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転職活動をしていた。去年の秋。25歳のことだ。 最初の入社先は、色々あって、中途入社だった。2年半ほど働き、転職を決意した。

第二新卒という制度はもう使えない。バイトも大学の名前で簡単に雇われた自分にとって、これが初めての「一人の勝負」だった。

自分の環境ではなく、自分自身を売るのだ。


結果から言うと、転職はうまくいって最近新しい会社で働き始めた。とはいえ、順調に終わった就活とは異なり、転職は失敗も多く、色々と対策も考えた。

それで、そんなときに読んでいた本のひとつが、『転職の赤本』だった。 [amazonjs asin=“4822245470” locale=“JP”title=“営業の赤本 売り続けるための12.5原則”]なぜ転職中に営業本を読んだか。それは、前述したように、「自分を売る」必要がある転職活動と「モノやサービスを売る」営業活動には似た要素があるだろう、という発想からだ。

このことは、本書でも強く繰り返されていた。曰く、

「お客様に好かれる必要はない。信頼されればいいのである」
なんと馬鹿なことを言っているのだろう。企業のCEO(最高経営責任者)が買うという決定をくだすとき、「わたしは彼を信頼しているが、好きじゃない」などと言うだろうか。(p7)

これが筆者の考えの根本だ。

---肝心の内容だが、テクニカル面を教えるよりも、自身のモチベーションを上げさせる向きが強い。とはいえ、営業未経験の自分にとっては、基本的なことは学べた。 実際、ここに書いてあるティップスを翻訳して転職活動にも使っていたりした。たとえば、 「買おうとしているものが理解できる」

「営業担当者が、わたしのビジネスの成功に力を貸そうとしてくれているのを感じる」 「お客様の生産性、収益性、経費削減などに関する質問をする」

などは、就活生向けのアドバイスとして使っても問題ないだろう。事前準備を丁寧にやる大切さを学べる。

---営業に従事してなかろうが、いずれ営業に似た局面は誰にでもやってくる。 営業を経験するのが最適だろうが、せめて営業について考えるだけでも無駄ではなかった。営業なんてやりたくない、って人はとくに。


やっと、少しですが、落ち着いて語れるようになりました。 先週の土曜日、w-inds.の最新ツアー「Blue Blood」を観に行きました。これがあまりにヤバかったので、できるかぎりレポートしておきます。 先に言っておくと、少しでもw-inds.に興味が湧いている/湧いた人は、絶対に観に行ったほうがいいです。いきなりネガティブですが、こんなショーはそうそう無いです。本当に旨い食事を食べたときの、「ああ、これからこのシェフに対するハードルが上がるのか」というポジティブな悲観と言えるでしょうか。そんな感情になりました。

完成されたショー

まず、全てを見終わったあとに感じたのが 「ああ、これはショーなんだ」 ということでした。 とはいえ、ライブとショーの違いってなんだよ?

って話ですよね。自分なりに違いを説明しますと、

文字通りライブは「生」を楽しむ、能動的・積極的な関わりがメインなもの。一方で、ショーは「見せ物」の通り、提示されたものを受動的に楽しむもの、だと考えています。

つまり、 ライブは「楽しんだモン勝ち」ショーは「楽しませてもらったモン勝ち」 、というと伝わるでしょうか。騒いで楽しいのがライブ、騒がずとも楽しいのがショー、みたいな感覚です。 今回のw-inds.のツアーは、上のような意味で、まさしくショーでした。ワーキャー騒ぐのがちょっと苦手なファンの人も、しっかりと堪能できたのではないでしょうか(と言いつつ、お客の中で一番騒いだのは私です・笑・MCのときは静かにしてました。ここが勝負所のファンもいらっしゃるでしょうから)。

これは、 w-inds.がいよいよ「大人」のステージに移行した ことも意味していると思います。もし今回のツアーがシッティングだったら、ディナーショーとしても十分に機能します。ぶっちゃけ、今回のツアー、シャンパン飲みたくなる瞬間ばかりでした(笑・ビールでも良いですけど。琥珀かな?)。

