koboriakira.com

感想

家庭料理というのは、中華、フランス料理と並ぶものであって、上でもないし、下でもない、一つのジャンル、プロの技なんだということを語れたことが何よりも良かった

上の台詞は、小林カツ代が雑誌の取材で語ったものだ。

『料理の鉄人』で、鉄人の陳建一に勝った小林カツ代の肩書きは「料理研究家」。自分はただの主婦ではなく、家庭料理を教えるプロだという自負があった。


本書は、有名な料理研究家の歴史研究から、当時の女性の生き方を分析したものだ。新しい視点からのアプローチだと思う。

初めての試みだからか、ときおり話が錯綜気味になり、最後の筆者の主張がよくわからなかったのはすこし残念だった(というか、歴史を追いながら感想が途切れ途切れ書いてある、という印象だった)。

しかし、料理研究家を一本の線にまとめようとしたことはとても凄いと思う。それで、私ならもうちょっと違う言葉でまとめるだろうな、とも感じた。

以下、本書を参考にしながら、私なりに料理研究家の歴史をまとめてみたいと思う。

考察、レビュー:料理研究家の「遠さ/近さ」

本書では、幾人もの料理研究家を2つの観点から分けてマッピングしていた。ひとつは「ハレの料理/ケの料理」、もうひとつは「本格派/創作派」だ。

私は、これにもうひとつ視点を持ち込んで、大きなくくりでまとめてみたいと思う。それは「遠さ/近さ」という、料理研究家に向ける憧れの度合いのようなもので、現状に満たされない気持ちが関連するものだ。

この「遠さ」は、どんな料理を作るに関係なく、生まれるところには生まれる。この観点も入れて、主要な料理研究家の歴史をたどってみたい。

「遠い」江上トミ

1950年代に始まったテレビ放送。 初期の料理番組(以下、料理本も含む)は、まず「料理に手をかけたい」という主婦の欲望からスタートする。

この頃に活躍した江上トミらは、普通の主婦では到底できない料理(西洋料理)を教えていた。主婦からすれば、彼女たちは憧れの存在であっただろう。

この「遠さ」が求められた背景には、主婦という存在が生まれたことが関わっている。

金銭に価値が重く置かれるようになってきたこの時代、主婦という存在は「お金を稼げる」という存在価値を持たずに生まれた。その分、どこかに価値を見出さずにはいられない。それが家事であり、まず料理だったのだ。

つまり、現状の主婦像について満たされない気持ちが強かった彼女たちに、生きがいやロールモデルを与えようとしたのが、この頃の料理研究家なのだ。

「近い」小林カツ代

男女雇用機会均等法も定まった80年代後半。 主婦の状況は大きく変わった。パートを含め、主婦も働くことが一般的になったからだ。

お金も稼ぎつつ家事も完璧に、いう無理ゲーをこなさいといけなかった主婦にとって、何より心強かったのは小林カツ代のような「近い」料理研究家だ。

この「近さ」は、憧れのようなものではなく、もっと共感性の高い存在といえば伝わるだろうか。「現状に対する満たされない気持ち」というより、「現状に対する危機感、ストレス」みたいなものだと推測する。これを解消してくれる存在が必要だった。

こういった「近さ」は、従来の料理研究家にはなかった。城戸崎愛は、たしかに料理初心者に優しく教えるプロであったが、それは彼女側に近づくための方法だ。一方で小林カツ代は、自身を主婦が目指すべき正解像にはしていない。というか、正解像とは捉えられなかった。小林カツ代は、主婦にとって憧れのモデルでこそなかったが、一緒になってダイエットを応援してくれるような、そんな位置にいたと思える。

