていまして、実はデビュー前から既に『FLOATIN’ LAB』というアルバムを出してもいます。コボリ自身がSKY-HIを知ったのもこの頃でした。下の動画は、KEN THE 390にfeat.された「What’s Generation」です。 (※ファンの方には申し訳ないんですが、このときはほとんど興味ありませんでした。RAU DEFのラップに興味があったんですよね。)

上の音源を聴いてもらればわかりますが、この頃からラップスキルは高いです。とくに1つのバースの中で起承転結させるのが上手ですよね。

あと、「それを最初に言うべきでは?」 って言われるかもしれませんが、 AAAというアイドルグループの一員でもあります。が、個人的にはこれは末尾に付け加えるぐらいの重要度の情報です。

「愛ブルーム」からはじめよう

それで、本来であれば最新アルバム『カタルシス』のレビューをして、「ここが凄いんだ!」とか紹介すべきなんでしょうが、あまりにタイミングが遅くなりすぎましたし、そもそも**『カタルシス』を語る前に「愛ブルーム」のことすら誰も語っていないんじゃないかと思ったので、このエントリでは「愛ブルーム」だけを取り扱います!**(なんて時代の遅いブログだ! いいぞそれが個人ブログだ!笑)

というのも以前、「[【レビュー,批評】11,000字のKREVA論〜ラップの<ノイズ>と<啓蒙>](http://koboriakira.com/2015/06/26/1152/)」というエントリを書いたことがあるんですが、今回のエントリもKREVA論と同じような動機で書いています。

すなわち、 「ラップの技術について、語れることは語ってみようよ」 ということです。 んで、「愛ブルーム」はSKY-HIの作品の中でも彼らしさがよく出ていると思ったので、取り上げることにしました。

フロウ・ダイアグラムとは?

ここから「愛ブルーム」のラップを分析していきますが、分析ツールとしてラップのリズムを楽譜のように表す記法術―― 「フロウ・ダイアグラム」――を利用します(説明は後述)。 SKY-HIはフロウ・ダイアグラムを使ってラップを作っている訳ではありません。ボールペンでレシート裏にリリックを書きつけるような(笑)、もっと自然にフロウ・ライムを着想しているはずです。つまりは、分析する側は製作者の倍ぐらい時間かけて見ていく必要があるんだ、ってことです。

というわけで、「愛ブルーム」の楽曲、歌詞、フロウ・ダイアグラムを早速見てみましょう。サビをのぞいた、ラップ部分だけをどうぞ。歌詞はこちらで。

2476 1

2476 2

一見してもよくわからないと思いますが、それが普通です。さらに、これから説明はしますが、わからない人も続出するはずです。説明足らずがたくさんあって申し訳ないですが、感覚でつかんでください(笑)。

フロウ・ダイアグラムの読み方

  1. 上にある「1,2,3,4」の数は拍を表しています。フロウ・ダイアグラムは、歌詞を拍に合うように配置する方法です。簡単にいえば、カラオケのテロップの詳しいバージョンです。曲に合わせて手拍子をしてみると、ちょうど歌詞が一致しませんか?
  2. 左にある数は小節を表しています。1行で1小節ですね。わからない人は無視しても問題ありません。
  3. 韻を踏んでいる箇所には、同じ色でハイライトしました。色の選び方は適当ですが、真っ赤なやつだけは「個人的に韻だと感じる」用に使いました。
  4. 3連符になっているところは枠でかこっています。「3連符って何?」って人は、これも無視しちゃってください。

というわけで、このダイアグラムだけでも「おー! こうなってるのか! 凄い!」という方から **「余計に混乱してきた」**という方まで、様々だと思います(笑)。

何度も書きますが、今回は説明足らずの箇所がたくさんあります。振り落とされそうな方は頑張って音源と表を何度も見比べてください!(笑)

SKY-HIラップの特徴

このフロウ・ダイアグラムからSKY-HIのラップの特徴を考えてみます。2つほど提示してみましょう。

  1. 3連符の利用
  2. 「教科書」以降のライミング

(1)3連符の利用

他のラッパーに比べて、3連符をガンガン使ってくる印象があります。それでもクドく感じないのは、3連符と4連符(16ビート)をうまく絡ませるのが上手だからでしょうか。

たとえば、VERSE1の「心配なら要らない最高のひとつ上をプレゼント」に感心したんですが、「最高」の“さ”と「プレゼント」の“ゼント”は、言葉を置く位置が微妙に異なっています。具体的には、“さ”は3連符上に配置されているのに大して、“ゼント”は16ビートの裏を喰うように配置されていますね(何度も書いていますが、今回はかなりマニアックに書いているんで、脱落しても仕方ないです・笑。次回エントリでもう少し簡単な説明を試みます)。