ある意味では、ちょっとだけ遠くに行ってしまったように感じた既存のファンもいるかもしれません。それぐらい、今回のツアーは「大人」だったと思います。

反対に、これは一方的な妄想ですが、MCがいつも以上にグダグダだったこと。アンコールが「Top of the world」というヒップホップのくくりの中でもかなりアイドル寄りの曲を歌ったこと。これらは、彼らの絶妙なバランス感覚であり、無意識的な反抗であると言えると思います。

そういう意味で、「もはやアイドルじゃない」とか「アイドルを越えた」などと言われ続けていた彼らは、このツアーで答えを出したようにも見えました。

永遠に踊り続けられた。バラードですら。

今回、一番驚いたのはここでした。私が何年も「いつか来るぞ、いつか…」と思いながら見続けたましたが、ついに最高の瞬間に出会えました。 それは、

今回演奏した曲が全て踊れたことです。 えー、すっごい単純です(笑)。 TIMELESSツアーも要素としては悪くありませんでしたが、今回のBlue Bloodツアーはまさに完成形。完璧でした。選曲も申し分ありませんし、何より曲と曲の繋ぎ方が素晴らしかったです。

セットリストを友人のサイト、「【全部ネタバレ】w-inds. LIVE TOUR 2015”Blue Blood”1万字レポという名の感想」から確認してみました(自分より圧倒的に長い!)。このセトリを見るだけで興奮が戻りますね。

たとえば序盤。「Beyond The Blue World」、そしてアップテンポな曲の中では遅めの「Million Dollar Girl」から始まり、ジワジワとBPMを上げて、「Midnight Venus」までアゲていきます。この少しずつテンポを上げていく感覚、よくわかります。

曲間の処理も丁寧に考えられていて、「ブギウギ66」で盛り上がったところに「Midnight Venus」のイントロが混じってきたときは、「そんなにいっぺんに食えないよ〜(笑)」みたいな、本当に贅沢だっと思います。 「134」と「I’m all yours」では、シティポップ寄りの曲で、こういうのが好きな人には序盤以上に盛り上がれたはずです(私のことですが)。

そしてもうひとつ良かったのは、前回もそうでしたが、いわゆるバラード曲でも踊りの要素があったことでした。 CANDLE LIGHTはその好例で、1番のAメロは静かにいきますが、サビからはビートが鳴り始め、これはきちんと踊れるリズムでした。 これまでのライブは、必ず_「止まる」_ 瞬間がありました。

車で例えれば、これまでのライブは160km/hぐらいでビュンビュン飛ばして気持ち良いけれども、どこかでブレーキがかかって、またどこかで最高速に達する、みたいな感じでした。

しかし、今回のツアーは最高速こそ130km/hぐらいかもしれませんが、かわりにずっと心地よく助手席に乗れていたようなニュアンスです。

この点も、「ライブ」ならぬ「ショー」だよなあ、と思った理由です。

全ての曲がフラットになった瞬間

最後に、上述したことと被るかもしれませんが、これが一番大事かもしれません。 それは、過去曲の扱いです。この点があって、今回は最高のツアーになりました。

決して「やってほしい曲をやってくれたから最高!」ってだけではありません(たとえば「Spinning Around」とか演ってもよかったんですよ・笑)。

過去曲の扱われ方がBlue Bloodのテーマに沿ったもの であったから、今回のショーは素晴らしかったんです。 そして、それはこれまでのw-inds.の歩みに無駄なものが無かったことを表しています。 過去の曲は、Blue Bloodの布石として、現代の彼らを表す曲として、機能していました

個人史で失礼しますが、私が追い始めたのが「HYBRID DREAM」の2007年。このあとEDM期に突入する訳ですが、その前もその後も、彼らの音楽からヒップホップやR&B;が消えることはありませんでした。

それが、今回のショーでついに表舞台に帰ってきた。で、それにファンも呼応して楽しんでる。そのことに強い感動がありました。

おそらく、彼らはこれからも過去の曲を歌うでしょう。歌うことによって、彼らの音楽に流れる血(まさに血、です)が過去から現代まで脈々とつながっていることを、これからも証明し続けるはずです。