そして、そんな「遠い」や「近い」という対の感覚を止揚したのが、栗原はるみだ。

「近くて遠い」栗原はるみ

小林カツ代のあとに大きなブームを呼んだのが、栗原はるみだ。92年に発刊された 『ごちそうさまが、ききたくて。』は、100万部の超えるベストセラーになった。

彼女の特徴は、料理だけでなく、皿選びから家庭のあり方、なんなら料理本のタイトルの句読点まで。いわゆる「ライフスタイル」を主婦に見せつけた点だ(※1)。

料理はなるほど、簡単につくれて、それなりにオシャレである。しかし、料理だけでは足りない何かが、栗原はるみの料理番組にはある。

料理はマネできようとも、その暮らしぶりまではマネできないのだ。そんな彼女のライフスタイルに、主婦は憧れた。近いように見えて、実ははるか遠くにいる存在。それが栗原はるみであり、この「近くて遠い」という感覚こそが「カリスマ主婦」と呼ばれた理由だろう。

感想

以上のように、料理の種類と憧れから生まれる「近さ/遠さ」から、料理研究家をザックリとまとめてみた。

もちろん、何かの歴史を1つの線にまとめるのはそもそも不可能であり、溢れ出す具体例も存在する。とはいえ、わりかし間違ってもいないような気がしている。

ネット発の料理研究家や「キャラ弁」についてもアレコレ考えていたのだが、それはまた別の機会に。

※1: コボリは栗原はるみのファンなので補足したいが、これは我々の世代がすぐに勘ぐるような「マウンティング」ではない。と信じている

目次

  1. 憧れの外国料理
    1. 高度成長期の西洋料理――江上トミ、飯田深雪
    2. 一九八〇年代のファンシーな料理――
    3. 平成のセレブ料理研究家――有元葉子
  2. 小林カツ代の革命
    1. 女性作家の時短料理術
    2. 小林カツ代と「女性の時代」
    3. カツ代レシピを解読する
    4. 息子、ケンタロウの登場
  3. カリスマの栗原はるみ
    1. 平成共働き時代
    2. はるみレシピの魅力
    3. あえて名乗る「主婦」
    4. 最後の主婦論争
  4. 和食始動の系譜
    1. 昭和のおふくろの味
    2. 辰巳芳子の存在感――辰巳浜子、辰巳芳子
  5. 平成「男子」の料理研究家――ケンタロウ、栗原心平、コウケンテツ

読んでみたい参考文献

上野千鶴子『家父長制と資本制 マルクス主義フェミニズムの地平』(岩波書店)


10 ways to fix or enhance the treble in your mix |MusicRadar」から。

英語は得意ではないのでメチャクチャな翻訳になっていますが、うるせぇ。それでも多少のハウツーは得られるはずです。

イコライザー以外で高音域を操れるようになってくると、ちょっといい感じそうですよね。自分はヒップホップ畑なので、「低音過多」みたいなことがよく起こるので、いくらか参考にしてみたいと思います。

サチュレーションを使ったエンハンスメント

Saturation and its accompanying harmonic distortions can add brightness
through the introduction of treble frequencies. Often based on emulations of
analogue circuits, different designs generate differing amounts and types of
harmonics (odd and/or even). For maximum flexibility, find a plugin that can
deliver different types of harmonics.
サチュレーションあるいはそれに付随するハーモニック・ディストーションは、高音域の導入によってきらびやかさを追加することができます。アナログ回路のエミュレートに基づいて、それぞれのデザインがそれぞれの量や種類の倍音を生み出します。柔軟に対応できるよう、異なった種類の倍音を出せるプラグインを見つけましょう。

倍音で高音域を増やす作戦。アナログを通したりするのもこれですね。

テープ・エミュレーターで滑らかにする

Tape machine simulations can both enhance and curtail high frequencies, and
this is primarily down to the tape type and speed. Find a tape simulation
with a vintage tape option, or even specific tape types (formulations like
Ampex 456 or Scotch 226 are ideal). Set the tape to a slow speed like 15ips
or even 7.5ips, and try over-biasing the signal. Remember, tape is
inherently non-linear, so this technique may affect other frequencies as
well.
テープマシーンは高音域を強調したりも抑えたりもでき、主にテープの種類や速さによります。15ipsあるいは7.5ipsぐらいのスピードに設定して、音を歪ませてみてください。テープは本質的に非線形(?)なので、このテクニックは他の音域にも同様に影響を与えるかもしれません。