VERSE2の「振り落とされないようにしがみつく僕にウインク」の箇所も、普通だったらずっと3連符でいきそうなんですが、途中で16ビートに戻していますよね。

さらに「愛ブルーム」では、VERSE1のラスト「宝探し」の箇所だけですが、半拍を3分割したフロウもよくやる印象があります。SKY-HIのラップが高速に感じるとすれば、この3連符が効いてるはずです。

ちなみに、コボリはラップのカラオケ動画を観るのが好きで(笑)、「愛ブルーム」のカラオケ動画も当然全て見ました。「愛ブルーム」のラップはかなり大変だと踏んでいたんですが、予想以上にみんな上手でビックリしました。そりゃあKREVAも「基準」を上げる訳だ。

(2)「教科書」以降のライミング

「教科書」というのは、ほぼ自分の造語です。前述のKREVA論に由来しています。

KREVAの韻の踏み方(母音も場所も完全に一致させるような韻)をベーシックとすると、SKY-HIはベーシックでありつつも変化を加えるタイプです。すこし言葉を変えてみたり、踏む場所を変えてみたり、リズムに変化を与えてみたり。

たとえば、VERSE1の「ス カートに 」、「火 遊び 」、「 ハードに 」を同じリズムで踏みつつ、その間に「 段取り」、「 ハンドリング 」と違ったリズムを入れています。 VERSE2の「 ジェラシー 」と「 フェイバリット」も、母音を一致させつつ、リズムを変えることで面白さが出てます。 その他では、他のラッパーと比べて頭韻を積極的に利用してくるような印象もありました。

歌い出しの「 アスフ ァルト」と「 バグだ らけ」もそうですし、何度も聴いていると、VERSE2の「 花が 色を増す」と「枯らさ ないように」もフィットしてます。

全体的には、KREVAだったら少し躊躇しそうなところをSKY-HIはできるかぎり工夫しようとしている感じです。ここらへんはよくある話で、「昔はテクニックをバリバリ出していたけど、いまは良いメロディを素直に弾くだけッス」 みたいな(笑)、そういう類の方針決めの問題ですね。

実際に音源でも比較をしたいが。。。

というわけで、このエントリを開いた方の1割でも、ここまで読んでいただけていればガッツポーズです。どうでしょうか。。。?(笑)

自分でも書いていて思ったんですが、やっぱりここは文章だとサッパリ伝わらないことが多いですよね。 ですので、 後編では実際にSKY-HIのラップを自分で真似しまして(笑)、さらに特徴的な箇所を「普通だったらこうやる」とか「こういうフロウもあった」みたいなことを音源で説明してみようと思います。

上手くいったら拍手喝采。最悪の場合、「偉そうなことを書いといて、そもそもラップ下手じゃねえか!」ってディスられることも有り得ます(笑・一応ラッパーなんですこれでも。最新作はこちらから)。

とはいえ、先に『フリースタイルダンジョン』の話を書きたいので、すこしばかりお時間をください。その間、フロウ・ダイアグラムをじっくり見つつラップを真似するだけでも、それぞれ気づくことがあるかと思います。それでは。


1月31日(日)に行われた「ろくでなし☆J-POP vol.37」のときにDJの振り返り。

プレイリスト

1回目

  1. あの日の雨と今日の雨 - Something ELse
  2. リップ・サーヴィス - [Pizzicato Five](/tags/Pizzicato Five)
  3. 恋のクロスフェーダー - LITTLE
  4. WONDER WHEEL - サイプレス上野とロベルト吉野
  5. SUPA DUPA EMCEE - GAGLE
  6. Uncommon Unremix - DCPRG Feat. SIMI LAB
  7. 笑うな - 在日ファンク
  8. LOVE SPACE - 山下達郎
  9. アンドロメダ - aiko
  10. 門限やぶり - ケツメイシ
  11. ミッドナイト・ロンリー・ビーチサイド・バンド - 少年隊
  12. TAWAWAヒットパレード - 久保田利伸
  13. Neva Orbit3 feat. ZEEBRA (DJ SHINZI MUSHUP) - m-flo
  14. orbit-3 - m-flo
  15. 愛の言霊(ことだま)~Spiritual Message - Southern All Stars
  16. 丸の内サディスティック - 椎名林檎
  17. SUN - 星野源
  18. CHE.R.RY - YUI
  19. Hey Hey おおきに毎度あり - SMAP
  20. Com’on! Be My Girl! - DA PUMP

オープンのDJ。人もまだ入っていないので、変にアゲアゲにならないように注意した覚えがある。それさえ気を使えば、あとは好きな曲を好きなように繋ぐだけ。 1曲目のサムエル 「あの日の雨と今日の雨」 は、冨田ラボがプロデュースを手がけた名曲です。