まだ興奮が止みませんが(笑)、とにかく、今回のショーは本当に素晴らしかったです。ラッキーパンチなどては決してなく、通常攻撃であることを信じています。

アルバムの感想同様、気が早いですが次のツアーが本当に楽しみです。「次こそSpinning Around演る」に2万点! では。


鶴見俊輔『文章心得帖』同様、自分の作文スキルを向上させたいと思って読んだ一冊。

感想

本書は、井上ひさしが受講生に「自分にしか書けないことを、だれにでもわかる文書で書く」ためのコツを教えるものだ。口語で書かれているので、とても読みやすい。

この本を読んで、 井上ひさしの考える文書のポリシーはミニマリズム ではないか、と考えた。必要十分な言葉で書かれた小さな文書を、緻密に積み上げて大きな流れを生み出す。著者の小説を読んだことがないので恥ずかしいが、この講演でそのように感じた。

話のテーマが大きいので、一読しただけでその内容をインストールはできないだろう。本書の受講生と同様、実際にこの教えを頭に入れながら文書を書き続けることで、やっと血となる話である。

その中でも、個人的に大変参考になったことが2つある。相手が理解しやすいように書くための教えだ。

段落で論理を伝える。「接着剤」を使わない。

一つ目は、 段落の扱い方 。井上ひさしは、段落を「(考え方の)ひとまとまり」と捉えて、ひとまとまりが終わったら改行するように教えている。

しかし、このひとまとまりが、私の想像よりとても小さかった。

井上ひさし曰く、段落をつくる心は自分の好きな改行をする作家から学ぶほかない。たしかに、自分の好きな作家は、ひとつの段落が長いことが多かったかもしれない(アカデミズムの本とは大半がそういうもので、それは基礎体力のようなものだった)。

この点は、ブログを書くときにも意識するようになった。とくにブログは、書籍以上に段落をつくる書き方をすることが多い。長文志向な自分にとっては、この段落を上手く使うことで最後まで読まれる文章を書けるようにしたい。

とはいえ、段落をそう簡単には変えずにズラズラと長い文章を書くのも、生理的には嫌いではない(笑)。そういうことで、今のところは、論理的な面と美的な面の2方向から検討するようにしている。

もうひとつは、できるかぎり 言葉を削ぎ落とす ことだ。一人称を使わない教えも参考になったが、 「接着剤」を使わない 、というのは面白い考え方だった。

「接着剤」とは、接続後や接続助詞のことで、これらは「 理屈をつれてくることば 」である。でも、それがなぜいけないのか。

それは、接着剤が理屈を連れてくるところにある。もし接着剤に合った文章が練られていないと、言葉にせっつかれて無理矢理に理屈をつくることになってしまう。そうしてできた文章は簡潔ではないのだ。

接着剤をまったく使わないことは無理だし、適切ではないだろう。しかし「理屈をこねる」ことは避けろ、と井上ひさしは伝えているのだ。


こうしたことを意識して文書を書き始めると、ときに「あれ、こんなに短い文章/段落で大丈夫?」と思うことが増えた。

他人に伝えるために必要な言葉は、考えるより短くていいのかもしれない。 [amazonjs asin=“4101168296” locale=“JP”title=“井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室 (新潮文庫)”]## 目次_※ 本文の重要な部分を多く見出しに書いているので、先頭部分だけ抜粋。_ 1. 一時間目1. 作文の秘訣を一言でいえば、自分にしか書けないことを、だれにでもわかる文章で書くということだけなんですね。

  1. 二時間目1. 一時間半で日本語というものをざっと見るという大冒険、うまくいったら拍手ご喝采です。
  2. 三時間目1. 意識をなるべく研ぎ澄まして。観念的に、じゃなくて具体的に。理屈ではなくて、具体的に。
  3. 四時間目1. 奇蹟が起こっています。

読んでみたい参考文献


人生で見たことのあるツアーの中でも、楽々と最高値を叩き出したライブでした。 ファンの中では落ち着いているほうだと思いますが(ライブでは、狂ったように踊りますけど・笑)、今日はいわゆる「認知」してもらおうと少し必死でした。

それは、中学時代はソウルミュージックに傾倒し、高校からはヒップホップを始め、鬱病だったときもどんなときもヒップホップやR&B;に救ってもらった経験のある、そんな26歳男子の耳に、w-inds.の音楽は届いているよ!