Roundtone VST - Tape emulation」あたりで、この効果は確認できるかもしれません。

イコライザーで高音域をブーストする

Here we’re going to look at how treble changes with different EQ shapes.
We’ll show you how three varied options help us achieve different outcomes.
異なったイコライザーの形(EQの種類)でどのように高音域が変わるかを見ていきましょう。3種類のオプションでどのように異なった結果を得られるかをお見せします。

詳しくは元記事で。画像で充分にわかります。

高音のデッパリをカットする(ノッチング)

[…] of course, we can also use carefully placed cuts to precisely remove
problem treble frequencies. In the past, we would often have to do this
solely by ear, but the abundance of quality analysis tools and super-precise
EQs makes the process much easier.
もちろん、高音域にある問題を緻密に取り除くためにある音域をカットすることもできます。私達はしばしば耳に頼らざるを得ませんでしたが、良質のアナライザーや正確なイコライザーによって簡単になってきました。

これもよくやる手法ですよね。スペクトラムアナライザーがあるから、視覚的に操作することができます。

ビットクラッシャーで高音のザラザラ感を追加する

Unfiltered sample rate reduction introduces very audible aliasing errors,
and while these frequencies are not strictly musical or harmonic, they’re
great for adding bite and crunch wherever an unnatural touch is acceptable -
percussive sounds work especially well.
フィルターのかかってない(?)サンプリングレートの減少は、可聴のエイリアシングなエラー(周波数のギザギザ)を招きます。これらの周波数が厳密に音楽的または倍音でない間は、不自然な感触が容認できるならいつでもその周波数はビットやクランチの追加は素晴らしいことです――パーカッシブな音は特によくなります。

ドラム系にかける、ってのがキモですよね。

ダイナミクスで高音域をコントロールする

We can use frequency-conscious dynamics as an alternative way to remove
harshness. This type of processor, often associated with de-essing, responds
to the incoming signal level, compressing in response to a specific band of
frequencies. This differs from EQ in that the process is level-dependent,
reducing the signal only as needed.
とげとげしさを取り除く代わりの方法として、周波数重視のダイナミクスを使うこともできます。この種類のプロセッサーは、しばしばディエッサーに関連して、入ってくる信号の大きさに反応し、明確な音域に反応してコンプレッシングします。これはプロセスが大きさに依存するイコライザーとは異なり、必要に応じて信号を減らします。

マルチバンドコンプのことを言ってるんだと思います。イコライザーだと、必要な高音域も削ってしまうことになるので、不要になるタイミングに合わせるのがこれ。

エフェクト前/後のイコライザーでディストーションを滑らかにする

Some effects - distortion, for example - can bring out unwanted side
effects. We can compensate for them using pre and post EQ.
ある種のエフェクト――ディストーションなど――は、望まない副作用も持ち込みます。エフェクトの前と後にイコライザーを挿すことで、これらを直すことができます。

これは初耳。方法としては、ディストーションによって持ち上がってしまう音域(ギターの例では2kHz)をノッチでガッツリと下げる。そして、ディストーションをかける訳だが、その後に同じ音域を持ち上げてあげる。エフェクトに通したくない音域があるときに使うテクニックですね。勉強になります。

並行してエンハンサーを使う

We spend so much time removing any unwanted high frequencies that it can be
easy to overlook the advantages of adding them. This technique can sound
unpleasant when overdone, but when used correctly, it can be a lifesaver for
dull, lacklustre sounds.
私たちは望まない高音域を取り除くことに時間をかげすぎているので、高音域の追加の利点を簡単に見逃してしまっています。このテクニックはやりすぎると不愉快に聴こえますが、正しく用いればくすんだ元気のない音を救ってくれます。

高音域だけにエンハンサーをかける、ということでしょうか。 「Audiffex STA Enhancer」というフリーソフトがおすすめされています。ダウンロード先が見つからない…。