そのあとはヒップホップからファンクを経由してポップスに、という感じです。ポップスに着地したのは、最後のほうでお客さんが少し入ってきてくれたからです。

「丸の内サディスティック」から一気に「ろくでなし☆J-POP」感を取り戻していく のが面白いですよね(笑)。

SIMILABの有名曲「Uncommon」をDCPRGがリミックスした **「Uncommon Unremix」**は、必ず一度は「これなんですか!?」と聴かれるタイプの曲。ポリがかっているけれど4拍子がかなり強く出ているので、クラブで流しても違和感はないはず。ヒップホップ×生演奏なので、在日ファンクのようなアーティストにもスムーズに繋げられます。

「ミッドナイト・ロンリー・ビーチサイド・バンド」は、少年隊の素晴らしい楽曲たちのなかでもピカイチだと思います。シティ・ポップの流行は一段落したと思いますけど、こういうグルーブは流行とは関係なく最高です。で、このビートなら絶対に「TAWAWAヒットパレード」 じゃないですか!?(笑) 星野源の 「SUN」 は、クラブで流してこそ気持ちいい曲でした。明るい「Rock With You」というか、まあ本当にいい曲(笑)。「Work Song」もかけたかったんですけど、下のバーフロアで流れていたので諦めました(笑)。

2回目

  1. ボーイフレンド - aiko
  2. 1/2 - 川本真琴
  3. ゴーイング my 上へ - SURFACE
  4. シークレットシークレット - Perfume
  5. come again…and AGAIN! - m-flo
  6. 私以外私じゃないの - ゲスの極み乙女。
  7. きらきら武士 - レキシ Feat. Deyonna
  8. アイデンティティ - サカナクション
  9. 銀河 - フジファブリック
  10. Yellow Yellow Happy - ポケットビスケッツ
  11. ビタミンドロップ - Perfume

2回目は、双子のラッパーが主催するヒップホップバンドP.O.Pの素晴らしいライブの、すぐあとにDJをやりました。メインフロアはこれで閉まるので(バーフロアはもうすこし続く)、盛り上がり足りない人に満足してもらうことを第一に。

その前に、P.O.Pのコレが本当に素晴らしかったです。 テーマといい、曲調といい、発想といい、構成といい、すべてがとにかく好き!(これが3000PVだなんて信じらんない。かるく見積もって、そうだなー、68億PVぐらいあって然るべきです)

ライブがハッピーなムードで終わったので、その多幸感を引き継げて、かつみんなが知ってて、できれば女子が打たれるようなやつで、生演奏で、4つ打ちっぽくて…。と考えたら、私はaikoの**「ボーイフレンド」** を選んだのですが、みなさんはどうですか? あと、川本真琴の **「1/2」**はまだ狩野英孝との事件が起こる前なので、先見性がすこしあっただけです(笑)。

そのあとのSURFACEが少しウケず(笑・いい曲ですよ)、ためしにPerfumeに戻してみたら大当たり。そのままクラブ系つながりでm-floのクラシック**「come again」** に繋いだわけですが、ここでそろそろ終了時間になったので、どうしても流したかったゲスの極み乙女にチェンジ。意外にも、今回のイベントでゲスをかけたのは自分だけでした。

ゲスで終わりにしようかなと思ったんですが、まだクローズではないようだし、人もたくさん残ってくれていたので、ここからは延長戦。いわゆる「フェス系」というんでしょうか、踊れるロックをピックアップしながらポケビまで進み、大団円。

それでもまだ人が残ってくれていたので(笑)、私のフェイバリットでもある 「ビタミンドロップ」 をかけて終わりに。

感想

これまでPCのみでDJをしていたんですが、MIDIコントローラーの使用を試してみました。LaunchControlとOrbit(NUMARK)です。LaunchControlは、再生/キューとかEQとかを調整するぐらい。Orbitはサンプルネタを出す用に。

で、このOribtから出すサンプルが意外と気づかれず。ホーンを出しまくったんですけど、わかりづらかったみたいです。これは次の反省点。MIDIコンを扱うと稚拙なミスは減ったので、今後もこれを基本にしていこうと決めました。カスタマイズの余地もまだまだありますし。

ちなみに、 **「銀河」**を流すアイデアは、イベントにはじめて来てくれたお客さんとの会話のなかから生まれました。やっぱりイベント中の交流は大事ですね。私は有名DJでもないし、そういうリサーチをしてフロアの雰囲気を掴んでおくべきだな、と思いました。これまでも「あ、この曲はヒットするんだ」みたいなのは考えていましたけど、実際に聞いちゃうって作戦もアリですよね。今後より積極的にやります。