という、お互いに分かり合ってることを確認するような、そんな気持ちでした。


私、DJをやっていまして、以前は友人とw-inds.の曲だけを4時間かけ続けるイベントをやったこともありました(またいずれやりたいですね)。

それでイベントが終わるたびに、まあファンあるあるですが、「ああ、自分が選んだ曲でライブやってくれれば完璧なショーになるんだけどな」などと思っていました。

しかし、今回のショー(ライブというかショーだと思います。そしてこれが今回の、TIMELESSから続くw-inds.の目指す方向だと思いますが)で、訂正させていただくことにします。 選曲すごすぎるでしょ! で、その繋ぎ方、ズルすぎる! 今回は、一瞬たりともダレるところがなく(MCは除きますよもちろん・笑)、さらに選曲すべてにちゃんと意味があった。

「盛り上がる曲を続けたからバラードをそろそろ入れよう」とか「懐かしのあの曲を入れよう」みたいな短絡的なセレクトは一つもありませんでした。

彼らの15年の歴史をすべてフラットにしたうえで、「グルーヴ」を条件にセット。その中で、的確な曲だけがスピンされていました。

その結果、ステージ上には、あの頃のソウルやR&B;がきっと持っていたであろうリュクス感やラグジュアリー感が立ち上がっていました。 また、『Blue Blood』という彼らの新作が、これまでの活動歴なくしては生まれなかったものであることも、とても分かりやすく表現されていました。

---おそらく。もっと盛り上がるアイドルのライブはいくらでもあるでしょう。もっとキャッキャッできるアイドルも他にもいるでしょう。 しかし、こんなショーをするアイドルは、w-inds.しか知りません。(※1 もし今回のライブが好きでしたら、一度ゴスペラーズ聴いてみてほしいんですよね。DA PUMP以上に親和性が高いかもしれません・笑)

ブログに書いた通り、かなり期待度を高くして行ったのですが、思ってもいなかった完成度でブッ飛ばされました。というお話でした。また詳しくはのちほど。とりあえず、

お見事!


感想

家庭料理というのは、中華、フランス料理と並ぶものであって、上でもないし、下でもない、一つのジャンル、プロの技なんだということを語れたことが何よりも良かった

上の台詞は、小林カツ代が雑誌の取材で語ったものだ。

『料理の鉄人』で、鉄人の陳建一に勝った小林カツ代の肩書きは「料理研究家」。自分はただの主婦ではなく、家庭料理を教えるプロだという自負があった。


本書は、有名な料理研究家の歴史研究から、当時の女性の生き方を分析したものだ。新しい視点からのアプローチだと思う。

初めての試みだからか、ときおり話が錯綜気味になり、最後の筆者の主張がよくわからなかったのはすこし残念だった(というか、歴史を追いながら感想が途切れ途切れ書いてある、という印象だった)。

しかし、料理研究家を一本の線にまとめようとしたことはとても凄いと思う。それで、私ならもうちょっと違う言葉でまとめるだろうな、とも感じた。

以下、本書を参考にしながら、私なりに料理研究家の歴史をまとめてみたいと思う。

考察、レビュー:料理研究家の「遠さ/近さ」

本書では、幾人もの料理研究家を2つの観点から分けてマッピングしていた。ひとつは「ハレの料理/ケの料理」、もうひとつは「本格派/創作派」だ。

私は、これにもうひとつ視点を持ち込んで、大きなくくりでまとめてみたいと思う。それは「遠さ/近さ」という、料理研究家に向ける憧れの度合いのようなもので、現状に満たされない気持ちが関連するものだ。