滑らかにするトランジェント

If you don’t fancy using EQ or a tape simulator to tame unpleasant high
frequencies, try thinking outside the box. For example, an enveloper or
transient shaper, in addition to enhancing transients, can also soften them.
On transient-heavy sounds such as drums, these transients can carry lots of
high-frequency energy, and softening them can reduce the overall high-
frequency edginess of a mix.
もしあなたが不愉快な高音域をなだめるためにイコライザーやテープシミュレーターを使うことを考えないとしたら、箱の外側を考えてみてください。たとえば、エンベロープやトランジェント(過渡電流)・シェイパーは、トランジェントの強調に加えて、これらを和らげることもできます。ドラムのようなトランジェント・ヘビーな音で、これらのトランジェントは多くの高音域のエネルギーを生み出し、和らげることはミックスの高音域のエッジ全体を減らすことができます。

“transient”の意味がちょっと分からず、意味不明な訳になってしまいましたが、とりあえずtransient shaperを使え、ってことでしょうか。

transient shaperはアタック感の処理ツールですが、当然ながら高音域の処理にもなりますね。「Free Transient Shaper VST Plugins!」のソフトで確かめてみようか。

ホワイトノイズをレイヤーに載せる

Noise has been an important part of synthesis for decades, and its wideband
sound played an important role in adding bite to early synthesised drums.
White noise’s flat spectral density across the 20Hz to 20kHz range means it
sounds brighter than other noise types, like pink and brown, which curtail
high frequencies in line with our hearing. This means that white noise can
be ideal for adding extra top end.
ノイズは数十年間にわたってシンセサイザーの重要な要素です。そして、その広帯音域の音は初期のシンセサイザー・ドラムにビット感を追加するのに重要な役割を演じています。ホワイトノイズのフラットな周波数の密度は20Hzから20kHzの幅にわたっていて、他の種類のノイズに比べて明るく聞こえます。これは、ホワイトノイズがトップエンドを追加するために申し分の無いものだということです。

これが「なるほど!」って感じで、翻訳してみたくなったキッカケでもあります。

たしかに、シンセのプリセットにホワイトノイズ使っているものもありますもんね。あと、fx系とかも。


※最新の感想はこちら。

NHKが『爆笑オンエアバトル』が終わってから、ついに若手向けのお笑い番組を初めました。 番組名は『NHK 爆笑ファクトリーハウス笑けずり』。

地上波の放送ではありませんが、力の入った番組でした。番組紹介を読みますと、

250組が参加したオーディションで選ばれた9組の若手芸人が、富士山のふもとで共同生活。 毎週、先輩芸人の指導を受け、日夜ネタ作りに励む。
しかし、彼らには試練が。毎週与えられた課題を審査され、毎週1組ずつ、落とされていくのである。
芸人のテッペンを目指す若者たちの汗と、涙と、笑いのドキュメンタリー。 それが「爆笑ファクトリーハウス 笑けずり」である。

ということで、ざっくりと説明すれば 「爆笑オンエアバトル feat. テラスハウス」 と言えば伝わるでしょうか(笑)。リアリティ番組です。

スクリーンショット 2015-08-15 14.02.23

ガチとヤラセのせめぎあい

それで、こういう番組になると、真っ先に浮かんでくるのが 「ヤラセ」 です。 古くは 『ガチンコ!』(今思うと、ガチガチに台本があるのを見せといて「ガチンコ!」って、もう色々と感動してしまいますね)とかが有名ですよね。そういえば漫才版もありました(足軽エンペラーというのがあってだな…)。

本当のドキュメンタリーは退屈で、ドラマ性が欲しくなる。だから、無理矢理ハプニングを起こしてドキュメンタリーっぽく見せる。リアリティ番組なら必ずあることです。

この『笑けずり』もリアリティ番組ですから、当然、こういった「ヤラセ」が起きる可能性はあります。たとえば第2話以降を妄想してみましょうか。

あるコンビがネタ作りでぶつかり、嫌な雰囲気になったまま漫才を披露する。なんとか予選は突破するも、その後もコンビとしては噛み合わない漫才が続く。しかし、ある先輩漫才師からのアドバイスを受け、決勝直前でようやく「目指すべきお笑いが分かった」と結束を固める2人。最後は本当にやりたかったお笑いを表現して、見事優勝!