この「遠さ」は、どんな料理を作るに関係なく、生まれるところには生まれる。この観点も入れて、主要な料理研究家の歴史をたどってみたい。

「遠い」江上トミ

1950年代に始まったテレビ放送。 初期の料理番組(以下、料理本も含む)は、まず「料理に手をかけたい」という主婦の欲望からスタートする。

この頃に活躍した江上トミらは、普通の主婦では到底できない料理(西洋料理)を教えていた。主婦からすれば、彼女たちは憧れの存在であっただろう。

この「遠さ」が求められた背景には、主婦という存在が生まれたことが関わっている。

金銭に価値が重く置かれるようになってきたこの時代、主婦という存在は「お金を稼げる」という存在価値を持たずに生まれた。その分、どこかに価値を見出さずにはいられない。それが家事であり、まず料理だったのだ。

つまり、現状の主婦像について満たされない気持ちが強かった彼女たちに、生きがいやロールモデルを与えようとしたのが、この頃の料理研究家なのだ。

「近い」小林カツ代

男女雇用機会均等法も定まった80年代後半。 主婦の状況は大きく変わった。パートを含め、主婦も働くことが一般的になったからだ。

お金も稼ぎつつ家事も完璧に、いう無理ゲーをこなさいといけなかった主婦にとって、何より心強かったのは小林カツ代のような「近い」料理研究家だ。

この「近さ」は、憧れのようなものではなく、もっと共感性の高い存在といえば伝わるだろうか。「現状に対する満たされない気持ち」というより、「現状に対する危機感、ストレス」みたいなものだと推測する。これを解消してくれる存在が必要だった。

こういった「近さ」は、従来の料理研究家にはなかった。城戸崎愛は、たしかに料理初心者に優しく教えるプロであったが、それは彼女側に近づくための方法だ。一方で小林カツ代は、自身を主婦が目指すべき正解像にはしていない。というか、正解像とは捉えられなかった。小林カツ代は、主婦にとって憧れのモデルでこそなかったが、一緒になってダイエットを応援してくれるような、そんな位置にいたと思える。

そして、そんな「遠い」や「近い」という対の感覚を止揚したのが、栗原はるみだ。

「近くて遠い」栗原はるみ

小林カツ代のあとに大きなブームを呼んだのが、栗原はるみだ。92年に発刊された 『ごちそうさまが、ききたくて。』は、100万部の超えるベストセラーになった。

彼女の特徴は、料理だけでなく、皿選びから家庭のあり方、なんなら料理本のタイトルの句読点まで。いわゆる「ライフスタイル」を主婦に見せつけた点だ(※1)。

料理はなるほど、簡単につくれて、それなりにオシャレである。しかし、料理だけでは足りない何かが、栗原はるみの料理番組にはある。

料理はマネできようとも、その暮らしぶりまではマネできないのだ。そんな彼女のライフスタイルに、主婦は憧れた。近いように見えて、実ははるか遠くにいる存在。それが栗原はるみであり、この「近くて遠い」という感覚こそが「カリスマ主婦」と呼ばれた理由だろう。

感想

以上のように、料理の種類と憧れから生まれる「近さ/遠さ」から、料理研究家をザックリとまとめてみた。

もちろん、何かの歴史を1つの線にまとめるのはそもそも不可能であり、溢れ出す具体例も存在する。とはいえ、わりかし間違ってもいないような気がしている。

ネット発の料理研究家や「キャラ弁」についてもアレコレ考えていたのだが、それはまた別の機会に。

※1: コボリは栗原はるみのファンなので補足したいが、これは我々の世代がすぐに勘ぐるような「マウンティング」ではない。と信じている

目次

  1. 憧れの外国料理
    1. 高度成長期の西洋料理――江上トミ、飯田深雪
    2. 一九八〇年代のファンシーな料理――
    3. 平成のセレブ料理研究家――有元葉子
  2. 小林カツ代の革命
    1. 女性作家の時短料理術
    2. 小林カツ代と「女性の時代」
    3. カツ代レシピを解読する
    4. 息子、ケンタロウの登場
  3. カリスマの栗原はるみ
    1. 平成共働き時代
    2. はるみレシピの魅力
    3. あえて名乗る「主婦」
    4. 最後の主婦論争
  4. 和食始動の系譜
    1. 昭和のおふくろの味
    2. 辰巳芳子の存在感――辰巳浜子、辰巳芳子
  5. 平成「男子」の料理研究家――ケンタロウ、栗原心平、コウケンテツ