00年代でもバレそうな台本ですが(笑)、こういうことが有り得ない、とは言えません。というか、我々はどれだけガチンコの場面を見たとしても、

どこかに「ヤラセ」を見つけて/探してしまうものです

100パーセントの本気/演技は存在しない

これは立場の問題ですが、リアリティ番組であろうがなかろうが、 「ヤラセ」は絶対に存在する 、とコボリは考えています。

そう思っている理由はとても単純で、 カメラが回っている からです。レンズが写した被写体はどのように行動しても幾分のヤラセを含みますたとえば、上述したヤラセの例。これをNHK側から芸人に提示されなかったとしとも、 芸人たちが自身の判断で動く可能性があるということです。いや、むしろこっちの可能性のほうが高いでしょう。

繰り返しますがこれは立場の問題です。「右翼と左翼」みたいな危険なモンじゃないですが、バラエティ番組の視聴者を二分するような基準かもしれません。

さらに、もう少しこの考え方を深堀りすると、「ヤラセは絶対にある」というテーゼから逆説的に「ガチンコも絶対にある」ということが導き出せる、ということにも気づきます。

つまり、どれだけガチでやっても演技してしまうならば、 どれだけ演技をしても幾分のガチンコは混ざるんだ、ということです。ケンカしている内に本気になったり、ヤラセを仕掛けたがクチャクチャになって苦笑いしてしまう、とか。いくらでもありますよね。

何度も繰り返しますが、これは立場や考え方の問題なんで、まったく合わない人もいるはずです。極論ですが、コボリは『NONFIX』にだって数ミリのヤラセがあり、『ガチンコ!』や『テラスハウス』にもガチはあると思っています。

『笑けずり』初回の感想

そういった意味で、この『笑けずり』も同じく、幅広い意味でのヤラセとガチが共存している番組だと思って視聴しています。そして初回は、とても面白かったです。

初回では、各コンビのキャラクタを説明したり、ネタをちょっと見せたり、番組の趣旨を説明したり、さらには実際に1組脱落させたり…。1時間でまとめるのは相当大変だったと思います。

しかし、それらが良いバランスでまとめられていて、あっという間の1時間でした。

なんといっても、各コンビのネタが想像以上に面白かったことは、本当にすごいです。第2話からは、先輩芸人がお笑いを教えることになるようですが、どんな風になるのか想像つかなくなってます。

いらんいらんの脱落

1つだけビックリしたのはいらんいらんの脱落で、こればっかりはめちゃくちゃガチでした。 というのも、『笑けずり』の脱落者を決める方法は、

「参加コンビが一番つまらないと思うコンビを指名して脱落させる」 という独特な方法です。

「芸人が芸人を投票する」ってのは、オンバトでは見られなかったことですし、「若手芸人が出演も審査もする」というのは初めてかもしれません。

番組内でも触れられていましたが、この仕組みは「一番つまらないコンビを落とす」ではなく 「落としたいコンビを落とす」という政治的な戦いをさせてしまう可能性があります。『サバイバー』って番組が昔ありましたが、それに近いです。

その中で、各コンビが出した最初の答えが「いらんいらん」でした。理由は「ネタ見せのはずなのに、ネタじゃなくてツカミのようなことしかやっていなかったから」。おーマジか!

そんな訳でなんとなく残しておきたいキャラクタが真っ先に消えた、というのは凄いですよね。『ダンガンロンパ』というアニメを思い出しました(笑)。

初回はコンビ関係も薄いためにシンプルでしたが、次回からはもっと複雑な感じになるのかな。それはそれで楽しそうだけどやり過ぎは退屈だなー、というワガママな気持ちになっています。


というわけで、『笑けずり』は要チェックな番組だと思いました。NHKのバラエティ好きならぜひ一緒に。では。


もしあなたが、あるアーティストに興味が出たとしましょう。

テレビやラジオで流れた曲が良くて、「他にどんな曲やってるんだろう」と食指を伸ばしたこの瞬間。地味に重要な問題が発生します。 仮に、

「どれから聴き始めるべきか」問題 とでも言いましょうか。

もちろん、今の気分に合う曲をどんどん聴ければ幸せです。しかし、もしそうでない曲を選んでしまうと、「ああ、やっぱり違ったのかな」とまた何年も再会を待たないといけない危険性があります。