読んでみたい参考文献

上野千鶴子『家父長制と資本制 マルクス主義フェミニズムの地平』(岩波書店)


10 ways to fix or enhance the treble in your mix |MusicRadar」から。

英語は得意ではないのでメチャクチャな翻訳になっていますが、うるせぇ。それでも多少のハウツーは得られるはずです。

イコライザー以外で高音域を操れるようになってくると、ちょっといい感じそうですよね。自分はヒップホップ畑なので、「低音過多」みたいなことがよく起こるので、いくらか参考にしてみたいと思います。

サチュレーションを使ったエンハンスメント

Saturation and its accompanying harmonic distortions can add brightness
through the introduction of treble frequencies. Often based on emulations of
analogue circuits, different designs generate differing amounts and types of
harmonics (odd and/or even). For maximum flexibility, find a plugin that can
deliver different types of harmonics.
サチュレーションあるいはそれに付随するハーモニック・ディストーションは、高音域の導入によってきらびやかさを追加することができます。アナログ回路のエミュレートに基づいて、それぞれのデザインがそれぞれの量や種類の倍音を生み出します。柔軟に対応できるよう、異なった種類の倍音を出せるプラグインを見つけましょう。

倍音で高音域を増やす作戦。アナログを通したりするのもこれですね。

テープ・エミュレーターで滑らかにする

Tape machine simulations can both enhance and curtail high frequencies, and
this is primarily down to the tape type and speed. Find a tape simulation
with a vintage tape option, or even specific tape types (formulations like
Ampex 456 or Scotch 226 are ideal). Set the tape to a slow speed like 15ips
or even 7.5ips, and try over-biasing the signal. Remember, tape is
inherently non-linear, so this technique may affect other frequencies as
well.
テープマシーンは高音域を強調したりも抑えたりもでき、主にテープの種類や速さによります。15ipsあるいは7.5ipsぐらいのスピードに設定して、音を歪ませてみてください。テープは本質的に非線形(?)なので、このテクニックは他の音域にも同様に影響を与えるかもしれません。

Roundtone VST - Tape emulation」あたりで、この効果は確認できるかもしれません。

イコライザーで高音域をブーストする

Here we’re going to look at how treble changes with different EQ shapes.
We’ll show you how three varied options help us achieve different outcomes.
異なったイコライザーの形(EQの種類)でどのように高音域が変わるかを見ていきましょう。3種類のオプションでどのように異なった結果を得られるかをお見せします。

詳しくは元記事で。画像で充分にわかります。

高音のデッパリをカットする(ノッチング)

[…] of course, we can also use carefully placed cuts to precisely remove
problem treble frequencies. In the past, we would often have to do this
solely by ear, but the abundance of quality analysis tools and super-precise
EQs makes the process much easier.
もちろん、高音域にある問題を緻密に取り除くためにある音域をカットすることもできます。私達はしばしば耳に頼らざるを得ませんでしたが、良質のアナライザーや正確なイコライザーによって簡単になってきました。

これもよくやる手法ですよね。スペクトラムアナライザーがあるから、視覚的に操作することができます。

ビットクラッシャーで高音のザラザラ感を追加する

Unfiltered sample rate reduction introduces very audible aliasing errors,
and while these frequencies are not strictly musical or harmonic, they’re
great for adding bite and crunch wherever an unnatural touch is acceptable -
percussive sounds work especially well.
フィルターのかかってない(?)サンプリングレートの減少は、可聴のエイリアシングなエラー(周波数のギザギザ)を招きます。これらの周波数が厳密に音楽的または倍音でない間は、不自然な感触が容認できるならいつでもその周波数はビットやクランチの追加は素晴らしいことです――パーカッシブな音は特によくなります。