で、w-inds.はわりかし「どれから聴き始めるべきか」問題のあるアーティストじゃないかな、と思いました。たとえば、最新曲で興味を持った人が現行のベストアルバムを聴いてみたとき、ちょっとした誤差が生まれると思うんですよね。

なぜなら、彼らは15年の活動の中で音楽性を変えているからです(ポジティブな転換だと思います)。いわゆる「〜期」みたいなのがある。

だから、リスナーが今欲しいムードと視聴してみたアルバムのムードにミスマッチが起きると、まあお互いに不幸ですよね(笑)。


そんな中、ここ数年w-inds.を聴き続けて気付いたことがありまして、「俺、もしかしてファンなのかも…」っていう(笑)。幼馴染への恋心に気付いたときのような感覚が出てきました。

というわけで、ある程度w-inds.のことを好きになったファンから、これからw-inds.を聴いてみる人に向けて、「よし、いっちょ稽古でもつけてやっか!」というか(笑)、おすすめの曲やアルバムを紹介してみようと思います。

もちろん、個人によるレコメンドですからね! 当然、趣味趣向はあります。

w-inds.を好きになれるかどうかの「リトマス試験紙」的な3曲

というわけで、まず私の趣向から説明すると、「 ダンスミュージックが好きで、ロックは苦手 」です。KANA-BOONとかゲスの極み乙女とかも嫌いじゃないですけど、それよりは安室ちゃんとかKREVAとかが好き、って感じでしょうか。

こんな趣向がなんとなく共有できれば、以降のレコメンドはわりと機能するはずです。もちろん、そうでないパターンも紹介はします。

では最初に、w-inds.を好きになってもらえるかどうかをジャッジする、「リトマス試験紙」的な楽曲を3つ紹介します。知名度の高い曲からピックアップ。

ヒップホップやR&B;が好きで、最近の洋楽を追っているなら

Make you mine(2014年、『Timeless』収録)

私と同じ趣向をお持ちの方でしたら、絶対にオススメしたいのは 「Make you mine」 です。ジャスティンの「Suit &Tie」やファレルの「Happy」あたりの洋楽感を咀嚼しており、非常に聴き心地のよいポップスになっていると思います。

もともと、w-inds.は「ヒップホップダンスユニット」という括りでデビューしています。そういう意味で、この曲は「原点回帰」とも言えると思っています。

これがお好きであれば、彼らのこれまでの作品を気に入る可能性は高いです。

EDM路線、アゲアゲが好きなら

Let’s Get It On(2012年、『MOVE LIKE THIS』収録)

EDMが好きなら、まずは 「Let’s Get It On」 でしょうか。ちょうどw-inds.が方向転換した頃の曲です。

今でもたまに聴きますが、グアーッとアガってくる感じありますね。 現行のEDMに比べて、メロディがちゃんとあるので、若干ポップス寄りでしょうか。

「普通にいい曲」を探すなら

四季(2005年、『ageha』収録)

えー、急に10年遡りました(笑)。自分も久しぶりにちゃんと聴きました。 最近のw-inds.は「最先端」とか「音楽性が高い」とか言われることが多いですが、以前はこういう感じのポップスを歌いこなすグループでした。 いわゆるJ-POP的な進行・盛り上がりを見せつつも、ビートがちゃんと鳴ってるのが良いですね。 意外にこういう「あ、いい曲。」みたいなのって少なくありませんか?

あなたのプレイリストの中に滑りこむ余地のある楽曲だと思います。

試験紙から割り出すオススメのアルバム

「Make you mine」から始めるなら

この場合、おそらく私と同じ趣味だと思われますので、迷わず最新作『Blue Blood』をオススメします。

「ネオ・ファンク」と公言する通り(詳細は拙エントリで)、どの曲も自分の好きなように踊れる、いい具合のアルバムです。

で、これがハマった後なんですが、コボリからは「 前と後ろから聴いてみては?