ドラム系にかける、ってのがキモですよね。

ダイナミクスで高音域をコントロールする

We can use frequency-conscious dynamics as an alternative way to remove
harshness. This type of processor, often associated with de-essing, responds
to the incoming signal level, compressing in response to a specific band of
frequencies. This differs from EQ in that the process is level-dependent,
reducing the signal only as needed.
とげとげしさを取り除く代わりの方法として、周波数重視のダイナミクスを使うこともできます。この種類のプロセッサーは、しばしばディエッサーに関連して、入ってくる信号の大きさに反応し、明確な音域に反応してコンプレッシングします。これはプロセスが大きさに依存するイコライザーとは異なり、必要に応じて信号を減らします。

マルチバンドコンプのことを言ってるんだと思います。イコライザーだと、必要な高音域も削ってしまうことになるので、不要になるタイミングに合わせるのがこれ。

エフェクト前/後のイコライザーでディストーションを滑らかにする

Some effects - distortion, for example - can bring out unwanted side
effects. We can compensate for them using pre and post EQ.
ある種のエフェクト――ディストーションなど――は、望まない副作用も持ち込みます。エフェクトの前と後にイコライザーを挿すことで、これらを直すことができます。

これは初耳。方法としては、ディストーションによって持ち上がってしまう音域(ギターの例では2kHz)をノッチでガッツリと下げる。そして、ディストーションをかける訳だが、その後に同じ音域を持ち上げてあげる。エフェクトに通したくない音域があるときに使うテクニックですね。勉強になります。

並行してエンハンサーを使う

We spend so much time removing any unwanted high frequencies that it can be
easy to overlook the advantages of adding them. This technique can sound
unpleasant when overdone, but when used correctly, it can be a lifesaver for
dull, lacklustre sounds.
私たちは望まない高音域を取り除くことに時間をかげすぎているので、高音域の追加の利点を簡単に見逃してしまっています。このテクニックはやりすぎると不愉快に聴こえますが、正しく用いればくすんだ元気のない音を救ってくれます。

高音域だけにエンハンサーをかける、ということでしょうか。 「Audiffex STA Enhancer」というフリーソフトがおすすめされています。ダウンロード先が見つからない…。

滑らかにするトランジェント

If you don’t fancy using EQ or a tape simulator to tame unpleasant high
frequencies, try thinking outside the box. For example, an enveloper or
transient shaper, in addition to enhancing transients, can also soften them.
On transient-heavy sounds such as drums, these transients can carry lots of
high-frequency energy, and softening them can reduce the overall high-
frequency edginess of a mix.
もしあなたが不愉快な高音域をなだめるためにイコライザーやテープシミュレーターを使うことを考えないとしたら、箱の外側を考えてみてください。たとえば、エンベロープやトランジェント(過渡電流)・シェイパーは、トランジェントの強調に加えて、これらを和らげることもできます。ドラムのようなトランジェント・ヘビーな音で、これらのトランジェントは多くの高音域のエネルギーを生み出し、和らげることはミックスの高音域のエッジ全体を減らすことができます。

“transient”の意味がちょっと分からず、意味不明な訳になってしまいましたが、とりあえずtransient shaperを使え、ってことでしょうか。

transient shaperはアタック感の処理ツールですが、当然ながら高音域の処理にもなりますね。「Free Transient Shaper VST Plugins!」のソフトで確かめてみようか。

ホワイトノイズをレイヤーに載せる

Noise has been an important part of synthesis for decades, and its wideband
sound played an important role in adding bite to early synthesised drums.
White noise’s flat spectral density across the 20Hz to 20kHz range means it
sounds brighter than other noise types, like pink and brown, which curtail
high frequencies in line with our hearing. This means that white noise can
be ideal for adding extra top end.
ノイズは数十年間にわたってシンセサイザーの重要な要素です。そして、その広帯音域の音は初期のシンセサイザー・ドラムにビット感を追加するのに重要な役割を演じています。ホワイトノイズのフラットな周波数の密度は20Hzから20kHzの幅にわたっていて、他の種類のノイズに比べて明るく聞こえます。これは、ホワイトノイズがトップエンドを追加するために申し分の無いものだということです。

これが「なるほど!」って感じで、翻訳してみたくなったキッカケでもあります。

たしかに、シンセのプリセットにホワイトノイズ使っているものもありますもんね。あと、fx系とかも。