」とすすめたい。つまり、一番新しいアルバムと一番古いアルバムから始めて、だんだん中盤に入っていくように聴くと楽しいと思います。

デビューアルバムの『w-inds. ~1st message~』や、最新作のひとつ前の『Timeless』は、今聴くと「ああ、これが『Blue Blood』につながる訳ね」と納得されるかもしれません。初期のアルバムはBOOKOFFで余裕で買えます。

「Let’s Get It On」から始めるなら

EDM最高。この頃のw-inds.だけ教えてくれ 」っていう場合、答えは簡単でして、『MOVE LIKE THIS』一択です。 『MOVE LIKE THIS』は、EDM期の完成形のようなアルバムです。とくに1曲目の「T.2.P」は、w-inds.の活動歴の中でも屈指の出来だと思います。

で、もしハマったら、その前後のアルバムも聴いてみてください。『Another World』と『Timeless』ですね。TSUTAYAで借りるのが一番安価か。

「四季」から始めるなら

この場合は、ちょっと反則かもしれませんが、 通常通りにベストアルバムをお勧めします。といいましても、最新のベストアルバムは2種類に分かれて発表されているので、選択に迷います。 「四季」は『w-inds. 10th Anniversary Best Album-We sing for you-』に入っているのですが、個人的には僅差で『w-inds. 10th Anniversary Best Album-We dance for everyone-』を推します。

とくにDISC1は、w-inds.が方向転換をする前の佳作がたくさん入っています。絶対に1曲は気に入るものがあるはずです。

ここから聴いてみてもらって、良ければもう一方のベスト盤に手を出してみたり、あるいは好きな曲が収録されているアルバムを聴いてみると良い感じです。

---というわけで、すこしだけ特殊なw-inds.入門でした。 ぜひ「リトマス試験紙」として取り上げた3曲だけでも聴いてみてください。音楽の楽しみが少し増えるかもしれません。ではでは。


プロのライターがガチで選んだ、文章がうまくなりたい人が読むべきスゴ本10冊|Career Supli」に触発されて、紹介されている本をかたっぱしから読んでいる。この本もその中のひとつ。

『文章心得帖』は、哲学者・評論家・政治運動家(Wikiより)の鶴見俊輔が、講座で話したときの記録だ。

著者の考えが一方的に語られるのではなく、参加者が提出した短文とそれに対するコメントが挟まっているので、理論と実践のバランスがよく読みやすかった。


この本で、何度も伝えられていることがある。それは「 <紋切型>な言葉をつきくずす 」ということだ。

<紋切型>な言葉というのは、自分の身体の中にキチンと収まっていない、他人行儀な言葉のようなものを指している。

著者は例として、当時の学生の論文の書き出しに「戦後強くなったのは女と靴下である」が多かったことを指摘している。この言い回しは、論文を書いた本人が生み出した言葉ではない。このような罠に注意しなさいよ、と本書はバカの一つ覚えのように 唱えている。当然、「バカの一つ覚えのように」も紋切型だ。

紋切型の危険なところは、パッと読むぶんには全く問題ないところだ。というか、むしろ紋切型で書かれているのほうがライターも読者も「なんとなく」読み進めてしまう。

良い文を書くには、この「なんか分かるかも」を避ける必要がある。読むときにも意識すべきことかもしれない。 筆者は、「自分で考えて生み出した言葉で文章を書きなさい 」と筆者は伝えているのだ。

ちなみにこの考え方、以前書いた「「話せば分かる」のか?―デイヴィドソンの<解釈>と<生きたメタファー>―」の<生きたメタファー>に近い。

結局、言葉と真摯に向き合い続けることが、良い文を書く鉄則なのかもしれない。あ、また紋切型が。

目次

  1. 文章を書くための第一歩1. 紋切型の言葉について2. 三つの条件3. 「書評」の書き方4. 情報量の少ない文章5. 自分らしい本の読み方2. 見聞から始めて1. 原体験と体験の違い2. いい文章の目安3. 結びの文章を工夫する3. 目論見をつくるところから1. 文章を書くことは選ぶこと2. 本のタイトルと目次3. 目論見の成功と失敗4. 文章には二つの理想がある1. はじめての文体の魅力2. 過度な簡潔さが基準### 読んでみたい/関連する参考文献

[「I’m all yours」 | w-inds. 歌詞/コード検索サービス |楽器.me](http://gakufu.gakki.me/m/?p=N04572&k=m2) 上のページを参考に、w-inds.「I’m all yours」のコード進行を学んでみた。とても良い曲なのでなにかしら得たい、という初期衝動から。

実際に弾いてみた感じは全く違和感無いので、多分合ってるはず。キーはAメジャー。

【Aメロ】

ⅣM7(9) / - / ⅤonⅥ / - / ⅣM7(9) / - / Ⅲm7onⅥ / Ⅵ /

Ⅳから始まるのは、自分の好きなパターン。 3小節目でⅤに進むが、ベースラインは9thの音。これはよくあるのだろうか。

同じように考えると、7小節目のベースは11thの音になっている。Ⅵsus7(9)とも読めるけれど、どうだろうか。

【Bメロ】

ⅣM7(9) / Ⅲaug7 / Ⅵm7(9) / ⅢonⅡ Ⅱ7(9) / Ⅱm7 / Ⅰ7(9) Ⅶ7(9) Ⅶ♭7(9) / ⅠM7 Ⅱm7
Ⅲm7 ⅣM7 / ⅤonⅦ Ⅴm7onⅠ Ⅰ7(9) /

2小節目は3小節目のドミナントモーション。augにするのはよくあるようだ。

4小節目は、ベースラインが4度で進行している。ⅠonⅡ(いわゆるFonGみたいな)なら分かるけれど、7thをベースに落とすのはあまりやったことが無かった。ベースラインを重要視すると、また違ったものが作れそう。

5小節目のような、前の小節をマイナーコードに差し替えるのは自分じゃ浮かばなかった。

6小節目は、7小節目に向けて滑らかに落とすような進行。Ⅶ♭7からドミナントモーションでⅢ♭に進むわけではない。

7〜8小節目は、メロディとリズムに合わせながらサビ開始のⅣM7(9)に繋げるためのコード。実際に実践しながら作っていくしかないだろうか。

【サビ】

ⅣM7(9) Ⅲaug7 / Ⅵm7(9) Ⅴm7onⅠ Ⅰ7(9) / ⅣM7(9) Ⅱm7onⅤ / ⅠM7 Ⅴm7(9) Ⅳ#7(9) /
ⅣM7(9) Ⅲaug7 / Ⅵm7(9) Ⅴm7onⅠ Ⅰ7(9) / ⅣM7(9) Ⅲaug7 / Ⅵm7(9) Ⅵ♭7(9) Ⅴm7(9)
Ⅳ#7(9) / ⅣM7(9) Ⅲaug7 / Ⅵm7(9) Ⅴm7onⅠ Ⅰ7(9) / ⅣM7(9) Ⅱm7onⅤ / ⅠM7 Ⅴm7(9)
Ⅳ#7(9) / ⅣM7(9) Ⅲaug7 / Ⅵm7(9) Ⅴm7onⅠ Ⅰ7(9) / ⅣM7(9) Ⅲaug7 / Ⅵm7(9) Ⅵ♭7(9)
Ⅴm7(9) Ⅰ6(9) /

メインの流れは「ⅣM7-Ⅲm7-Ⅵm7-Ⅴm7-Ⅰ7」。これはR&B;の定番進行。邦楽だと「丸の内サディスティック」もそうだったはず。これ、ちゃんと記事にできるかも。

前半2小節は上の進行。で、後半2小節は「ⅣM7-Ⅱm7onⅤ-ⅠM7」を挟んだりしながら、ⅣM7に解決できるようにドミナントモーションを連結させていっている。

ちなみに、Ⅱm7onⅤはⅤ7sus4と考えて、V7の代わりとして使用することが多いらしい。一度は試してみよう。

感想

分析してみると、ド定番のコード進行が要所で使われていることがわかった。やっぱり好きな進行なんだ。

また、ドミナントモーションの多用に気づく。これが余計なおせっかいに感じないのはメロディとの調和がとれているのだろう。メロディも合わせて分析する必要がありそうだ。

とりあえず、今回はここまでで。